定性調査は、個人の理由づけや動機に関する情報を掘り下げるためのもので、明確な構造を持ちません。
最終的な目標は、ある話題や問題について個人の視点から深く理解することです。
定性調査では、物事の描写に役立つ情報をさまざまな形で集めますが、定量調査とは異なり、予測を目的としません。定性調査を利用して仮説を立て、それを定量調査でテストすることがよくあります。
アンケートの対象となる人たちによく見られる態度や意見、そのトピックについて語るときの言葉遣いなどを知らずに、アンケートを作成するのは、目隠しで道を渡るようなものです。行き先がわかっているからと言ってその地域のことを調べずに旅に出るのは危険です。
定性調査は、探索的な性質を持ち、あるトピックや問題について詳しく理解するのに役立ちます。定性調査を行った上で仮説を立て、その仮説が正しいか否かを判断するためのデータを集めることができます。
定性調査は、トピックや問題について詳しい情報を豊富にもたらしますが、少数の人々(標本)を対象に実施されることが多いため、何かを描写することしかできず、意思決定をしたり結論を出したりすることはできません。定性調査により、製品のパッケージデザインがどのように見られているかはわかりますが、どのパッケージデザインがより魅力的であるかは特定できません。
レストランに関するフィードバックアンケートを作成し、欠点を特定して改善に役立てる例を考えてみましょう。レストランのカスタマーサービスやメニューの品揃え、料理の質にどの程度満足しているかを評価してもらうことにしました。
これでレストランに関する包括的な情報が得られると思うかも知れませんが、見落とした要素やアンケートに含めるほど重要ではないと思われる要素(清潔さ、雰囲気など)が、実は回答者の多くが不満に思っている点である可能性は十分にあります。少しの定性調査を行うだけで、何について聞けばいいかが事前に特定できます。定性調査なしでアンケートを行うと、潜在的な課題を見逃す可能性があるのです。
加えて定性調査では、どんな言葉を使えば回答者に理解してもらえるかを調べることもできます。レストランの経営者であれば、POS、あるいは販売時点情報管理システムという言葉をよく知っているでしょう。しかしこれらの言葉は、回答者の多くにとって耳慣れないものです。最初に少し定性調査を行うだけで、回答者や顧客が普通に使用している言葉と、聞いても意味がわからない言葉を分類できます。
定性調査にはさまざまな形態があります。定性データを収集するいくつかの方法を簡単に見てみましょう。
1対1で対話するインタビューは、内容の濃い情報が得られるため、トピックや問題の理解を深めるのに適した方法です。たとえば、会社の従業員を対象に、満足度を測るアンケートを実施するとしましょう。
アンケートを作成する前にインタビューを行い、社風や勤務条件、会社や地域に特有な問題などの背景情報を入手すると有益です。さらにインタビューでは、質問を補足したり、ボディーランゲージを読んだり、定量調査では見落としがちな小さなヒントを拾ったりできます。インタビューは、詳細な情報を得るためだけでなく、ケーススタディの作成や専門家の意見の収集にも利用できます。
クライアントを会社の最大のセールスポイントにすることができます。Amazonのレビューや食べログのランキングを思い出してみましょう。どの製品を購入するか、どのレストランに行くかを決めるとき、多くの人が他の人たちのレビューを参考にします。ポジティブな評価を集め、最も忠実な顧客に「私のストーリー」を提供してもらうことで、潜在的な顧客の獲得につながる貴重なコンテンツができあがります。
顧客を相手にさらに踏み込んだインタビューを行うと、説得力のあるケーススタディが作れることがよくあります。また、アンケートに自由形式質問を追加し、受け取った回答からストーリーを拾い出すこともできます(ただし、顧客のプライベートなコメントを公開するときは、必ず事前に同意を得てください)。
多くの人が、特定のトピックについて詳しく調べるとき、専門家の意見を頼りにします。例として、よく知らないトピック(たとえば、アンケートのベストプラクティスとか・・・)に興味を持ったときのことを考えてください。おそらく、このトピックの専門家を何人か見つけ、インタビューするのが一番でしょう。そうすれば、自由形式の質問をし、トピックを詳しく理解するために必要な質の高い情報を受け取ることができます。
フォーカスグループは、対面またはオンラインで行い、少人数のグループで特定のテーマについて議論してもらいます。フォーカスグループでは、監督されてはいるものの自由な流れでディスカッションが進行するため、少数の回答者の反応を的確に把握できます。この調査形式は、新しい製品やマーケティング戦略に対するターゲットオーディエンスの反応をテストするのに適しています。
観察調査では、顧客または消費者を実際の環境で観察します。典型的な例は、来店客を観察する調査です。客が探しているものを見つけるまでに、どのくらい時間がかかっているでしょうか?店員と快適にコミュニケーションしているでしょうか?最初にどこに向かい、どこに移動していますか?製品を購入せずに店を出るのは、どのような場合でしょうか?現場での観察は、フォーカスグループやインタビューなど、より直接的な調査で見落としてしまうような発見につながります。
さて、定性調査について学んだところで、次は定量調査についての詳細、さらに2つの調査を組み合わせてデータから優れた洞察を得る方法を学びましょう。
はい。
テキストボックスを使うことが多い自由形式の質問は、(用意した選択肢を提示するのと異なり)回答者が独自の答えを提供する機会になります。このアプローチだと、回答者にトピックに関して感じていることを正確に表現する自由が与えられるので、予期せぬチャンスや課題、引用文などを発見できる探索的なデータが得られます。さらにこの情報を使って、アンケートで収集した具体的な数字を裏付けることができます。平均値や割合などの数値を数多く並べるよりも、引用や事例を取り入れる方が、説得力のある主張ができることも少なくありません。
もちろん!アンケートで自由形式の質問をすれば、情報に基づいた仮説を立てるための定性調査が簡単にできます。他の定性調査の形式とは異なり、多くの人々に簡単に実施できるので、結果の信頼性を高めることができ、価値も高まります。
まとめ: 質的なアンケートは可能?はい!定性調査でアンケートを使うことはできるの?もちろん!早速アンケートで疑問への答えを得て、あなたの第六感をすばやく、効率的に検証しましょう。そうして初めて、方向性が正しいかどうかが確認できます。
この記事は、SurveyMonkeyのアンケート101プロジェクトの中で発表されたものです。SurveyMonkeyは、より多くの方を対象にスマートなアンケート作成をお手伝いしたいと願っています。プロジェクトの詳細と調査コミュニティへのSurveyMonkeyの参加についてご覧ください。
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