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顧客を維持し、離脱率を最小限に抑えることは、ビジネスの成功に不可欠です。調査によると、新規顧客の獲得には、既存顧客の維持と比べて5倍から7倍ものコストがかかることが明らかになっています。顧客維持(カスタマーリテンション)を改善すると、持続可能なスピードでのビジネス成長につながり、ひいては安定した利益の増加も見込めます。専門家の見積もりでは、顧客維持率を5%上げるだけで、25%から95%もの利益増につながる可能性があるといいます。ロイヤルカスタマー(忠誠心の高い顧客)は、ブランドを積極的に広めるファン、ブランドの支持者にだってなるかもしれません。

新規顧客を獲得するよりも、長期的に愛用してくれるロイヤルカスタマーを獲得した方が、費用対効果が高く、増収につながりやすくなります。顧客ロイヤリティーと顧客維持を高める戦略を立て、実行に移して、力強い成長と収益性を維持しましょう。

本ガイドでは、顧客を効果的に維持するために必要な、以下の内容について説明しています。

  • 顧客維持について
  • 顧客維持の計算方法
  • 顧客維持の重要性
  • 顧客維持に影響する要因
  • 顧客維持を改善する戦略
  • 顧客維持戦略の実例
  • 顧客ロイヤリティーの構築
  • ロイヤリティーの測定とモニタリング: 成功への主な指標

顧客維持とロイヤリティーは、ビジネスの基盤です。リピート購入する顧客のいる企業は、利益を伸ばし、最終的な収益の健全化を進められる可能性を秘めています。さらに、満足している顧客がクロスセルやアップセルに応じやすい傾向があります。

顧客維持とロイヤリティーを優先するようになると、ビジネスが変わります。あらゆるタッチポイント(顧客接点)で顧客中心の風土を培えば、顧客育成を進めてロイヤリティーを高める、忘れられない体験を生み出すことができるでしょう。

顧客維持とは、企業が一定の期間に顧客を維持する能力を測る指標です。顧客ロイヤリティーを測定することができ、顧客が再び購入するかどうかを判断する目安になります。顧客維持は他にも、質の高い製品やサービスを提供しているか、価格設定と割引に競争力があるか、カスタマー サービス チームが熱心に対応し、顧客の再購入に貢献しているかなどを知る指標にもなります。

高い顧客維持率は、良い体験を重ねたロイヤルカスタマーがいる可能性を示します。逆に低い顧客維持率は、製品やサービスに満足していない顧客の存在を示唆します。

そこで、顧客維持率を高め、大切なリピーターを増やすために企業が行う一連の取り組みと作戦をまとめて、顧客維持戦略と呼びます。 一部の戦略では、既存顧客がどれだけ利益に貢献しているかも特定します。 

顧客維持戦略は、企業が既存顧客により多くの価値を提供し、ひいては既存顧客からより多くの価値を引き出す流れを生み出します。提供する顧客体験(CX)を最適化することで、既存顧客から得られる価値を高め、より持続可能性の高い事業基盤を築きましょう。 

顧客維持率の計算に使える指標は複数あります。ひとつに絞るのではなく、いくつか併用すると、自社の現状と改善すべき点をより的確に把握できるのでお勧めです。 

今回は、中でも特に一般的な顧客維持の指標と、その計算方法をご紹介します。

顧客維持率は、一定の期間に企業に対するロイヤリティーを維持している顧客の割合を示します。 

基本的な顧客維持率を計算するには、まず、測定する期間を決めてください。次に、その期間の開始時点での顧客数、終了時点の顧客数、そして新たに獲得した顧客数を確認します。 

最後に、次のシンプルな計算式を使って顧客維持率を計算します: 顧客維持率 = [(期間終了時の顧客数 - 期間中に獲得した顧客数)÷ 期間開始時の顧客数]x 100

顧客維持率(CRR)の計算式

リピーター率は、自社から購入した顧客のうち、2回目の購入をした顧客を測る指標です。多くの業界で、年間収益のかなりの部分をこのリピーターが生み出しているため、この指標は非常に重要です。スコアが高いほど、再購入したいと思っている顧客が多いことを示します。 

リピーター率を計算するには、次の2つの情報が必要です。 

  • 一定の期間に複数回購入した顧客の数
  • 一定の期間に購入した顧客の総数 

この情報を手に入れたら、次の計算式を使ってリピーター率を計算します: 複数回購入した顧客の数 ÷ 顧客の総数

購入頻度は、顧客が商品やサービスをどれだけ頻繁に購入するかを示す指標です。 

この計算式はリピーター率と似ています。リピーター率の測定に使ったのと同じ期間(たとえば四半期)のデータを使い、ストアの注文総数を顧客総数で割ります。 

計算式は次のようになります: 購入頻度 = 注文数(一定の期間)÷ 顧客総数(同一期間)。 たとえば、第2四半期の購入頻度を出したい場合は、第2四半期の注文総数を第2四半期の顧客総数で割った値になります。

平均注文金額(AOV)は、顧客が購入時に平均いくら費やすかを特定する指標です。 

平均注文金額も、リピーター率、購入頻度と同じ期間のデータを使って計算する必要があります。 

データを用意したら、年間収益をその事業で処理した注文数で割ります。 

平均注文金額の計算式は次のようになります: AOV = 獲得総収益 ÷ 注文総数

顧客価値(カスタマーバリュー)は、企業にとって顧客がどれだけの価値があるのかを理解するための指標です。この値を出すには、購入頻度に平均注文額(AOV)を掛けます。 

計算式: 顧客価値 = 購入頻度 x AOV

顧客価値を測定することで、長期的な視点で自社の取り組みを正確に追跡し、顧客維持の能力を理解することができます。

顧客維持に取り組むと、新規参入したばかりの企業でも、定評のある大企業でも、規模を問わず多くの利益を得られます。 

顧客維持は主に、既存顧客のリピーターに変えやすい特性を利用します。サービスに登録済みの顧客や、製品を購入済みの顧客にフォーカスすることで、長期的にビジネスの健全性を維持する上で多くのメリットを得ることができます。 

他にも、顧客維持には次のような主なメリットがあります。

新規顧客の獲得にはコストがかかります。実際、新規顧客の獲得には、既存顧客を維持する5倍のコストがかかります。 

新規顧客を見つけるためには、マーケティングや広告、イベントなどに多額の投資を行ったり、店舗やWebサイトを訪問してもらえるだけの魅力的な割引を提供したりする必要があります。このようなコストは利益を侵食しかねません。すでに獲得している顧客を維持すると、このような販促活動にかかるかなりの費用を節約することにもつながるのです。

ロイヤルカスタマーは、顧客獲得コストを節約するだけでなく、マーケティング戦略に大きな価値をもたらします。 

満足度が高く忠実な顧客は、ブランドを知り合いに紹介する可能性が高く、知人から推薦されたものは重視され、信頼される傾向があります。

顧客を満足させ続けることで、新規顧客の紹介の流れを生み出し、より多くの顧客を引き寄せましょう。 

顧客維持に焦点を当てることで事業のコスト削減が実現すれば、収益の向上につながります。つまり、顧客維持の取り組みは事業利益を拡大するための大きな原動力となるのです。利益に大きな違いをもたらしたいからといって、顧客維持率を大幅に上げる必要はありません。

顧客維持率が5%上がるだけで、企業の総収益の上昇は25%から95%にも達する可能性があります。

CX担当者が顧客維持をこれほど優先する理由はここにあるのかもしれません。SurveyMonkeyのCXの現状調査レポートによると、顧客体験チームの43%が顧客維持を特に重視していると答えています。さらに、3分の1以上(35%)が顧客維持の向上に重点を置いていくと答えています。 

価格設定やサービス、ロイヤリティープログラムなど、顧客維持に影響を与える要因はたくさんあります。さまざまな要因が顧客維持率にどのように影響するかを理解して、維持率の向上に必要なインサイトを得てください。  

顧客維持に影響を与える主な要因をご紹介します。

  • 価格設定: 顧客は製品やサービスを選択する際、常に、最高の価値を提供してくれるものを探し求めます。だからといって必ずしも業界最安値を提示しなければならないわけではありませんが、自社の製品やサービスの適正価格を顧客がどのように考えているかは調べておくと良いでしょう。この情報をすばやく簡単に手に入れたいなら、SurveyMonkeyの価格設定アンケートが便利です。 
  • 品質: 製品の質が高く、信頼できると顧客が評価すれば、再購入する可能性が高まります。サービス・製品の質を改善することが大切です。
  • 配送: 非デジタル製品を提供する企業の場合、配送スピードは特に顧客維持に大きく影響します。多くの企業が翌日配送や翌々日配送を提供している現状では、顧客もなかなか気長に待ってはくれません。 
  • カスタマーサービス: 購入者が問題に直面した場合、まずはカスタマー サービス チームに問い合わせます。非の打ち所のない、便利なカスタマーサービス体験を提供できれば、満足度、ロイヤリティー、維持率が一気に高まることでしょう。
  • ロイヤリティー特典: お得意様へのロイヤリティープログラムを実施すると、顧客満足度を高め、リピート購入につなげることができます。

以上の項目から1つだけ選んで取り組んでも、顧客維持率を劇的に改善することはできません。それぞれの領域で繰り返し、継続的に改善に取り組むという全体的なアプローチが最も効果を発揮します。

顧客維持は一朝一夕に改善できるものではありません。そして、1回限りで終わるのではなく、繰り返し粘り強く取り組むことが必要です。顧客との主要なタッチポイントで各種戦略を組み合わせ、継続的にこれらの領域を最適化することで、徐々に改善していきます。   

顧客維持を改善するための主な戦略を見てみましょう。 

顧客フィードバックは、顧客維持率を高め、離脱率を減らすために欠かせないツールです。顧客満足度アンケートを活用して、製品やサービス、体験について顧客がどう思っているかを尋ねましょう。このようなフィードバックの収集は、顧客の期待に応えているかどうかを確認するだけでなく、どこが欠けているのかを具体的に理解するのにも役立ちます。 

フィードバックを使い、顧客にとっての重要な改善を行うことは、優れた顧客体験を提供し、ロイヤリティーを高めるための最も効率的な方法です。顧客フィードバックを活用して、次のことができます。

  • 優れた顧客ロイヤリティープログラムを構築する: 割引を提供すべきか?頻度は?それとも、景品やちょっとした特典を付与するべきか?アンケートを使って、顧客が本当に求めているものを特定し、顧客ロイヤリティープログラムから憶測を取り除きましょう。顧客ロイヤリティー アンケート テンプレートを使うと素早く始められます。 
  • 製品の発売時にロイヤリティーを利用する: ブランドの新製品発売時に購入したいと思う顧客が増えるよう、ブランドロイヤリティーを高めましょう。 主要な顧客セグメントにメッセージや広告キャンペーンがどのように共感を得られるか、アンケートを使って事前にテストします。
  • 製品を改善する: カスタマーサービス部門がロイヤリティーの足かせになっているということはありませんか?製品に何らかの問題があるということは?もしくは競合製品に圧倒的な利点があるということは?アンケートで注目すべき問題を突き止め、解決しましょう。

顧客データが多ければ多いほど、それらの顧客とのやり取りに使える前後関係の情報が増えます。顧客とのすべてのタッチポイントでデータを収集して、顧客体験の把握と改善に役立てましょう。


SurveyMonkeyの調査によると、72%の顧客が、好きなブランドを選ぶ際に、製品やサービスをパーソナライズできることが重要であると答えています。パーソナライズされた体験を顧客に提供することで、顧客がブランドに共感してくれる可能性が高まります。

このようなパーソナライズされた体験は、一体どのように作られているのでしょうか?その答えは顧客データにあります。データを収集し、回答者をセグメント化することにより、ターゲット層の共感を得る製品、サービス、体験、コミュニケーションを準備することができます。 

パーソナライズは、すでにほとんどの顧客体験で起こっています。CX担当者の約86%が、常に、またはほとんどの場合、パーソナライズされた体験を提供していると述べています。 

企業のパーソナライズ化の取り組みが進めば進むほど、顧客は自分が認識され、自分に語りかけられていると感じます。これが続くことで、最終的に顧客の離脱率を減らし、ロイヤリティーを高め、ビジネスの成功を後押しすることができます。 

市場調査用の製品満足度アンケート

ロイヤルカスタマーは、製品やサービスで一切問題が発生しないことなど期待していません。むしろ、問題が発生したときに、企業が迅速かつ効果的に解決してくれることを望んでいるのです。 

効果的にコミュニケーションをとり、顧客が購入する前も後もカスタマーサービス担当者がサポートできるようにすることで、顧客が安心できるサポートシステムを構築しましょう。必要なときに適切なサポートを提供できれば、顧客が不満を感じて競合他社に乗り換えるのを防ぐことができます。

問題が発生した場合には、スピードが最も重要になります。たとえ問題を抱える各顧客に対して「調査中」であることを通知するだけでも、細やかなコミュニケーションによって顧客の不安をかなり減らせます。問題が真剣に受け止められていると感じ、その後、迅速にフォローアップすれば、必ずや結果に満足してくれるでしょう。

ロイヤリティープログラムは、リピート購入を促す効果的な方法です。定期的に買い物をしてくれるお得意さんにお礼をすれば、さらに購入しようというモチベーションが上がります。ロイヤリティープログラムには、さまざまな形や規模があります。購入数に応じた割引や現金還元、ポイント付与などができます。

リピーターを増やすもう1つの効果的な方法は、初めて購入した後の顧客に割引コードを送信することです。再び利用して、リピーターになってもらうための一押しです。 

割引コードの提供は、しばらく足が遠のいていた顧客に製品やサービスを思い出してもらい、割引という付加価値で興味をそそることで、再び利用してもらうためにも活用できます。

コミュニケーションの重要性は、問題解決の場面だけに留まりません。顧客とのコミュニケーションは、積極的かつ定期的に行う必要があります。 

企業のニュース、製品のアップデートや発売、パーソナライズした特典、顧客の成功談などを知らせるニュースレターを作成します。さらに上を目指したい場合は、CRMデータを利用して、最もロイヤリティーの高い顧客へのメールをパーソナライズし、顧客のブランド利用歴に応じた重要なマイルストーンを祝いましょう。 

顧客は注目され、大切にされていると感じ、顧客維持とロイヤリティーの向上につながります。

効果的なフィードバックループを作ることで、顧客ロイヤリティーを高めることができます。顧客がわざわざフィードバックを残してくれたのなら、企業側も応えるべきでしょう。受け取るフィードバックの種類によって、回答の内容を調整するのも良いアイデアです。 

肯定的なフィードバックに対しては、レビューの書き込みや、友達への推奨などを依頼できるかもしれません。逆に、否定的なフィードバックを受け取った場合は、その顧客に直接連絡を取るか、問題を解決するために企業が取り組む対策について詳しく説明してください。

この両方の結果に共通する重要な要素は、顧客がわざわざ回答を提供してくれたという事実です。フィードバックループをきちんと閉じることで、今後も顧客体験に関するインサイトを提供してみようと顧客が思ってくれるはず。

フィードバックや顧客データ、タッチポイントからの情報を継続して収集し続けることで、プロセスを効果的に反復するために必要な情報が手に入ります。着実に改善を続け、顧客体験を洗練していきましょう。企業に対する顧客の満足度が上がれば、必ずやリピート率も上がります。

効果的な顧客維持管理戦略によって他社に大きく差をつけている企業があります。顧客維持計画を立てる際には、これらの優れた顧客維持の例を参考にしてみてください。

スターバックスのリワードプログラムは、顧客ロイヤリティーの基準を設定する顧客維持戦略の好例です。 

顧客はスターバックスのアプリを使い、買い物をするたびにリワード(Star)を獲得できます。貯まったリワードは後で無料のフードやドリンクと交換できます。アプリで注文した商品の決済はすべてアプリ内で行われるため、膨大な量の顧客データが生成されます。 

スターバックスはこのデータを使って各顧客のニーズをより深く理解し、次回の購入を促進する、高度にパーソナライズされた提案を作成しています。

Amazonのプライム会員プログラムは、顧客ロイヤリティーと顧客体験に同時に取り組むプログラムです。他の多くの顧客ロイヤリティープログラムと一線を画しているのが、参加するために顧客が年間料金を支払わなければならない点です。その代わり、当日お急ぎ便や、膨大なコンテンツがそろった音楽やビデオのストリーミングライブラリーへのアクセス、会員限定のセールや割引など、幅広い特典が用意されています。 

Amazonプライムは手間を大幅に省いた購入手続きも確立しています。スマートフォンを使ってサッとスワイプするだけで購入できるのです。買い物をできる限り簡単にすることで、顧客に必要なものを何でも、何度でも購入するよう促します。顧客は商品の代金とは別にサービスに対しても代金を支払うため、企業の収益の増加にもつながります。

ナイキは、グループに属するとスポーツやフィットネス、エクササイズにより熱心に取り組む人間の特徴を押さえています。フィットネスにお金をかける顧客は、フィットネス用品や機器、サービスにもお金をかける傾向にあります。ナイキでは、送料無料、メンバー限定のアパレルやギア、割引、キャンペーンなどの特典を提供し、コミュニティーとのつながりやブランドへのロイヤリティーを高めています。 

また、顧客の固有の興味を活用したアプリやパートナーシップも提供しています。Nike Run Clubは、普段1人で走っているランナーがオンラインで他のランナーとつながり、対面のランニングクラブのようなチームワークを感じたり、楽しい競争をしたりできる場です。この無料アプリとパートナーシップが、ナイキのブランドイメージと認知度を高めると同時に、外に出てアクティブに活動するようアパレルの購入者に対して働きかけています。 

Run Clubの会員は、ランニングに使用しているシューズや服が古くなってくると、真っ先にナイキのブランドを思い浮かべ、再びその商品を購入する可能性が高くなるのです。

顧客ロイヤリティー、顧客満足度、顧客維持率はすべて、互いに関係しています。企業に対する顧客の満足度が上がれば、リピーターになり、ロイヤリティーが高まると共に維持率も改善するわけです。顧客ロイヤリティーを高める方法には、手っ取り早い解決法から、製品の根本的な改善を繰り返すことまで、さまざまな方法があります。

顧客ロイヤリティーを高めるために利用できる代表的な戦略をいくつかご紹介します。

ブランドに感情的なつながりを感じた顧客は、その企業とつながろうとします。顧客がブランドをどのように認識し、共感するかは、顧客体験全体に影響します。感情的なつながりを作ることで、顧客ロイヤリティーを高め、競合他社よりも自社を選んでもらいましょう。

ブランドに対する感情的なつながりに影響を与える要因はいくつかあります。

  • 製品とサービス: 優れた製品とサービスは、顧客に良い印象を与えるための究極の手段です。記憶に残る体験を提供して、自社ブランドが常に一番の選択肢として思い浮かぶようにします。
  • サポートチーム: 顧客が問題を抱えたときは、親しみやすく、効率的で、親切なサポートスタッフがスムーズに問題解決できるよう対応し、良い印象を残しましょう。サポートチームによる顧客体験を改善すると、顧客ロイヤリティーが向上します。
  • ブランドパーソナリティー: ブランドには気取らないブランドもあれば、フォーマルでプロフェッショナルなブランドもあります。どのようなパーソナリティーであるかによって、惹き付ける顧客のタイプが変わります。ブランドボイスをターゲット層に合わせることで、ロイヤリティーを向上させやすくなります。
  • ブランドの価値: SurveyMonkeyの最近の調査によると、70%の消費者が、環境に対する価値観の近いブランドから購入する可能性が非常に高いことが明らかになっています。経済的、社会的、環境的なブランドバリューを明確に表明し、それを遵守することで、オーディエンスとの感情的なつながりを生み出しましょう。

ひとつひとつのタッチポイントがブランドを輝かせるチャンスです。 

顧客は一貫性を重視します。中でも、世界に向けてブランドを発信する方法については一貫性が重要です。ブランドのボイス、バリュー(価値観)、トーンに関するガイドラインを作成してください。ブランドガイドラインは、コンテンツを作成するすべての関係者が、世界に向けて発信したいボイスに基づいて表現するための道しるべになります。

明確で一貫したブランド体験は、ターゲット層にとってのブランドパフォーマンスの向上にも役立ちます。顧客がブランドの存在に親しむにつれて、ブランドのボイスやメッセージは認識しやすくなり、本来惹きつけようとしているターゲット層の目にも留まるようになります。

さらに、一貫性のあるブランドメッセージは、信頼できる企業としての印象を与えることにも貢献します。支離滅裂なメッセージや、一貫性のないブランドアイデンティティー、つながりのないブランドバリューは、顧客が共感する可能性を減らします。

顧客との最高のつながりを築き、ロイヤリティーを高めるには、すべてのプラットフォームやメディアで一貫したアイデンティティーを発信しましょう。 

顧客ロイヤリティーに影響を与える要因の1つに、提供するサービスや製品があります。たとえ顧客体験の他のすべての側面をうまく管理できたとしても、製品は依然として最も重要な役割を果たします。 

一貫して質の高い製品・サービスを提供する企業には、その取り組みのファンとなり、支持してくれるオーディエンスが集まります。製品を強化し、サービスを洗練させ、顧客が望むものをさらに提供していくことで、生涯のファンを獲得しましょう。

フィードバックを収集し、フィードバックループを閉じ、データに基づいたインサイトで製品やサービスの改善を進めることで、顧客ロイヤリティーを劇的に高めることができます。 

顧客ロイヤリティーを高めるもう一つの効果的な方法は、企業の価値観に沿ったコミュニティーや活動を支援するプログラムを立ち上げることです。企業の精神にかなう活動に賛同することで、関連性があり、共感できるコーポレートアイデンティティーを有した、信頼に足るパートナーであることを行動で示すことができます。 

その活動を支持する理由は、ブログやメール、SNSなどを通じて説明できます。さらに、これらのチャネルでオーディエンスと交流することで、連帯感を強めることもできます。人々の意見に積極的に耳を傾け、応えることで、ブランドへのロイヤリティーを育てる場として生かしてください。

顧客ロイヤリティーをモニタリングするなら、顧客ロイヤリティーの指標を使うのが一番です。これらの指標をベンチマークにして、長期的な変遷を追ったり、業界全体の指標と比較したりできます。

使用できる最も重要な顧客ロイヤリティー指標の一部をご紹介します。

顧客満足度(CS調査)アンケート例

Net Promoter Scoreは、顧客ロイヤリティーを測定するための一般的で便利な指標です。メリットはなんと言っても、そのシンプルさにあります。NPSは「友人や同僚に当社を勧める可能性はどの程度ありますか」というたった1つの質問を柱として尋ねます。

回答者は、可能性が非常に高い場合を「10」、可能性が非常に低い場合を「0」とする0~10の11段階で回答を選択します。各スコアから、以下のようなインサイトを導き出します。

  • 9または10の回答者: 自社を推奨する可能性が高く、高いロイヤリティーを示す「推奨者」です。
  • 7または8の回答者: 自社に対して特に明確な意見のない「中立者」です。
  • 6以下の回答者: 何らかの点で明確に自社を好ましくないと思っている「批判者」です。

NPSスコアを計算するには、推奨者の割合から批判者の割合を引きます。

NPSの計算式

どのようなNPSスコアを良しとするかは、業界によって異なります。しかし一般的には、0以上を「良好」、50以上を「優れている」、75以上を「素晴らしい」レベルと考えます。業界別のNPSベンチマークを使用して、より詳しい分析を行ってみましょう。

NPSの評価を長期的に繰り返すと、全体的な顧客ロイヤリティーを測定し、改善すべき分野をピンポイントで特定する力になります。

カスタマー エフォート サービス アンケートの例

カスタマー エフォート スコアは、顧客が企業を利用して一定の成果を得るために費やした相対的な労力を測定します。たとえば、次のようなことにCESスコアを利用できます。

  • カスタマーサービスの有効性を測定する
  • 顧客が精算プロセスを効率的だと思っているかどうかを確認する
  • サイト内の移動がどれほど簡単かを知る

CESアンケートでは顧客に、「[会社名]によってXをすることが簡単になった」という内容に同意しないか同意するかを尋ねます。Xには、フィードバックが必要な任意の項目を入れます。

そして、この選択回答形式の質問の後に、選択した理由について説明してもらう自由回答形式の質問を加えます。回答選択肢は、「1. 全くそう思わない」から「7. 非常にそう思う」までの7段階で選択してもらうこともできます。

CESの計算方法はこちらです。

カスタマー エフォート スコア(CES)の計算式

CESが5を超えていれば良好ですが、5未満であれば改善が必要だと推測されます。主要なタッチポイントのすべてでCESアンケートを実施すると、顧客体験を継続的に改善するのに大いに役立ちます。

SurveyMonkeyの調査によると、82%の顧客が、オンラインでの購入手続き中に困難またはネガティブな体験をしたら購入を諦めるとしています。Webサイトでの移動が分かりにくいと感じた場合や、精算時に想定外の手数料がかかることを知った場合、中断する顧客は少なくないということです。この調査は、顧客の不満を減らし、ロイヤリティーを高めるのに役立つCESがどれほど重要であるかを示しています。

CSATアンケート: 会社に対する総合的な満足度を教えてください。

顧客満足度スコアは、顧客満足度を測定する一般的な顧客体験およびロイヤリティーの指標です。この指標では、「満足度を総合的に評価してください」と求め、顧客はサービスや製品、やり取りなどの体験に基づいて回答します。

よくある回答選択肢は、1が大いに不満、5が大いに満足を示す、1~5の5段階で顧客に選んでもらいものです。CSATを計算するには、4と5の回答数を足し、それを回答総数で割ってから、100を掛けます。 

CSATの計算式

この方法では、最終スコアを割合で算出します。顧客総数のうち、満足している顧客(4または5)の割合です。同業他社と簡単にCSATをベンチマーク比較できます。

長期的にCSATの測定を続け、改善していくと、顧客体験の向上を段階的に測定し、顧客ロイヤリティーを強化することができます。 

顧客とのひとつひとつのタッチポイントが、満足する顧客体験を提供するチャンスです。あらゆるタッチポイントで顧客満足度を追跡し、データに基づいた戦略を繰り返し実行することで、顧客ロイヤリティーが高まります。

他にも以下のような、量的および質的なフィードバックの収集に使える購入満足度アンケートのテンプレートがあります。

ビジネスを長期的に成長させるためには、新規顧客をできるだけ多く獲得すればよいというわけにはいきません。初めて購入する人をリピーターに変える方がもっと効果的です。そこで力になるのが、顧客維持率の最適化です。 

まずは、顧客維持の指標を計算し、次に、上記の顧客維持戦略を1つまたは複数利用して維持率と利益を伸ばしましょう。 

あらゆる顧客維持戦略において最も重要な柱は、顧客にフィードバックを求めて、顧客が製品やサービス、ブランドについてどう思っているかを把握し、それに従って行動することです。顧客に接し、顧客フィードバックに対応し、提供する製品を絶えず改善することで、必ずや顧客ロイヤリティーを高め、維持率を高めることにつながります。

フィードバックプログラム実施の詳細をぜひご覧ください。また、SurveyMonkeyを使って、データを収集・分析して、実用的な洞察を導き出すこともできます。 

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