下がる気配のない離職率に人事担当者の危機感は年々高まっています。その確固たる理由は、従業員を1人入れ替えるためには、その役職の給与の最大150%のコストがかかるからです。
従業員はなぜ会社を辞めるのでしょうか。SurveyMonkeyが最近行った調査によると、離職理由の上位は、報酬・福利厚生(35%)、柔軟に働けない(29%)、ワークライフバランスの悪さ(27%)であることが明らかになっています。
これを読んでいる方の中には、離職率を減らして採用ブランディングを改善するため、会社の従業員価値提案(EVP: Employee Value Proposition)を作成、または維持する任務を負っている方もいるかもしれません。EVPは会社が従業員に提供できる価値を提案し、働きやすい会社であると説得するための理由を定義します。
ぜひ読み進めて、従業員や候補者のフィードバックを使って説得力のあるEVPを作成する方法をご覧ください。適切なフィードバックを引き出す質問をすれば、競合他社と一線を画すEVPを作成する大切なヒントが見つかります。
従業員価値提案(EVP)は、会社を働きやすい職場にしている特徴や価値です。魅力的なEVPを作るには、会社が提供するすべての福利厚生、報酬、特典を記載する必要があります。加えて、採用ブランディングの重要な部分を占める、職場の文化や精神も示す必要があります。
もちろん、競争力の高い金銭的報酬は従業員価値提案の重要な要素ですが、EVPに影響を与える要素は他にもたくさんあります。
以上の要素を明確かつ簡潔に、透明性を保ってEVPに記載します。
説得力のある従業員価値提案を作成すると、求職者の興味を引き、優秀な人材を惹きつけるのに役立ちます。特定のタイプの職場文化を求めている人や、リモートワーク、柔軟な働き方などの選択肢を求めている人もいるでしょう。もちろん、福利厚生や待遇などを重視する人もいます。
候補者がEVPでチェックする部分を私たちが決めることはできません。だからこそ、会社が提供したい価値に合わせて、可能な限り透明性を高める必要があります。EVPを適切に調整すると、求めている従業員を惹きつけると共に、応募者の体験と採用プロセスを円滑化することができます。
従業員への価値ある提案が重要な理由を3つご紹介します。
従業員への魅力的な価値提案を作成することで生まれるさまざまなメリットを理解したら、多くの会社が独自の価値提案を開発したいと考えます。全体的な従業員体験にEVPがいかに重要であるかを考えると、ここでしっかりと時間を取って作成することをお勧めします。
EVPは、競合他社と同じようであればよいというものではありません。会社の価値観を盛り込み、他社とは一線を画すものを提供する必要があります。
そこで、優れた従業員価値提案を作成するための手順を詳しく見ていきましょう。
EVP作成の最初のステップは、会社の目標や達成しようとしていることを決めることです。
手始めに、逆算してみましょう。理想の応募者や従業員について、その性格や興味、モチベーションなどを定義します。これによって、EVPの中心となる部分の輪郭がわかります。
あるいは、会社の既存の中心的価値観を見直し、それに基づいて構成することもできます。たとえば、透明性が事業の中心的価値観である場合は、想定される給与を求人情報サイトに記載することを検討してください。
EVPには、実際の会社の姿だけでなく、今後なりたい姿も反映させる必要があります。コラボレーターや多様なバックグラウンドの人材を引き付けるなどの目標を達成するために、EVPを効果的に調整しなければなりません。
ほとんどの企業は、何らかの形で従業員価値提案を行っています。福利厚生の一覧を各求人情報の最後に記載するだけの企業もあれば、福利厚生や職場文化に関する詳しいセクションを設けている企業もあるでしょう。
従業員フィードバックを収集して、現在のEVPの有効性を判断するか、新しいEVPを作成しましょう。従業員からのフィードバックは、EVPの中でうまく機能している部分と改善が必要な部分を把握するのに役立ちます。
フィードバックはさまざまな種類のアンケートで集めることができます。
受け取ったフィードバックを分析し、現在のEVPと従業員体験にどのようなギャップが生じているのかを把握します。また、自社の強みやセールスポイント、改善が必要な分野を特定することもできます。
現在のEVPの成果と従業員からのフィードバックをしっかりと理解したら、早速、新しい従業員価値提案の下書きを作りましょう。
魅力的なEVPに必要なのは報酬だけではありません。重要なすべての分野で従業員体験をどのように改善しているかを説明する必要があります。企業文化、個人的成長とキャリア開発の機会、給与、報酬、特典、福利厚生プログラム、職場のダイナミクスなどを考えてみましょう。
EVPは、会社への応募者が抱く可能性がある主な疑問に答える必要があります。
従業員は人生の多くの時間を会社に費やしていることを忘れないでください。これに報いる最善の方法は、会社で働いている時間をできる限り充実させることです。
従業員価値提案を完成させたら、それを複数のチャネルで宣伝することが大切です。まずは、理想の候補者が普段求人を検索しているチャネルでこの求人情報を共有することから始めましょう。ソーシャルメディアや有料広告、会社のWebサイトなどでも宣伝できます。
外部への宣伝に加えて、社内でEVPを共有することも忘れずに。EVPを新規採用者のウェルカムキット、オンボーディングプログラム、そして従業員エンゲージメントの枠組みに組み込むと、会社の誰もが新しいEVPを確実に知ることができます。
新しい福利厚生を導入する場合は、この朗報を全社にメールで広めるようにしてください。これは、今いる従業員に、受け取ったフィードバックに応える行動を起こしていることを示す素晴らしい機会です。
従業員価値提案の公表は、プロセスの一部に過ぎません。次のステップでは、変更に対する反応を測定し、それに応じて調整していきます。
EVPが与える影響は、関係者や責任者と忘れずに共有しましょう。SurveyMonkeyの最近の調査によると、人事担当者の約半数(53%)が、自社の経営陣が人事は成功文化にとって不可欠だと考えている、と答えています。慎重に作成したEVPが従業員の維持、採用、エンゲージメントにどのように影響するかを示す絶好のチャンスです。
お気に入りのブランドのWebサイトを開いて、その求人情報ページや会社概要ページを見てみてください。自分が共感できるEVPも、そうでないEVPも、きっと見つかるはずです。自社の採用ブランディングは、応募者や従業員に何を語りかけていますか。次はあなたの番です。
魅力的な従業員価値提案を作成するために必要なフィードバックを収集しましょう。従業員と応募者に対するアンケートを自動作成して結果を分析し、その洞察を採用ブランディングの構築に役立てられます。チームで共同作業をしたり、今使っているソフトウェアにSurveyMonkeyを統合したりできるので、従業員の採用も維持も、すべて一か所で手軽に管理できます。詳細情報
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