アンケート調査の分析方法と、組織全体で分析を効率化するためのベストプラクティスをご紹介します。アンケート調査の分析を簡単にする方法を身につけましょう。
オンラインアンケートの結果が戻ってきたら、アンケートデータを分析し、実行可能な価値ある情報へと変える番です。このガイドでは、アンケートデータのクリーニング方法から、数字のまとめ方、自由回答形式のフィードバックの取り入れ方、関係者に向けた明確なストーリーの作り方まで、一連の手順を順を追ってすべてをご紹介します。
アンケート分析の概要、扱うアンケートデータの種類、アンケートデータ分析を効果的に行うための6つのステップについて見ていきましょう。
アンケート分析とは、生のアンケートデータを実用的なインサイトへと変換するプロセスです。回答の中にあるパターンや傾向、関係性にフォーカスをあて、記述的方法(数字、パーセンテージ、平均など)と推察的方法(相関関係、有意性テストなど)を使ってアンケート結果を解析し、決定を行うための情報を集めます。
優れたアンケートデータ分析は目標設定から始まります。というのも、大抵のアンケートは選択回答形式の質問と自由回答形式のフィードバックが混ざっており、明確なゴールや数点の優先する質問、発見したことを誰が必要とするか、といったプランを持ってアンケート分析を開始すれば、アンケート結果の分析方法やどのアウトプットが重要かを決めるのが容易になります。
アンケート内で尋ねる質問によって、受け取るデータの形式は決まります。データには、量的データと質的データの2種類があります。
量的データとは、選択回答形式の質問から得られる数字の回答です。たとえばNet Promoter Score®(NPS)アンケートでは、評価は0~10の数字で表され、この数字を計算し、平均を出し、グループ全体または時系列で比較します。
アンケートの質問例: 「弊社を友人や同僚に勧める可能性は、0~10段階でどの程度ですか?」
数値データは、時間の経過に伴う変化を追うのに最適です。しかし、回答の理由についても知りたい場合は、質的データを引き出す質問で補完することをお勧めします。
質的データとは、自由回答形式の回答で、選択内容を回答者が自分の言葉で説明します。その回答では、スコアの裏に隠れた動機や不満、コンテキストが明らかになります。
アンケートの質問例: 「この評価の主な理由をお答えください」
回答が寄せられ始めると、どこから始めればよいかわからなくなるかもしれません。以下の6つのステップで、アンケートデータ分析を反復可能なワークフローに変換しましょう。最重要点を決定し、アンケートデータを整理し、正確かつ公正で関係者が実行しやすいストーリーを作成する一助となります。
アンケート分析を始める前に、集めたアンケートデータが分析に使えるかどうかを確認する必要があります。アンケートデータのクリーニングとは、分析から除外する回答者を決め、質の良くない回答を取り除き、回答の重複を解消する作業のことです。
アンケートの一部の質問にしか答えなかった回答者もいれば、急いで終わらせようとするあまり、よく考えずに答えた人もいるかもしれません。このような回答はデータ全体の質を落とし、最終的な結果の精度に影響を与える可能性があります。
そこで、回答の品質分析を行うことで、基準を満たしていない回答を割り出すことができます。たとえば、顧客の感情に関するデータを収集しているときに、顧客でない回答者からの回答が紛れていれば、困ったことになりますよね。
統一された形式で、分類された、読みやすいアンケートデータを準備して、分析しやすい、クリーンで明確なデータセットを取得しましょう。
アンケートで最も重要なリサーチ質問は、アンケートの指針となります。これはアンケートの調査目的を表す質問で、アンケートの目標を設定する際に定める必要があります。
データの詳しい内容に取りかかる前に、アンケートの核となる質問の答えを把握しましょう。たとえば、「人々はこの新製品の購入に興味を持っているだろうか」という疑問が調査の柱であれば、以下の結果の表が出発点になります。
もし今日この製品が手に入るとしたら、購入しますか?
| 回答の選択肢 | |||
| はい | 71% | 852 | |
| いいえ | 18% | 216 | |
| わからない | 11% | 132 | |
| 合計 | 1,200 |
見ての通り、ほとんどの人が肯定的な回答をしています。これを念頭に置いたうえで、他の質問のデータを読み進め、この製品についての詳しい情報を集めていきます。
より幅広く良質なアンケート質問は、データの中から主要な意見や考えを見つけるのに役立ちます。この土台を築いたら、データ分析のもっと複雑な部分に進み、リサーチ質問に対する答えを見つけていくことができます。
多くの場合、データをよりよく理解するために役立つのが、データを細分化する方法です。クロス集計(クロスタブ)を使うと、共通の特性に基づいてデータを小さなグループに分けることができます。たとえば、特定の背景を持つ回答者を基準にデータをフィルタリングします。フィルタリングや比較、ルール作成をして、ユーザーセグメントごとにデータを分析できます。
データフィルターは、データの包括的なインサイトを得るために便利な機能です。たとえば、ある製品の人気がグループ間でどのように異なるかを知りたいなら、アンケートにデモグラフィック質問を入れましょう。すると回答者が自分の年齢グループを選択するので、各グループの回答を即座にフィルタリングすることができます。このデータセットを比較すれば、各年齢グループが製品をどの程度気に入っているかが分かり、外れ値や不満足なターゲット層を瞬時に特定できるというわけです。
フィルタリングできる基準には次のような属性があります。
質的データからは、ここで使用できる割合や生の数値を直接導き出すことはできませんが、テキスト分析ツールを利用することができます。書面による回答を収集し、いずれかのテキスト分析ツールにかけると、顧客が感じていることを示す感情分析を作成できます。
生データをインサイトに変換するには、統計的な有意性を証明する必要があります。結局のところ、自分に都合の良いデータだけを選ぶのではなく、きちんとした結果を示すようにしなければなりません。統計分析では、注目している傾向が有意義かどうかや、そのデータを他のデータセットと合わせて使用したときに何を示すかなどが明らかになります。
統計的な有意性の証明には、いくつかの方法があります。
同様に、アンケート結果の許容誤差を考慮するのも重要です。許容誤差は、結果が母集団全体をどの程度反映しているかを表します。許容誤差が小さい場合は、結果の精度に高い信頼性があることを示し、逆に大きい場合は、結果が母集団を代表していないことを示唆しています。
アンケート結果の信頼性を高めるために回答の数を増やさなければならない場合は、SurveyMonkey Audienceがお手伝いします。
ベンチマークとは、結果を他社や業界平均と比較するプロセスを意味します。また、自社で四半期ごと、1年ごとなどに同じアンケートを繰り返し実施して集めたデータを使い、結果をベンチマーク比較することも可能です。
世界中の企業が顧客体験ベンチマークを使用して、顧客が同業他社と比較して自社をどのように認識しているかを明らかにしています。
時系列分析を実施することで、アンケート結果がどのように変化しているかを知ることができます。たとえば、年に一度の会議を主催しているなら、毎回会議フィードバックアンケートを実施し、出席者に会議の満足度を評価してもらうことができます。以前よりも平均的な満足度が低下してきている場合は、さらに詳しく調査するための貴重なきっかけになります。
満足度の質問は、選択した理由を尋ねる自由回答形式の質問と組み合わせることができます。この質的データは、満足度の低下の原因を明らかにし、それを解決するための実用的な対策を講じる役に立ちます。
異なるサブグループのデータを追跡することもできます。たとえば、満足した人の割合がマーケティング担当者の間では増加しているのに、管理者では増加していないとしましょう。その場合は、管理者たちが他の質問にどう答えているかを調べ、なぜ他の出席者より満足度が低いのかを理解するためのヒントを探します。
アンケートデータには、ストーリーを語る力があります。最も重要なリサーチ質問から始めて、結果の概要を説明したら、次に進みましょう。何を調べようとしていましたか。データから何を学べましたか。具体的にどの調査結果が際立っている、または興味深いですか。
可能な場合は、図を使ってレポートをわかりやすくします。読者は、数字が延々と続く文章を読み進めたいとは思わないはずです。シンプルなグラフや言葉で結果をまとめ、データが何を意味しているのかを直観的に理解できるようにしましょう。
データを分析して統計的な有意性を確認できたら、ついに公開するときです。調査結果を優れたレポートにまとめることが、実践的なアンケート分析の最終ステップです。このレポートがあれば、同僚に発見したことを共有して、組織に変化をもたらすきっかけとなります。
どんなに注意深いチームでも、アンケート分析では同じ落とし穴に陥ることがあります。これには発見結果を弱める問題と、結果を実際よりも強力、あるいは狭小に見せるレポート習慣の2つのカテゴリーがあります。これらを認識すれば、落とし穴を早期に発見し、アンケートデータ分析を現実に基づいたものにすることが容易になります。
アンケートデータ分析を仕上げる前に上記のパターンを使って簡単なチェックを行い、よくある間違いがアンケート結果やレポートに紛れ込むのを防ぐことができます。
初めて調査を行う人が最も犯しやすい間違いは、「相関関係」と「因果関係」を混同することです。1つの因子が別の因子を直接引き起こす場合に因果関係があると言います。一方の相関関係は、2つの因子が同じように変動しているけれど、直接的に関連しているとは限らない状態を指します。
これを説明する例として、寒くなったときのことを考えてみましょう。ホットココアを飲む人の数と手袋をはめる人の数は、同じ時期に増加し、同じ時期に減少するので、相関しています。しかし、ココアが手袋に起因するわけでも、手袋がココアに起因するわけでもありませんね。どちらも、第三の因子である寒さに起因しています。
2つの因子が連動しているからといって、それらが関連しているとは限りません。相関分析を行うと、データ間の関係性を特定するのに役立ちます。
相関関係と因果関係を混同すると、2つのデータを第三の要因によって結びつけてしまう可能性があります。
先ほどもお話ししたように、アンケート結果はストーリーを伝えていると考えることができます。しかし、自分が選んだデータ、つまり自分の仮説の検証に役立つ重要なデータポイントを選ぶだけでは、全体像を見過ごしてしまうでしょう。
アンケートで何かを証明しようとする場合、データが仮説と一致していないと不満の要因になってしまうかもしれません。たとえば、一部の顧客が重要な主張に同意していなかったり、データが統計的な有意を示していなかったり。どのような状況に遭遇したとしても、分析に使用するデータポイントを極端に選択しすぎることは避けなければなりません。
計算に使用するデータを何度も選択し直せば、アンケート結果の精度が損なわれてしまいます。
SurveyMonkeyは、アンケートを実施して結果を収集することが、どれほど楽しい作業であるかということを誰よりもよく理解しています。とはいえ、急いでアンケート結果を計算すると、重要なデータの回答数がまだ不十分なことに気付かない可能性も否めません。
アンケートでは大抵の場合、データの信頼度を上げるために大量の回答が必要になります。急いで結果を計算しようとすると、統計的有意性を証明するために必要な回答数を下回ってしまうかもしれません。
アンケートの結果で、顧客の100%が「製品の新機能に興味を持っている」と答えた、という状況を想像してみてください。すごいことのようにも思われますが、もしアンケートに1人しか回答していなかったら、自社の回答者グループが幅広い顧客ベースを反映していると本当に確信できるでしょうか。
アンケートに含める質問は、受け取るデータの種類と質に直接影響を及ぼします。その観点から考えると、アンケートデータはアンケート質問と同程度の価値になると言えます。
そこで、いくつかヒントをご紹介します。
作成して送信するアンケートの質を高めれば、自然と質の高いデータを集めることができるようになります。
アンケート調査の分析には、上位の結果の確認から、データの詳細な分析、結果のレポート作成まで、さまざまな側面があります。
SurveyMonkeyでは、ターゲット層へリーチし、信頼性の高い回答を得るのが簡単になるアンケート分析ツールとテンプレートをご用意しています。
登録すると、専門家作成のテンプレートやツールが利用できます。
NPS、Net Promoter、および Net Promoter Score は Satmetrix Systems, Inc.、Bain & Company、Fred Reichheld の登録商標です。






