定量調査と定性調査の違い

定性調査と定量調査の違いについてご紹介します

定量調査と定性調査は、幅広い層を対象に深く調査した結果を得るためにアンケートに組み込む、補足的な方法です。

簡単に言うと、定量データからは調査の幅広く一般的な点を表す数字が得られます。定性データでは全体像を理解するための詳細や深層が判明します。

アンケートでこれらのメソッドを使用して最適の結果を得るためには、違いを知ることが重要です。それではさっそく見てみましょう。

定量データは絶対的な事実を集めるためのものです。数字がすべてです。定量データは構造的かつ統計的で、調査から全体的な結論を導く必要があるときに使用できます。

定性データは、あるトピックについて計測するより説明する情報を回収します。印象、意見、見解といったことについて考えてみてください。定性アンケートは比較的構造化されておらず、目下のトピックに対する人々の動機、思考、態度といった情報を得て深く知るためのものです。調査の質問に対して深い理解は得られますが、結果を分析するのは困難になります。

定量データは全体像を見るのに役立ちます。定性データは調査結果の詳細を明らかにし、人々の声を吸い上げます。

各メソッドを調査プロジェクトでどのように活用するかをご紹介しましょう。

  • 仮説を立てる:定性調査ではあるトピックについて詳細な情報が集められます。この調査は、人々が考えている問題や機会を見つけて、調査を開始するのに使用できます。ここで集めたアイデアは、のちに定量調査で証明する仮説となります。
  • 仮説を検証する:定量調査では仮説を検証するための統計的分析に適用できる数字が得られます。この問題は現実なのでしょうか、あるいは誰かの所感なのでしょうか?得られた絶対的な事実で、客観的な観察に基づいた決定が下せます。
  • 一般的な回答を見つける:定量調査には通常、定性調査より多くの人が回答します。というのも、数回にわたるインタビューや特定のグループにフォーカスするよりは、複数回答可のアンケートを行うほうが簡単だからです。従って、次のような幅広い質問に対する答えが得やすくなります。「あなたの会社はライバル社より好まれていますか?」「会社のサービスで最も重要なのは何ですか?」「どの広告に一番惹かれますか?」。
  • 人間的な要素を持たせる:定性調査はプロジェクトの最終局面でも役に立ちます。自由回答形式の質問から得たコメントが、結果の客観的な数字や傾向に人間味を加えるのです。多くの場合、顧客に自分自身の言葉で会社に対する感想を述べてもらうと、盲点だった部分が判明します。定性データもそれと同じ働きをするのです。

この2つの調査メソッドは互いに相反するものではなく、実際にはチームになったほうが上手く機能します。ビッグデータの世界では、豊富な統計や計算で意思決定の元になる強力な基盤が得られますが、この基盤には数字に意味を与える実際の人間から集めた情報が欠かせないのです。

それでは、この2つの調査方式をどのように組み合わせるのでしょうか。定性調査は、新しい問題や機会を発見したい時のスタート地点としてほとんど常に有効です。そこからより核心に迫った調査に移れます。定量データは、それぞれの問題や機会を確証し、理解するための計測を行います。

たとえばどのようなことでしょうか。

あなたは会議を行って、参加者からフィードバックをもらいたいとします。参加率、全体的な満足度、演説者の質、提供された情報の量といったことについては定量調査で計測することができます。質問は選択回答形式の計測しやすい方法で行われるでしょう。

あなたはそこで、自由回答形式で定性調査を行う質問を数点加え、見逃している点がないか確認したくなるかもしれません。その場合、次のような質問ができます。

  • 会議で最も楽しめたことは何ですか?
  • より良い体験をしていただくために、今後私たちはどのように改善したらよいですか?
  • 会議について、私たちが気づくべき点についてフィードバックはありますか?

定性アンケートによって一般的なテーマがわかったら、その調査をより詳細に行うことを決定し、次のイベントに変更を行い、これらのトピックについて次回の会議後に定量質問を加えることが可能になります。

たとえば、会議で最も良くなかった点は交通の不便な場所だと答えた回答者が数名いたとしましょう。次の時には、アンケートで参加者がどの程度開催場所に満足したかを聞くような定量質問を行ったり、回答者に未来の候補地として好きな場所をリストから選んでもらうことが可能です。

1つの形式からもう1つの形式へとスイッチしたいかどうかを知るには、自由回答形式の質問を見返してその質問をする目的について考えてみることです。

たとえば、「弊社のアイスクリームの値段をどう思いますか?」という質問をした場合、回答者は自分自身の言葉で答えるので、予想外の回答が返ってくるかもしれません。

もしそういった回答を求めていない場合は、簡単に数値化できる回答の使用を考慮してみましょう。例:

他社と比較して、弊社のアイスクリームの値段に当てはまるものは次のどれですか?

  • 高い
  • 同じくらい
  • 安い

このような質問はアンケート回答者には明快で、質問者には簡単に分析できる安定したデータが返ってきます。

トピックや関心に対して非常に細かな詳細が得られる定性調査を行うためのメソッドはさまざまです。

  • インタビュー。目下のトピックについて深く掘り下げる1対1の対話です。
  • ケーススタディ。核心をついたインタビューでクライアントから体験談を集めます。
  • 専門家の意見。多くの情報を持つ取材先から集めた高品質の情報です。
  • 絞り込んだグループ。製品やトピックに対する感想を聞くために、少人数のグループと対面またはオンラインで行う対話です。
  • 自由回答形式のアンケート質問対象となる件に関して回答者が自由に意見を述べられるアンケート内のテキスト欄です。
  • 観察研究。たとえば、ある製品がどのように使用されるかを理解するために、対象者の行動習慣を観察することです。

ただし、このような自由回答形式の調査方法では、大きな質問に対して最も精度の高い回答を得られないことがあります。また、結果の分析も困難です。回答者は自分の観点をさまざまな言葉やフレーズで説明するでしょうし、回答に幅を持たせる余地があるとわかったら、別の話題について答えるかもしれないからです。

場合によっては、質問を「完全に量的」なものにしたほうが効果的なことがあります。

回答者の混乱を避けるため、「弊社のインターネットについてどのように思われますか?」といった質問は行わないようにした方が良いかもしれません。代わりに、次のような選択回答形式で量的な質問を尋ねてみましょう。

インターネットサービスは信頼できますか:

  • いつも
  • だいたい
  • 50%くらい
  • ときどき
  • 全くできない

回答者は、常に我慢強く質問されたことに応えたり自分の考えを正確に述べようと長文の回答を書いてくれるわけではありません。アンケートにあらかじめ用意されたいくつかの選択肢から1つを選ぶほうがはるかに時間がかかりません。定量質問を使えば、アンケートにより多くの質問を入れ、より多くの回答が得られます。

選択回答形式アンケートの文字で表現された回答も数値化でき、指標やグラフに変換できます。そのため、データ全体のクオリティが向上します。最も正確なデータこそが最も可能性の高い決断に導くのです。

SurveyMonkeyの顧客満足度アンケートテンプレートには、自社のビジネスの現状について完全に理解するための、定性質問と定量質問を一緒に使う良い方法例が含まれます。

弊社の顧客になってからの期間を教えてください

  • 今回が初めての購入
  • 6か月未満
  • 6か月以上1年未満
  • 1~2年
  • 3年以上
  • 未購入

また弊社の製品を購入される可能性はどの程度ですか?

  • ほぼ確実
  • おそらく確実
  • 多分
  • あまり可能性はない
  • 可能性は全くない
  • 他にご意見やご質問、ご懸念はありますか?

以下は従業員エンゲージメントアンケートからの別の例です。

ミスを犯したとき、上司が建設的に対応してくれる頻度はどの程度ですか?

  • いつも
  • ほとんど
  • 2回に1回くらい
  • ほとんどない
  • 全くない
  • 上司がパフォーマンスを改善するために行うべきことは何ですか?

さて、定性データと定量データの定義およびこの2つの調査方法の違いはおわかりいただけたでしょうか。使用方法もより良く理解できたことでしょう。次回のプロジェクトでは、専門家チームによって作成されたSurveyMonkeyのアンケートテンプレートでさっそくお試しください。

SurveyMonkeyにはあらゆる種類の質問に対するテンプレートがあります。ライブラリーで専門家が作成したアンケートテンプレートをご覧ください