Net Promoter Scoreアンケートで顧客満足度を測定しましょう。NPSの計算方法や、効果的なNPSアンケートを作成するためのヒントをご紹介します。
Net Promoter Score(NPS®)アンケートは、企業にとって、顧客の満足度やロイヤリティを簡単に測定する手段です。NPSを定期的に追跡すれば、顧客体験(CX)戦略の成果をモニタリングし、何がビジネスに貢献しているかを把握することができます。
NPSは、全世界で数百万の企業がメインのCX指標として利用しているため、ベンチマークとしても大きな価値を持ちます。
Net Promoter Scoreは、顧客の満足度やロイヤリティーを表す指標で、「友人や同僚に当社・製品・サービスを薦める可能性はどの程度ありますか」というNPS質問を1つするだけで測定できます。
回答者は、その会社を薦める可能性を0~10の尺度で表現します。0は、会社を薦める可能性がまったくないこと、10は、他の人に薦める可能性が非常に高いことを意味します。
NPSのフレームワークでは、顧客をその回答に応じて3つのカテゴリーに分類します。
NPSの計算式を使ってNPSスコア(-100~+100)を求めます。スコアが高いほど、顧客のロイヤリティや満足度が高いことを示します。
NPSアンケートを実施することで、企業が提供している顧客体験についての顧客の感情を理解できます。あまり満足していない顧客をフォローアップすることで、顧客体験を改善するためのアクションプランが作成できます。
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NPSスコアを計算するには、推奨者の割合から批判者の割合を引きます(推奨者の% - 批判者の%)。
値は、-100%と+100%の間のパーセンテージになります。この結果があなたのNPSです。
詳細な手順は次の通りです。
NPSアンケートに200件の回答があったとしましょう。
批判者と推奨者のパーセンテージを求めるには、それぞれの数を回答者数で割り、100を掛けます。
Net Promoter Scoreは、常にパーセンテージではなく整数として表示されるため、NSPは60となります。
NPSの計算は、回答者数が少なければ簡単ですが、アンケートのサイズが大きいと、複雑になる可能性があります。SurveyMonkeyのNPSテンプレートには、NPS計算ツールがすでに組み込まれているため、正確な結果をすばやく求めることができます。
Net Promoter Scoreを計算する上で不可欠なのが、推奨者・批判者・中立者の理解です。各グループがビジネスにおいて異なる役割を果たすため、顧客フィードバックをこれらのグループに分類することが大切です。
NPSのフレームワークでは、9~10と評価した顧客を推奨者に分類します。ポジティブな体験をしているため、ブランドを他の人に薦めてくれる可能性が高い、最も満足度の高いグループです。
このグループに追加のフィードバックを依頼すれば、ブランドのどこが優れているかを見極めることができます。
NPSアンケートで0~6と評価した顧客は、批判者に分類されます。友人や同僚にブランドを薦めてくれる可能性が低い、満足していない顧客です。
このグループの顧客は、ブランドでネガティブな体験をしているため、批判的な口コミを投稿したり、ブランドを離脱したりする可能性があります。
このグループにフォローアップ フィードバックを依頼すれば、顧客体験を改善して批判者を推奨者に変える方法が特定できます。
NPSで7~8と評価した顧客は、中立者です。ブランドのことをそれほど良く思っていないがネガティブな経験もしていないグループです。ブランドを薦めてくれる可能性は低いですが、製品やサービスにはある程度満足しています。
中立者は、顧客体験戦略の強化に貢献できるグループなので、見過ごさないようにしましょう。中立者からフィードバックを集め、それを行動に移せば、顧客体験全般を改善し、中立者を推奨者に変えることができます。
高いNPSスコアは、顧客が全般にあなたの会社に満足し、ブランドに対して良いイメージを持っていることを示します。
会社にとって最適なNPSスコアの値は、業界ごとに異なります。たとえば、サービス業や消費者商品の会社であれば、好ましいスコアは+50以上です。テクノロジー業界の場合は、+40でも優れたスコアと言えます。
一般に、NPSスコアが25以下の場合は、顧客がブランドに満足していないと考えられます。さらにフィードバックを収集して、顧客の感情を正確に把握することが大切です。
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高いNPSスコアは、顧客が全般に会社に満足していること、会社が顧客に愛される製品・サービスを継続的に提供していることを示します。
ベンチマークの基準とするなら、サービス業・消費者商品業界の高スコアは+72です。テクノロジー業界の高スコアは、だいたい+64です。会社のスコアがこれらの値に近いか、超えているなら、それは高いNPSスコアであり、ブランドが顧客に愛されていることを示します。
繰り返しになりますが、NPSベンチマークは、業種など、さまざまな要因に左右されます。会社のベンチマークを正確に設定するには、NPSスコアを長期的に追跡して改善の幅を特定する必要があります。
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Net Promoter Score、顧客満足度スコア(CSAT)、カスタマー エフォート スコア(CES)の3つの指標は、顧客体験の異なる側面に焦点を当てています。異なる側面について調べた3つの指標をすべて合わせることで、ビジネスの健全性の総合的な理解が可能になります。
前述のとおり、NPSは、顧客ロイヤリティ全般を測定します。NPSアンケートは、会社に対する顧客の満足度をすばやく正確に理解するための、優れた手段です。
CSATスコアは、製品、チェックアウト手続き、カスタマーサポートなど、会社の特定の部分に対する顧客満足度を測定します。また、それらの部分の顧客体験において、会社が顧客の期待に応えているかどうかも測定できます。
CESは、顧客が、会社との特定のやり取りをどの程度簡単に済ませられるかを示します。SurveyMonkeyの調査では、顧客の91%が、ある会社が労力の少ないポジティブな体験を提供した場合、その会社を薦めるだろうと答えています。
NPSは、全般的な顧客満足度を表しますが、CSATとCESでは、製品・サービス・やり取りに対する顧客の満足度を調べることができます
関連トピック: 顧客体験指標をカンタン解説
NPSアンケートが、顧客体験の改善や顧客ロイヤリティの向上にいかに役立つかが理解できたところで、次はNPSアンケートを実施してみましょう。ここで、NPSアンケートを成功させるためのベストプラクティスをご紹介しましょう。
NPSアンケートが大いに有効である理由の1つは、回答のしやすさにあります。質問が1つだけなので、数秒で答えられます。
しかし、NPSのメインの質問では、顧客が会社に満足しているかどうかがわかるだけで、その理由については見抜けません。もっと詳しい情報が欲しいなら、NPSアンケートにフォローアップの質問を加えるのが得策です。
質的な自由回答形式の質問を用意して、コメントボックスに顧客の感情を記入してもらいましょう。フォローアップ質問は、「上記のように評価した理由を教えてください」のような簡単なものでかまいません。
このような質問によって、顧客から、評価の背景にある情報を提供してもらうことができます。フォローアップの質問は、任意回答にしましょう。自由回答形式の質問は回答に時間がかかるため、回答したくない人もいます。
関連トピック: トランザクショナルNPSとリレーショナルNPS
NPSアンケートを一度実施してスコアを得れば、現在の顧客のロイヤリティが把握できます。しかし、NPSスコアは、何度も実施して分析することで、威力を最大限に発揮します。
もちろん、NPSを他の会社と比較してベンチマークするのも、立ち位置を理解するのに有効です。しかし、自分のNPSスコアの変化を追跡することは、もっと効果的です。
少なくとも四半期に1回の頻度で、定期的にNPSアンケートを実施しましょう。NPSデータが定期的に得られれば、顧客体験を改善するためのチームの取り組みにどのような効果が見られるかを実証できます。
NPSメールとは、メールの本文にNPSの質問を埋め込んだものです。回答者がメール内で評価スコアを選択すると、リンク先のアンケート画面が開き、残りの質問に回答することができます。
NPSメールは、より多くの回答を収集する効果が実証されています。SurveyMonkeyのリサーチチームは、メール本文に1つの質問を埋め込むだけで、アンケートの回答率が22%、完了率が19%上昇することを突き止めました。
定期的にNPSを実施する際にNPSメールを使用し、質の高いデータを手に入れましょう。
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NPS(と収集した追加のフィードバック)で判明したことに基づいて、顧客体験を改善するためのアクションプランを作成します。
NPSアンケートで集めたフィードバックを利用して、より多くの顧客を満足させるための顧客体験戦略計画を立てます。フィードバックを行動に移す際に、それを顧客に伝え、フィードバックが実際に役に立っていることを知らせると、推奨者の増加につながります。
アンケートで判明した事項を行動に移せば、ビジネスプロセスが改善され、それが顧客満足度の向上と高いNPSスコアの実現につながります。
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Net Promoter Score(NPS)は、全世界で広く普及している顧客体験指標です。顧客ロイヤリティをすばやく簡単に測定する実用的な手段として、欠かせない指標となっています。
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NPS、Net Promoter、および Net Promoter Score は Satmetrix Systems, Inc.、Bain & Company、Fred Reichheld の登録商標です。