Jon Gitlin
コンテンツストラテジスト
チームの編成からアンケートの作成、回答の分析、そして対策まで、アンケートによって顧客フィードバックプログラムを実施するための全ステップを学びましょう。
目次
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事業で成功するためには、顧客の満足度とエンゲージメントを高く維持しなければなりません。
数えきれない統計がそれを裏付けています。
問題は、どうすれば顧客の成功をサポートして自社の製品/サービスの利用を続けてもらえるか、どうすればもっと購入してもらえるか、です。
答え: 顧客フィードバックプログラム、つまりカスタマージャーニー全体で顧客の感想や意見を(ここではもちろんアンケートによって)収集するための一元的かつ組織的な方法を構築します。それに基づいて対策を取れば、顧客のニーズにピッタリ合った製品やサービスの提供が可能になります。
顧客フィードバックのために専任のチームを設けるのは予算がかかりすぎて無理だと思われるかも知れませんが、「お客様の声」戦略は、限られたリソースでも実現できます。それに、一元的かつ組織的な方法で顧客の意見を集めることは、あらゆる企業にとって有益です。なぜでしょうか。
顧客はそれぞれに異なります。どのような種類の製品/サービスを使用しているか、何に使っているか、社内の誰が使っているか。そういった違いに加えて、顧客の企業が多様な人材の集まりであることを考えれば、あらゆる顧客の要望やニーズに応えるソリューションなどあり得ないことは明らかです。
ご自分の顧客について考えてみてください。次の問いに自信をもって答えられますか?
McKinseyによれば、顧客ライフサイクル全体で顧客の感情を測定すると、ある1つの時点で測定した場合に比べて顧客の全体的な満足度を30%よく予測できるということです。アンケートは顧客にとっては熟考した率直な意見をすばやく簡単に提供する手段であり、企業にとっては手間をかけずに大規模な集団に複数回送信できる(これについては「送信」セクションで詳しく扱います)という点でうってつけです。
顧客体験を詳しく把握したら、顧客にさらなる価値を提供するための対策が可能になります。たとえば、顧客の相手をする従業員に最も改善が必要なエリアのトレーニングを受けてもらえます。さらに、顧客のニーズや要望に合わせて製品ロードマップを調整できます。
最終的にはビジネスが大幅に改善されることでしょう。
顧客ライフサイクル全体を測定している組織では、顧客満足度が20%向上して収益が15%増加しています。
出典: McKinsey & Company
独自に(アンケートによる)顧客フィードバックプログラムを作成する方法を、SurveyMonkeyのお客様の声チームによるガイダンスを紹介しながらステップ バイ ステップで解説します。お客様の声チームは、SurveyMonkeyを利用するフォーチュン500社の95%と全世界の数千件の組織を相手に顧客フィードバックプログラムを実施しています。その経験から顧客フィードバックプログラムの開発と実施について深い理解と豊富な知識を持ち合わせています。
それぞれの企業の状況に合ったヒントをご紹介するため、このガイドの中では独自の顧客フィードバックプログラムの作成に必要なアプローチを2種類の組織の観点から検討します。
ご自分の組織に合ったバージョンを選んで、ステップバイステップのプロセスガイドに従ってください。
最も基本的なステップである、顧客フィードバックプログラムの計画から始めましょう。
クイックメモ: 次のセクションでは、Net Promoter Score®(NPS)を取り上げます。顧客満足度や顧客ロイヤリティを測定するうえで最も広く使われている指標であり、顧客フィードバックプログラムの基本的な要素であるため、このガイドでも頻出します。NPSについては「デザイン」セクションで詳述しています。
このガイドでご紹介する顧客フィードバックプログラム作成のためのフレームワークは、顧客努力指標などの別の指標を使って顧客満足度を測定する場合でも適用できます。また、このガイドは、自動化した顧客フィードバックプログラムを作成する場合の出発点としても適しています。
Net Promoter、Net Promoter System、Net Promoter Score、NPS、およびNPSに関連する絵文字は、Bain & Company, Inc.、Fred Reichheld、Satmetrix Systems, Inc.の登録商標です。
一元的かつ組織的で効果的な顧客フィードバックプログラムを一から作成することは、簡単ではありません。効果的なプログラムにするためには、企業内で中心的な役割を果たすような大きな影響力を持つプログラムを確立して、各チームに有益なインサイトや推奨事項を提供する必要があります。
つまり、真に効果的な顧客フィードバックプログラムを作成するには、目標、戦略、組織内の重要なチームとの協力関係、そして経営陣の後押しが必要です。
この章では、次のような条件を満たす顧客フィードバックプログラムを計画する方法をご紹介します。
顧客フィードバックプログラムの必要性を正当化するためには、会社の目標に沿った目標を掲げることが大切です。何よりも先に、明確で達成可能なプログラムの目標を設定しましょう。それによって、どのような質問を作成すれば目標の達成に役立つ実用的なインサイトが得られるかが特定しやすくなります。
適切な目標を設定するためには、組織が現在抱えている課題を評価する必要があります。それらの課題から逆算して、明快で現実的なプログラムの目標を立てます。シナリオの例とそれに合った目標をいくつかご紹介しましょう。
目標: 顧客の乗り換えの理由を理解して、乗り換え率を四半期あたり3%下げるための対策を講じる。
目標: 業界内で比較的高いNPSを達成する。それには、NPSアンケートによって競合他社のスコアを把握するか、業界全体のベンチマークによって(可能ならば)自社の立ち位置を特定する。
目標: 顧客体験を継続的に改善するため、6カ月を超えて利用してくれている顧客のNPSを四半期あたり3ポイント向上させる。
目標が包括的過ぎると達成の可能性が低くなって、方向性が定まりません。では、具体的過ぎた場合はどうでしょうか。その場合は、一元的な顧客フィードバックプログラムを正当化できるだけの効果が出せないでしょう。
うまくいかない目標の例をご紹介します。最初は包括的過ぎる例、2つ目は具体的過ぎる例です。
フルタイムで顧客フィードバックプログラムに取り掛かっている人もいれば、SurveyMonkeyの「お客様の声」チームのように他の仕事と並行して実施しているケースもあります。いずれにしろ、どれだけの時間とリソースを費やせるか、どれだけの効果が得られるかを現実的に測定する必要があります。効果の大きさは、会社の規模、顧客基盤、プログラムに投入できるリソースに大きく左右されます。
ホットなスタートアップ企業で顧客フィードバックプログラムを担当しているのなら、他にも複数の職務を抱えていることでしょう。そうでない場合でも、時間に余裕があるとは考えにくいので、時間の使い方に関してものすごく戦略的になる必要があります。自分だけで扱えるような「軽量」の目標を設定して「軽量」の戦略を立てる必要があります。スタートアップ企業にとっては、成功するために絶対に不可欠な達成可能な目標を1つだけ選ぶことが重要です。
より定評のある企業なら、大きな顧客基盤と、多様な分野に特化した複数のチームを持っていることでしょう。しかし、だからと言って事を簡単に運べるわけではありません。ビジネスの複数の領域、または複数の課題に焦点を当てた、より包括的な顧客フィードバック戦略が求められるからです。
顧客フィードバックプログラムの良い点は、そこから得た情報が組織内のほぼすべてのチームの役に立つことです。優れた顧客フィードバックプログラムが組織全体にどのように貢献するか、いくつかの例をご紹介しましょう。
プログラムがミッションクリティカルであることを経営陣に理解してもらえなければ、成功を確実にするためのリソースが得られません。
顧客フィードバックプログラムが重要であることを経営陣に理解してもらうためには、考え方を一致させる必要があります。組織の優先事項に沿った達成可能な目標を設定して、プログラムを会社の全チームに役立てるための計画を用意しましょう。
一般的な顧客フィードバックプログラムの目標をいくつかご紹介します。これは経営陣への説明の中で使えますが、できれば業界固有のデータも加えるようにしましょう。データの関連性が高ければ高いほど、同僚に共感してもらえます。
SurveyMonkeyの「お客様の声」チームは顧客フィードバックプログラムの作成に着手した当初、それによって顧客に対する理解を深めて顧客体験を改善するための対策が取れることを知っていました。経営陣の同意を得るため、Bainによる説得力のある調査結果を使ったNPSプログラムを提示しましたが、その中にはNPSで業界をリードする企業は成長率が他社の2倍を超えるという事実も含まれていました。元々、経営陣はよい堅牢なNPSプログラムを実施する必要があると認識していましたが、調査結果を見たことでプログラムに早急に着手する必要性を実感したのです。
その後「お客様の声」チームは、独自のアンケートデータを通じて満足度の高い顧客の乗り換え率が実際に低いことを証明してきました。その結果、プログラムは経営陣から厚い信頼を得て社内における可視性を高め、従業員の日常業務の重要な一部となりました。
チームを編成して経営陣の同意を得たら、使用するNPSアンケートの種類を決めます。
その前に、ネットプロモータースコア(NPS)について少し解説しておきましょう。NPSは「<会社名>を友人や同僚に薦める可能性はどれぐらいありますか?」という質問から導き出したスコアです。回答者は0~10(まったくない~大いにある)の点数で評価します。
顧客はスコアに従って分類されます。
NPSを算出するには、次の式のように推奨者の割合から批判者の割合を引きます。
SurveyMonkeyが無料で提供しているNPS計算ツールによって、クリックするだけで簡単に計算できます。
NPS調査の種類には、リレーショナル、トランザクショナル、競争力の3つがあります。目的、デザイン、送信スタイルが異なるそれぞれの種類を見てみましょう。
定義したアクションに基づいて顧客に送信するアンケートで、ある特定の体験を評価してもらいます。サポート担当者との電話について、あるいは自社のチームが実施したウェビナーについてなど、あらゆるものを評価してもらえます。
この調査の目的は、顧客体験の特定の部分を理解すること、そして評価の変化を正確に特定することです。
SurveyMonkeyでは、顧客エンゲージメントの異なる段階でトランザクショナル調査を使用しています。たとえば、SurveyMonkeyを利用した顧客は、アンケートに答える形でボタン1つでフィードバックを送信できます。顧客に表示されるアンケートは、アンケートの作成段階なのか、コレクター(回答の収集方法)の設定段階なのか、回答の分析段階なのかによって異なります。
トランザクショナルNPS調査が適しているのは・・・
トランザクショナルNPS調査が適さないのは・・・
体験を総合的に理解する目的で顧客のサンプル(ランダムに抽出できますが、1人の顧客を1四半期に2回以上含めないこと)から定期的にフィードバックを集めます。一部の顧客に宛てて週に1回、月に1回、あるいはもっと低い頻度でアンケートを送信します。リレーショナルNPS調査自体は手間がかかりませんが、プログラムの他の部分、たとえば個々の顧客へのフォローアップやレポートの品質維持などは、かなりの時間とリソースを必要とする場合があります。
リレーショナルNPS調査の目的は、全体的な顧客体験を理解することです。そのため、顧客の満足度や製品/サービスの全般的な品質など、一般的なトピックが中心になります。
リレーショナルNPS調査が適しているのは・・・
リレーショナルNPS調査が適さないのは・・・
プロのヒント: トランザクショナルとリレーショナルの各調査は同時に実施しないでください。まず片方から始めてそれがスムーズに進んだら、結果を踏まえて次の調査を実施します。
ターゲット市場の消費者(理想的な顧客の条件に一致する人々)から自社と競合他社に関するフィードバックを匿名で提供してもらいます。匿名にすることで回答に生じるバイアスが抑えられて、自社のパフォーマンスを競合他社と正確に比較できます。また、自社の顧客だけでなく幅広い消費者を対象とすることで、自社の立ち位置が公正に評価できます。
注: このアンケートテンプレートでは、競合他社を1社だけ評価します。評価する競合他社が複数ある場合は、アンケートの2ページ目をコピーしてブランド名を編集します(追加する競合他社の数だけ同じ作業を繰り返せます)。最後に、取引のある競合他社のみを評価してもらうため、質問3にスキップロジックを組み込みます。
競争力NPS調査が適しているのは・・・
ただし次の点にご注意ください。
さて、この3つのNPS調査を念頭に置いたとき、ホットなスタートアップ企業と定評のある企業はどれを選ぶでしょうか。早速見てみましょう!
ホットなスタートアップ企業は、顧客維持率の改善を目指しています。維持率を左右する要因は顧客ごとに異なるため、リレーショナルNPS調査を実施してどの顧客(特にフォーチュン500企業)に乗り換えリスクがあるかを調べます。
定評のある企業は、エンゲージメントが一定のレベルに達した顧客は取引を増やしてくれる可能性が高いことを知っています。そのため、該当する顧客を対象にトランザクショナルNPS調査を実施して、取引を増やす意思のある顧客とそうでない顧客を区別します。
アンケートを作成するプロセスは必ずしも簡単ではなく、チームワークを必要とします。このセクションでは、アンケートで共同作業を行う方法、作成できる質問の種類、正直で思慮深い回答を得るための質問方法を解説します。
アンケートを作り終えてあとは送信するだけ、となった時点で、同僚が「ここを変えて欲しい」と言ってきたらどうしますか。タイムラインがめちゃくちゃになりかねないですよね。アンケートの作成方法を見る前に念頭に置くべき点は、設計段階で同僚に協力してもらうことの重要性です。
ギリギリになって意見される事態が防げるだけではありません。アンケートの品質を改善して、すべての重要な質問が漏れていないか確認してもらえます。
加えて、同僚は細かいミスを見つけて直してくれます。文法的なミスや言い回し、抜け落ちている選択肢などは、自分ではなく他人の目を通すことで効率的に発見できます。
誰に協力してもらうかを考えるときは、次のような点を考慮してください。
共同作業のメンバーが決まったら、アンケートの共有方法を考えましょう。
コラボレーションの相手とコラボレーション方法が決まったら、今度はアンケートの形式について考えましょう。
顧客フィードバックアンケートをどのぐらいの長さにすればよいでしょうか。
一般に、NPSアンケートは短め(5問以下)にしましょう。本当に知りたいことだけを聞きて、対策を立てます。
本質的でないことを聞くのは、顧客の時間だけでなく(回答を確認する)自分の時間も無駄にします。
さらに、アンケートが1年に何度か送信されること(送信方法については後で詳しく取り上げます)を考えると、不要に長いアンケートに顧客が疲れてしまう可能性が高くなります。
リレーショナルとトランザクショナルの各NPS調査には、次のような長さがあります。
2問のNPSアンケート(トランザクショナル、リレーショナル): NPSに完全に絞り込んだアンケートで、トランザクショナルでもリレーショナルでも使えます。NPS質問に、その評価を選んだ理由を聞く自由形式の質問を加えるだけです。例を見てみましょう。
トランザクショナルNPSアンケート: 2問のアンケートにいくつかの質問を追加します(合計で5問まで)。追加する質問は簡単に答えられるもので、アンケートのきっかけとなったイベントに関連していなければなりません。
プロのヒント: 第一の目標に焦点を当ててアンケートを作成しましょう。他に必要なデータがあるなら、もう1つアンケートを送信するか、顧客に直接インタビューする、顧客を相手にしている同僚から意見を聞くなど、個人的な手段で補足できます。
リレーショナルNPSアンケート: ここでも、いくつかのフォローアップ質問を加えます。トランザクショナルNPSアンケートと違う点は、ブランド属性の質問と「キードライバー質問」を追加する点です。キードライバー質問とは、NPSを左右する要因を特定するためのマトリックス形式の質問で、回答者にとっては多少回答が複雑になります。キードライバーは分析面で大きな価値をもたらすため、NPSの変化を追跡したい場合にはリレーショナルNPSアンケートを使うのが鉄則です。
どの長さのNPSアンケートにすべきか、迷ってしまいますよね。では、スタートアップ企業と定評のある企業がどうするかを見てみましょう。
ホットなスタートアップ企業は、顧客がなぜ不満で(最悪の場合は乗り換える)のかを理解したいので、リレーショナルNPSアンケートを使おうと考えています。特に、キードライバー質問とブランド属性の質問を通じてNPSの根本原因を把握するつもりですが、回答の管理に投入できるリソースが限られているのでフォローアップ質問はしないことにしました。
定評のある企業の方は、アップセルのターゲットとなる顧客を特定して、ある製品/サービスにもっとお金をかける用意がある顧客を見つけたいと考えています。カスタマージャーニー全体で複数の質問をした場合でも回答を管理できるだけの人材が揃っているので、複数の顧客接点で一連のトランザクショナルNPSアンケートを実施することにしました。また、会社に関する顧客の感情を追跡してそれを競合他社と比較することにも興味があり、十分なリソースがあるので、3つのNPSアンケートすべてを実施できます。
どの長さのアンケートでも、NPS質問は必ず冒頭に配置しましょう。そうしないと、NPSのデータがアンケートの形式に影響されかねません。
どういうことでしょうか。顧客はアンケートに時間がかかると気づくとイライラし始める可能性があり、ある質問によって何らかの取引体験を思い出す可能性もあります。いずれの状況であれ(あるいはまったく違う状況も考えられます)、NPS質問が後の方にあると、何らかの事項に影響された状態でNPS質問に答えることになってしまいます。
NPSを冒頭に配置する理由をもう1つ付け加えるとすれば、後の方に配置した場合に比べて完了した回答を多く得られる点です。アンケートを途中でやめてしまう人がいても、冒頭に配置すれば確実に回答してもらえます。
SurveyMonkeyの「お客様の声」チームは、社内で定着しているトランザクショナルNPSアンケートの1つが、NPS質問を真ん中あたりに配置していることに気づきました。それを他のアンケートと同様に冒頭に移動させたところ、そのアンケートの平均スコアは10点も上昇したのです!
わずかな差でもアンケート同士の比較が不可能になるため、NPS質問の配置を変えた後、トレンド分析を新たに始めなければなりませんでした。
わかりやすくてバイアスのない質問を作成してください。そうしないと、顧客フィードバックの完全性と価値が損なわれます。必要としている回答を確実に得るためのヒントを5つご紹介しましょう。
NPS質問は顧客の満足度やエンゲージメントを評価するうえで欠かせませんが、その評価に至った経緯を説明する背景情報がなければ解釈を誤りがちです。混乱を招かないように、次のように中立的なフォローアップ質問をしましょう。
または・・・
回答が返ってきたら、推奨者、中立者、批判者がどのように感じているかを理解できるでしょう(これについては後で詳しく扱います)。
もっといいのは5問で抑えることです。NPSアンケートは、顧客リサーチなどの分野で作成する1回きりのアンケートより短くなければなりません。
簡潔で的を射たNPSアンケートを作成するために、チームは、最も重要な質問はどれか、つまり追跡して行動の基準としたいデータは何かを見極めることになります。顧客にとっては、数少ない質問に丁寧に答えられるというメリットがあります。
考えてみれば、顧客は別に回答不要なのです。提供されたフィードバックはチームにとっては贈り物のようなものです。シンプルで短いアンケートは回答者へのお返しであり、今後のコミュニケーションのために手段を維持する方法でもあります。
そうすれば、スキップロジック(現在の質問への回答に応じて次に表示する質問またはページを変える機能)によって、スコア別に異なる自由形式のフォローアップ質問を表示できます。
たとえば、回答者が推奨者である場合は「そのスコアを選んだ理由をお聞かせください」という質問を、回答者が批判者である場合は「当社はどうすればスコアを改善できるとお考えですか」という質問を表示します。
また、回答者が次のページに進むと、前のページの回答が自動で保存されます。つまり、回答者がスコアの根拠を説明したくなくてアンケートをその段階で中止したとしても、NPSは確実に保存されます。
注: このヒントのように、回答者に(NPSの評価に応じて)異なる質問をする場合は、すべての回答をまとめて分析するのではなく、推奨者、中立者、批評者のグループに分けて個別に分析する必要があります。
ここではっきりさせておきますが、自由形式でお薦めする唯一の質問はNPS質問の後に配置するフォローアップ質問です。それには次のような理由があります。
モバイル端末で自由形式の回答をタイプするのは、かなり手間がかかります。当然、途中でアンケートをやめてしまう人や回答を端折る人が多くなります。
一つひとつのアンケートに時間がかかると、顧客はいつか疲弊してしまうでしょう。
プロのヒント: 自由形式の質問(を含む、NPSのフォローアップ質問すべて)を任意回答にしましょう。そうすれば顧客に無駄に消耗せずに、顧客が脱落する可能性も低くなります。
顧客の経歴や会社、会社でのエンゲージメントといった情報を集められます。しかし、これらのデータを事前に簡単に取得できない場合のみ、そして組織にとって本当に重要なデータのみをデモグラフィック質問で聞くようにしてください。これらのデータがすでに手元にある場合は、SurveyMonkeyの連絡先にカスタムデータとして入力しましょう。これらのデモグラフィック情報によってアンケートの結果をフィルタリングすれば、回答者の特定のグループが他の質問にどのように答えたかを調べられます。
アンケートを作成する際のベストプラクティスということになれば、SurveyMonkeyの専門家たちはもっとたくさんのアドバイスができます。興味がある方は、次回のアンケートを成功させる5つの機能をぜひご覧ください。
アンケートの送信システムをセットアップすることは、顧客フィードバックプログラムにおいて最も難しい要素の1つです。
明確なサインを見つけて結果に見られるパターンが真のパターンであると確信するためには、十分な数の回答が必要です。その一方で、顧客基盤を過剰に調査してしまう事態は絶対に避けなければなりません。たくさんアンケートを送り過ぎると、回答率が低下して結果の有効性に影響が及びます。
このセクションでは、この微妙なバランスを取るための戦略的計画を取り上げます。
対象とする顧客の数とアンケートの頻度は、実施するNPSアンケートの種類によっても異なります。
トランザクショナルアンケート: 顧客のアクションが実施のきっかけとなるため、一人ひとりの顧客が何回受け取るかは制御できません。
そのため、どの顧客接点で実施するかをよく検討して、カスタマージャーニー全体に均一に分散する必要があります。アンケートがカスタマージャーニーにおける特定の段階に集中していることに気づいた場合は、一部を別の段階にある高価値な顧客接点に移すようにしましょう。
リレーショナルアンケート: トランザクショナルアンケートとは異なり、このアンケートを受け取る顧客の数は制御可能なため、よく考えたうえで決められます。
まずは顧客基盤の規模を確認します。そこから定期的にサンプルを抽出してアンケートの対象とするためです。
信頼の置ける結果を得るためには十分な数の回答が必要ですが、同時に1人の顧客に四半期あたり2回以上アンケートを送らないことが大切です。つまり、希望の信頼水準と許容誤差によって、結果が統計的に有意となる(あるいは、少なくとも結論を引き出せるだけの意味を持つ)ために必要な回答数を計算します。これによって、理想的なサンプルサイズを特定できます。
注: 許容誤差は母集団の回答がサンプルの回答から逸脱する範囲を、信頼水準はサンプルが母集団の意見を正確に反映する可能性を示します。
「許容誤差」と「統計的有意性」についてさらに確認してサンプルサイズをすばやく計算するには、サンプルサイズ計算ツールまたは許容誤差計算ツールをご利用ください。
条件に合ったサンプルサイズが計算できたら、アンケートの送信頻度を決めます。リレーショナルアンケートの頻度は四半期あたり1回以下に抑えて、回答者を疲れさせないようにしましょう。
2つのシナリオを想定して、顧客へのアンケートにどのようにアプローチすべきか考えましょう。
上の数字から計算すると、最小サンプルサイズは379です(サンプルサイズ計算ツールで算出)。
これまでに行ったアンケートの回答率がおよそ20%だとしましょう。その場合は、少なくとも1,895人(379 x 5 = 1,895)の顧客に送信しないと必要なサンプルサイズに達しません。
顧客基盤が比較的大きいため、1年に何回かリレーショナルNPS調査を実施しても、1人の顧客に四半期あたり2回以上依頼する事態にはなりません。
上の数字から計算すると、最小サンプルサイズは278です。
先ほどの例と同様に、これまで行ったアンケートの回答率はおよそ20%です。そのため、少なくとも1,390人(278 x 5 = 1,390)の顧客に送信しないと必要なサンプルサイズに達しません。
1,390人というのは顧客基盤の規模を超えているため、サンプルサイズを現実的な大きさに抑えるためには許容誤差を引き上げなければなりません。同時に、リレーショナルNPSアンケートの送信頻度を年間2~3回と少なめに設定する必要もあります。
まとめ
2つのシナリオからわかることは、その他の条件が等しい場合
アンケートできる顧客の数が多ければ、リレーショナルNPSアンケートの送信回数を増やしても1人の顧客に四半期あたり2回以上送らずに済みます。
ここで、SurveyMonkeyの「お客様の声」チームがリレーショナルNPS調査をどのように実施しているか、ご紹介しましょう。
SurveyMonkeyの顧客数は数十万に上るため、過去365日にSurveyMonkeyを利用した顧客の一部に毎月リレーショナルNPSアンケートを送信しています。それによって、各顧客がアンケートを受け取る頻度(四半期あたり1回以下)を均等にできると同時に、チームが受け取るフィードバックの量も一定かつ対処可能なレベルに維持できます。
競争力NPS: 競争力NPSの場合は、アンケートパネル(事前審査を通過した、アンケートを受ける意思がある人たち)によって、自分の名前や会社名を隠してターゲット層の条件を満たした回答者にアンケートを受けてもらいます。なぜなら、会社名を明かしてアンケートを実施すると、回答にバイアスが生じる可能性があるためです。自分の知人や自社の顧客を対象にした場合に、競合他社の製品より自社製品の方をよく知っている可能性が高く、回答にバイアスが生じてしまうのと同じことです。
理想的な回答者数は1,000人以上です。1,000人以上に回答してもらえば、回答者をデモグラフィックに従ってセグメント化した場合でも、統計的に有意なサンプルサイズが得られます。また、回答者がアンケートに含まれる全ブランドをよく知っている可能性は低いので、回答者が多ければブランド別のサンプルサイズが統計的に有意になるという利点があります。
1,000人以上にアンケートするのはコストがかかり過ぎるという場合は、少なくとも400人を対象としましょう。
注: 自社または競合他社が業界に参入して間もない場合は、回答者が比較するものを持たないためにあまり信頼の置ける結果は期待できません。SurveyMonkey Audienceを代用して、自社または競合他社のブランド認知度アンケートを実施することを検討しましょう。そうすれば、自社または競合他社の人気をより正確に把握できます。ブランド認知度アンケートは、SurveyMonkeyのカスタマイズ可能なテンプレートによって簡単に作成できます。
前述のように、アンケートの頻度が高すぎず低すぎずにバランスを取るのはなかなか簡単ではありません。しかし、頻度が適切かどうかで大きな差が生じます。
アンケートの実施回数を決める際、以下の表が参考になります。
NPSアンケートの種類 | アンケートの頻度 |
リレーショナルNPS | 顧客の一部を対象に週1回または月1回アンケートするのが理想ですが、3~6カ月ごとでも十分です。 |
トランザクショナルNPS | きっかけとなる行動の直後、またはあらかじめ決めておいた時間が経過した時点でアンケートを送信します。 |
競争力NPS | 季節性や業界の変化を説明するためには3~6カ月ごとにアンケートするのが理想的ですが、年間1~2回でも十分な場合があります。 |
アンケートをどのように送信するかは、NPS調査の種類によって異なります。
アンケートを別のチャネルで(たとえばウェブサイトにアンケートを組み込むなど)送信すると、そのチャネルでの顧客の体験によってバイアスが生じる可能性があります。
SurveyMonkeyのメールコレクターを使用する場合は、次の点にご注意ください。
トランザクショナルNPSアンケート: 可能であれば、顧客との連絡に使っているチャネルで送信します。そうでなければメールで送信しましょう。一般には次のようなアクションをきっかけとします。
顧客フィードバックプログラムをレベルアップさせるため、SurveyMonkeyを顧客関係管理(CRM)ツールに統合しましょう。この統合によって、トランザクショナルまたはリレーショナルの各NPSアンケートを自動送信して回答をCRMに取り込み、回答の到着を適切な同僚に即座に通知できるようになります。
競争力NPSアンケート: アンケートパネルによってターゲット市場を調査します。
ここで役立つのがSurveyMonkey Audienceです。回答者グループ(肩書、居住地、年齢など)を指定してリーチしたい回答者の数を定義すれば、ほんの数日で回答が集まります。
顧客から貴重なフィードバックを集めたら、次はそれを解釈します。
どの種類の顧客フィードバックアンケートであれ、最初にすることはNPSのチェックです。
NPSは物事が順調かそうでないかを大まかに示す数字です。その数字によって、次の分析ステップも変わってきます。
すぐに解決すべき問題が見られるなら今すぐ対処しましょう。結果を深く掘り下げる必要があるなら、NPSを参考にしてどこから着手するか考えましょう。
回答が届き始めてアンケートの[集計結果の分析]タブをクリックすると、最初に目に入るのがNPSです。
全体のNPSを確認したら、推奨者、中立者、批判者それぞれの数を調べます。そうすることで、忠誠心の高い、満足している(が熱心ではない)、乗り換えリスクのあるそれぞれの顧客の分布を把握できます。
プロのヒント: NPSは数字に過ぎません。それが良いスコアなのか悪いスコアなのか、不明瞭な場合もあります。SurveyMonkeyの質問バンクにあるNPS質問を使用した場合は、Benchmarksを通じてスコアを他の企業と比較できます。それには、質問のプロンプトの上にある[Benchmarkを表示]をクリックします。
NPSと推奨者、中立者、批判者の内訳を確認すると、結果に何かしらの問題があるかどうかはだいたいわかります。NPSの些末な変化が常に大きな意味を持つわけではありませんが、次のような変化が見られた場合はすばやく対処する必要があります。
また、より細かな体系的なアプローチとして、個々の回答に危険信号戦略を適用できます。それには、早急な対応を必要とするスコアの範囲を定義して、誰が担当するかを決めておきます。
たとえば、グローバルに新たな需要を創出する企業では、5未満のスコアを毎回カスタマーサクセス部門の副社長に、5または6のスコアは同部門のマネージャーに報告しています。
どの危険信号戦略を採用するにしろ、行動に移る準備ができたらこのガイドの第6章にスキップしてください。
NPS質問の直後に配置する自由形式の質問は、NPSを左右するものが何かを特定する絶好の機会です。回答の分析に使える手段として、テキスト分析機能のワードクラウドが挙げられます。ワードクラウドは回答の中に最も頻繁に現れる言葉またはフレーズに注目して、その出現頻度を相対的なサイズで表します。
ワードクラウドは結果のプレゼンテーションに役立つだけでなく、分析の焦点をどこに当てるべきかも明確にしてくれます。
ワードクラウドに表示される言葉やフレーズは、NPSアンケートの種類によって異なる意味を持つ場合があります。
2問のNPSアンケートを採用した場合を除けば、追加した選択回答形式の質問(複数選択肢の質問など、選択肢が用意されている質問)に顧客がどのように回答したかは興味津々でしょう。これらの回答は顧客がNPS質問でなぜその評価を選んだかを説明してくれるため、NPSと照らし合わせて関連性を調べることが重要です。
グラフは結果の視覚化に役立ちます。グラフにすると、データをかみ砕いて重要なパターンをすばやく検出できるようになります。
たとえば、自社製品のどこが気に入っているかを複数回答可の質問で聞くとしましょう。次のような棒グラフを作成すると、選択肢全体の比較が簡単になります。
差は大きくないものの、価値が他のオプションを抜いて第一の差別化要因となっています。
次に、自社製品の最も気に入っている点は何かを質問しました。今度は円グラフを作成しましょう、選択肢の人気の差を強調するのに適しています。
これで「価値」と答えた人が一番多いことがはっきりしました。
各種のグラフには向き不向きがあります。たとえば、折れ線や面の各グラフはどんな選択回答形式の質問からでも作成できますが、円やドーナツの各グラフは選択回答式の中でも単一回答の場合のみ作成できます。各種のグラフについてはこのブログ記事で詳しく取り上げています。
アンケート分析でフィルターを使用すると、データのサブセットに焦点を当てて特定のグループがどのように回答したかを調べられます。
たとえば、推奨者でフィルタリングすると、このグループが他の質問にどのように回答したかを確認できます。グループの体験に固有な特徴が見つかれば、それを参考にして中立者や批判者の体験を改善できる可能性があります。
一般にお薦めしたいのは、複数のフィルターを試していろいろな面から回答を見てみることです。
例をいくつかご紹介しましょう。
プロのヒント: 自由形式の回答を効果的にフィルタリングするには、まず製品やビジネスにとって重要なタグを作成します。次に適切なタグを自由形式の各回答に付けます。後々、タグを通じて探している回答を簡単に見つけて、フィードバックの主要なテーマを特定できます。
NPSとデモグラフィックによるフィルタリングがもたらすメリットは、NPSアンケートがリレーショナルかトランザクショナルか競争力かによって多少異なります。
比較ルールは、ある顧客グループを別の(複数の)グループと並べて比較します。フィルターと同様に、比較したいセグメントに応じて特定のデモグラフィックを取り出します。
たとえば、顧客の取引歴の長さが異なると回答も異なるのかどうかを調べたいとします。
選択肢のうち「1年超」と「1年未満」を取り出して、各グループが「製品の質をどう評価しますか」という質問にどう答えたかを比較すると、次のようなグラフになります。
左側の棒グラフは取引歴が1年超の顧客、右側は取引歴が1年未満の顧客です。回答の選択肢によって棒が色分けされています。
この例では、取引歴が1年超の顧客の方が製品の質を高く評価した人がわずかに多くなっています。
注: NPS質問に比較ルールは適用できません。
比較機能について詳しく知りたい方は、ヘルプセンターの記事をお読みください。
最後になりましたが、例のスタートアップ企業と定評のある企業がフィルターや比較ルールをどのように活用するか、気になりますよね?
覚えていると思いますが、ホットなスタートアップ企業は顧客(特にフォーチュン500企業)の維持率の改善を目指しています。そのため、まずはフォーチュン500企業である顧客をフィルタリングします。そしてNPSを見て個々の回答を確認し、フォーチュン500企業がキードライバー質問とブランド属性質問にどう回答しているかを調べます。次に、フォーチュン500企業の体験が中小企業の顧客とどのように異なるかを特定するため、会社の規模で顧客を比較してキードライバー質問とブランド属性質問に対する各グループの回答を調べます。
一方、定評のある企業はアップセルとクロスセルに重点を置いているため、まず推奨者をフィルタリングします。別の製品/サービスの購入や現在使用している製品の上位バージョンの導入について言及している回答には特に注意を払います。第2のフォーカスは、全般に体験価値が高い(そしてもっと買ってくれる可能性が高い)推奨者です。
データトレンドでは、アンケートのNPS質問やその他の選択回答形式の質問への回答が時間の経過とともにどう変化するかを調べます。
NPSに見られるトレンドからは、顧客体験が良くなっているか、変わらないか、悪くなっているかが見て取れます。選択回答形式の質問に見られるトレンドからは、NPSの変化の理由が理解できます。
データトレンドは、使用しているNPSアンケートの種類によって異なるタイプのインサイトとアクションにつながります。
発見の種類 | 結論の種類 |
製品が提供する価値の変化 カスタマーサポートの質の変化 | 製品の改善の必要性と改善すべき点 カスタマーサポートの質の変化 |
発見の種類 | 結論の種類 |
製品の特定要素に関するパフォーマンスの経時的な変化 個々の顧客接点でとらえたサポート品質の変化 | 製品/サービスのうち、パフォーマンスの良い部分と改善の必要な部分(そして改善方法) |
発見の種類 | 結論の種類 |
競争力が落ちている/高まっている | 何が競争力を支えている/損ねているのか、どう対処すればよいか |
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グローバルなNPSマップからキードライバー分析までを揃えた、すぐに使えるNPSソリューションであるSurveyMonkey CXが、分析のレベルアップをお手伝いします。
アンケート結果をどれだけ徹底的に分析したところで、実際に対処するチームと共有しなければ何の価値も生まれません。どのチームにとってどの種類のアンケートデータが重要なのかを、チャートにまとめてみました。
今はものすごく複雑に見えるかも知れませんが、ご心配なく。いつ、誰に、どのように顧客フィードバックを渡すかは自分で決められます。
顧客フィードバックを共有するのに詳細なシステムは不要です。異なるタイプの同僚とアンケート結果を共有する一般的な方法を7つご紹介しましょう。
アンケートデータの共有方法がわかったら、今度はデータが各チームにすばやく届くようにする必要があります。
回答を最も必要とするチームの1つが、顧客の対応を担当するチームです。彼らこそ、一人ひとりの顧客の回答を的確に理解して反応できます。
顧客フィードバックを共有する最良の方法がどれかは、チームの規模に大きく左右されます。ここで、ホットなスタートアップ企業と定評のある企業がフィードバックにどのようにアクセスしているかをご紹介しましょう。
スタートアップ企業では、接客は常に1人が担当しています。そのため、SurveyMonkeyで回答へのフルアクセスを許可するのが最も簡単な方法でしょう。
一方、定評のある企業ではカスタマー サクセス マネージャー(CSM)が顧客関係を管理しています。顧客の回答をCSM別にフィルタリングするため、連絡先リストのCSVファイルに(SurveyMonkeyにアップロードする前に)列を追加して各顧客の担当CSMを入力しました。
回答が集まったら、次のよなやり方で各CSMと共有します。
1. CSM別にフィルタリングしてビューを保存します。
2. 回答のパスワード制限付きビューをCSMと共有します。
CSMは自分の顧客が質問にどのように答えたかを確認して、それに応じて対処できます。
他にも回答を早急に確認したいチームがあることでしょう。しかし、何を共有するかを決めるには、何が求められているかを考える必要があります。
セールス | マーケティング |
推奨者とその回答を、業種や地域といったデモグラフィック別にリストしたものを求めるでしょう。クロスセルとアップセルの機会を特定するためです。 | マーケティングイベントに参加してくれそうな推奨者や得意客のリストを求めています。推奨者や得意客の回答は、販促資料にも利用できます。 |
製品 | 経営陣 |
何がうまく行っているかとどこを改善すべきかを理解するため、批判者、中立者、推奨者の回答の代表的なサンプルを求めています。競争力NPS調査の結果にも関心があり、NPSの変化を理解したいと考えています。 | NPSの変化を説明したプレゼンテーションを希望しています。さらに、最近の顧客フィードバックに対処するための計画や、顧客に関する新たな発見、競争力NPSも知りたいと考えています。 |
アンケートの回答に丁寧に答えることは多くをもたらしてくれるにもかかわらず、あまり実践されていません。SurveyMonkeyの「お客様の声」チームを率いるBrooke Landonは次のように述べています。
「顧客からのフィードバックに基づいて改善を行ったことを顧客本人に知らせると、フィードバックが放置されずに大切に扱われていることを実感してもらえます」
一番いいのは一人ひとりの顧客に直接返答することかも知れませんが、それは顧客基盤の小さいB2B企業や、それぞれの顧客とのやり取りから学ぼうとしている小規模なスタートアップ企業でないと実現できません。
その他の組織は、顧客とその回答がプログラムの目標にどれだけ一致しているかに応じて、個人的に返答する相手を厳選する必要があります。
プロのヒント: アンケートの終了ページ(回答の送信後に表示されるページ)で、フィードバックをどれほど大切にしているかを顧客に知らせましょう。回答をどのように管理しているかを説明したり、これまでに顧客フィードバックを参考にしてどのような対策を講じたかを紹介したりできます。
場合によっては、顧客との対話が目的で返答することがあります。まさにそれを実行しているのが、SurveyMonkeyエンタープライズチームのフィードバックアンケートです。
アンケートは、毎週、顧客グループに順番に送信されて、回答してくれた顧客一人ひとりに担当のカスタマー サクセス マネージャーが返答します。電話での会話につながることも多く、そこで「お客様の声」や成功事例として使えるような話が聞けたり、気づかないうちに契約更新が危うくなりかけていた取引関係を救えたりすらします。
顧客にどのように返答するかは、目標や顧客基盤、企業の規模などによって異なります。ここで、例の2企業のやり方を見てみましょう。
顧客(特に大きな取引相手)の維持に焦点を当てているスタートアップ企業はリソースが限られているため、批判者であるフォーチュン500企業への返答を優先します。
定評のある企業は既存顧客からの売上げ増加を目指しているため、カスタマー サクセス チームは推奨者への返答を優先します。特に、同社の他の製品を試してみたいと書いている顧客や、顧客が言及している課題が同社の他の製品で解決できそうな場合などに集中的に返答します。
顧客中心の会社を作るためには、まず従業員に顧客の意見を聞かせる必要があります。会社全体の従業員と顧客をつなげるのに、アンケートの回答を定期的に共有するより効果的な方法があるでしょうか。回答を共有すれば自分たちの仕事がどのように役立っているかを理解できて、エンゲージメントの向上につながります。顧客にさらなる価値を提供するための刺激にもなるでしょう。
回答を共有する2つの方法とそれぞれの長所/短所をまとめてみます。
SurveyMonkeyの「お客様の声」チームは、NPSアンケートの結果を社内の情報ハブであるTreehouseに入れています。各NPSアンケートのページに、そのNPSが何を測定しているか、なぜ重要なのか、社内の誰が管理しているかをまとめたセクションがあります。
各NPSアンケートのページで、チームは・・・
顧客フィードバックプログラムの完成まで、あと一歩です。では、最後のステップであるパフォーマンスの評価について見てみましょう。
長期にわたってプログラムを効果的に実施するためには、一貫した再評価が必要です。
まず、プログラムのパフォーマンスを最初に設定した目標に照らし合わせて確認します。次に、目標を達成できた(あるいはできなかった)理由を調べます。プログラムの効果的な実施を阻んだ最大の要因は何か、プログラムの優れたパフォーマンスの背景にあるのは何か。
プログラムを見直しながら、パフォーマンスを何らかの経済的成功と結び付けられるかどうかを確認します。最も単純なケースとしては、収益のX%の増加が平均でY点のNPSの改善と相関している場合が考えられます。プログラムに結び付けられる価値が多いほど、経営陣からのサポートも得やすくなります。
それから、同僚と回答を共有したことが同僚の行動につながったかどうかを検討します。行動につながった場合は、それらの行動がどのようなインパクトを生んだでしょうか。また、行動につながらなかった場合は、何がフィードバックの活用を妨げたのでしょうか。
プログラムのパフォーマンスについて、同僚に直接アンケートしましょう。そうすれば、求めているフィードバックをアンケート回答の形で得られるだけでなく、同僚に自分の回答について考える時間を与えられます。また、この機会に従業員が顧客に対して持っている親近感を顧客中心主義アンケートテンプレートで測定できます。
ただし、同僚にフィードバックをもらう前に、各チームが顧客の回答をもとに行動を起こした場合の長期的なメリットを確認しておきましょう。そうすれば、より的確な質問でフィードバックを求められます。
プログラムについて熟考すれば、今後の改善方法がわかります。さらに、プログラムが持つ価値を、より丁寧かつ洞察に富んだ方法で経営陣(あるいは他の誰か)に説明できるようになります。
これで、顧客フィードバックプログラムは完成です!このガイドでご紹介したベストプラクティスを実践すれば、今後、顧客体験を継続的に改善して具体的な財務利益を得られます。
「お客様は神様」ということわざは真実かも知れませんが、優れた顧客フィードバックは両者に王冠を授けてくれます。
独自のアンケートを作成するか、アンケートテンプレートからおひとつご利用ください。あっと言う間にスタートできます。
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