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CRMアンケートの究極ガイド: 質問例と戦略 

CRMアンケートの究極ガイド: 質問例と戦略 

明確な定義、専門家の手による12の質問例、実績ある3つの戦略が顧客データをアクションに変換 

正確な顧客データは、賢明なビジネス判断を後押しします。しかし、連絡先情報を常に最新で関連性のある状態に保つには、絶え間ない努力が必要です。多くの会社が顧客関係管理(CRM)システムを使用していますが、それを真に活かすために必要な、質の高いフィードバックを集めている会社は多くありません。

CRMを強力なビジネスツールに変身させて、本領を発揮させましょう。

このガイドでは、CRMアンケートを使って必要なインサイトを集め、リードをより効果的に分類し、維持率や成長率が高まるような体験を提供する方法をご紹介します。

企業がターゲット層からフィードバックを集め、顧客データや顧客関係の管理に使用しているCRMシステムに直接取り込みたいときは、CRMアンケートが役に立ちます。

2025年の調査では、CRMを使用している企業の53%が、CRMツールのおかげで顧客満足度や顧客維持率が改善されたと回答しています。そのため、アンケートデータをCRMソフトウェアに取り込む方法を理解することが大切です。

CRMアンケートの主な目的は、企業とターゲット層や既存の顧客をつなぎ、顧客のニーズや嗜好、問題などに対する理解を深めることです。これにより、マーケティングの取り組みを改善し、満足度を向上させ、利益を増やすことができます。 

また、CRMアンケートは、その時々の顧客関係と長期的な顧客体験管理戦略との間でバランスを図る上でも役立ちます。詳細なフィードバックを日常的にリアルタイムで収集しながら、会社と顧客のやり取りを長期的に改善することができます。 

プロのヒント: SurveyMonkeyに用意されているCRMアンケートテンプレートを使えば、すぐにアンケートを実施して実用的な顧客インサイトを得ることができます。

CRMアンケートを作成するときは、聞きたいことが次々に頭に浮かぶはずです。しかし、SurveyMonkeyのプロダクトマーケターであるDivya Shroffは、次のように言います。「顧客にしか聞けない最も重要な質問を優先しましょう。どのような情報が実用的な意味を持つかを考えます。」

CXチームは、この原則に従い、明確で実用的なインサイトを与えてくれる質問に焦点を絞る必要があります。ここで、効果が実証されている質問例を目的別にご紹介します。

顧客基盤の効果的な分類に役立つ質問から始めましょう。これらの質問をすることで、回答を企業規模・業界・意思決定者別に分析するための情報が得られます。

たとえば次のような質問です。 

  1. 「あなたの会社に最もよく当てはまる業界は、次のうちどれですか。」
  2. 「あなたの組織には従業員が何人いますか。」
  3. 「あなたは意思決定においてどのような役割を果たしていますか。」

顧客の気持ちを調べ、直接のインプットを通じて改善の機会を特定します。顧客満足度の質問では、満足度を測定すると同時に、改善に役立つ具体的な提案を集めることができます。

たとえば次のような質問です。

  1. 「当社を同僚に薦める可能性は、0~10段階でどの程度ですか。」
  2. 「当社の製品/サービスのどこを改善すれば、あなたにとっての価値が高まりますか。」
  3. 「当社のカスタマーサポートにどの程度満足していますか。」
  4. 「他にどのような機能をご希望ですか。」

会社の製品を顧客がどのように使用しているか、顧客がどう思っているかを理解すれば、パワーユーザーを見つけ、導入時の問題を特定し、製品の開発に役立てることができます。製品フィードバックに関する質問は、製品が提供する実際の価値を明らかにします。 

次のような質問をしてみましょう。

  1. 「当社の製品/サービスを使用する頻度を教えてください。」
  2. 「どの機能を最も頻繁に使用していますか。」
  3. 「当社の製品/サービスを使うことで、どのような問題が解決できていますか。」

プロのヒント: SurveyMonkeyのカスタマイズ可能な製品アンケートテンプレートを使えば数分でアンケートが始められます。 

変化する顧客のニーズや市場勢力図を理解して将来に備えましょう。今後のニーズに関する質問は、変化を予測し、移り変わる期待の一歩先を行くのに役立ちます。

たとえば次のような質問です。

  1. 「他にどのようなソリューションを検討していますか。」
  2. 「あなたの会社にとって今後12ヶ月間の最優先事項は何ですか。」

顧客フィードバックを収集したら、次のステップは、データをアクションに変換することです。CRMシステムでアンケートデータを活用して意思決定を行い、顧客関係を総合的に改善し、測定可能なビジネス成果につなげる方法をご紹介しましょう。

効果的な分析とは、標準的な指標を追跡するだけではありません。「NPS®やCSATなどの顧客体験指標は、追跡すれば役に立つ指標ではありますが、タイムラグがあるのが普通です」とShroffは言います。

「異なるタッチポイントでのやり取りから、アンケート以外のデータも集めて調べ、早めにインサイトを見つけ出すことが大切です」

従来の指標とリアルタイムデータを組み合わせる包括的なアプローチは、次のような手順で実施します。

  • フィードバックをカスタマージャーニーの具体的な段階にマッピングする
  • 否定的なインプットにすぐ気づけるように、自動アラートを作成する
  • ターゲット層の各セグメントでトレンドを特定する
  • 満足度指標を長期的に追跡する

見込み客にアンケートに答えてもらうと、その人の興味や問題、購入スケジュールなどに関する貴重なヒントが得られます。これらのデータをリード スコアリング システムに取り込めば、営業チームは、すぐに注意を向ける必要のある機会、あるいは見込み客を特定することができます。

アンケートデータは、次のような手順でリードの分類に役立てることができます。

  • アンケートの回答から、購入の意思・態勢が整っているかを評価する
  • ニーズの整合性に基づいて価値の高い見込み客を特定する
  • 育成キャンペーンを自動でトリガーする
  • フィードバックに基づいてアウトリーチを優先し、営業プロセスを最適化する

アンケートフィードバックは、その一つひとつが、顧客とのやり取りが持つ影響力を高める機会を意味します。インサイトをCRMに取り込んで一元化することで、標準的な顧客タッチポイントをパーソナライズした体験に変え、フィードバックは集めるだけでなく実際の行動に役立っていると示すことができます。

インサイトを行動に変えるには、次のような手順に従います。

  • 顧客の嗜好に基づいてコミュニケーションをカスタマイズする
  • 新たなニーズの発生を事前に予想する
  • 問題に予見的に対処する
  • 的を絞ったアップセル機会を作成する

CRMアンケートを成功させるには、実施方法を綿密に計画する必要があります。適切にタイミングを計り、体験をパーソナライズし、利用しやすい形でアンケートを提示すると、回答率とデータの品質が大幅に向上します。最適化の方法を具体的にご説明しましょう。

CRMアンケートをいつ送信するかは、質問の内容と同じぐらい重要な点です。カスタマージャーニーにおいて戦略的に重要な時点(たとえば営業プロセスの最中など)でアンケートを実施し、高い回答率が維持できるように頻度に注意します。 

重要なタイミングとしては、次のようなものがあります。

  • 顧客オンボーディングの後(理想的には1週間以内)
  • サポートとのやり取りの後(24時間以内)
  • 定期的に(3ヶ月おき、または毎月)
  • 契約の更新前(およそ90日前)

アンケートの一つひとつが、会社が顧客との個人的な関係を大切にしていることを実証できるチャンスです。

「ブランドを反映したアンケートにすることが大切です。顧客のことをどれだけ知っているか、メッセージがどのように目に映るかに気を配れば、顧客の方もフィードバックの提供を大切に考えてくれます」とShroffは言います。CRM管理者は、次のような賢いパーソナリゼーションを通じて回答率を高めることができます。

  • CRMデータを使って既知の情報を事前入力する
  • 過去のやり取りまたは購入に言及する
  • 顧客プロファイルに基づいてアンケートを分類する
  • 最初の回答にしたがってフォローアップ質問をカスタマイズする

効果的なCRMアンケート戦略は、回答者にとっての便利さ・使いやすさを優先します。

「顧客がいるところにこちらからアプローチしましょう」とShroffは言います。「世界中に顧客がいる場合は、多言語アンケートを検討します。移動中の顧客にリーチしたいなら、SMSを活用します。」 

  • アンケートを必ずモバイル最適化する(2024年の調査によると、米国ではスマートホンから送信された回答が58%を占めています
  • 明確でわかりやすい言葉を使い、多言語にするオプションを検討する 
  • 質問を必要な情報だけに限定する
  • 視覚的な進捗状況インジケータを表示する  

CRMアンケートを実施する前に、その長所と短所を理解することが重要です。CRMアンケートは、顧客関係管理戦略の変革に役立つ一方で、綿密な計画とリソース配分を行わないと効果が出ないという面があります。

CRMアンケートに着手する前に、次の点を検討しましょう。

  • 自動化されたデータ収集: 手動での作業や人的ミスが減る
  • 充実した顧客プロファイル: 連絡先情報にアンケートの回答が自動的に追加され、深いインサイトが得られる
  • 的を絞ったコミュニケーション: 結果を使ってメッセージをセグメント化・パーソナライズできる
  • リアルタイムフィードバック: 最も重要なタッチポイントで感情を把握できる
  • 効果的なリードの分類: 営業トークの前に見込み客のニーズを理解できる
  • 測定可能なROI: アンケートのデータポイントが顧客維持率や売上に及ぼす影響を追跡できる
  • 統合の複雑さ: 一部のCRMシステムではカスタムの設定が必要になる
  • データ管理: CRMデータを追加すると、一貫したメンテナンスが必要になる
  • プライバシーに関する考慮: 収集した情報に堅牢なデータ保護ポリシーを適用する必要がある

すべてのアンケートツールがCRMとの統合や顧客データ管理を念頭に置いて設計されているわけではありません。アンケートプラットフォームでは、回答を効果的に収集するだけでなく、結果をCRMシステムに簡単に取り込んで実用的なデータに変換できることが大切です。

オプションを評価するときは、次のような重要機能を優先しましょう。

  • CRMインテグレーション機能
  • カスタマイズ可能なアンケートテンプレート
  • リアルタイムのレポート・分析
  • データセキュリティーとコンプライアンス機能


Net Promoter、Net Promoter Score、NPSは、Satmetrix Systems, Inc.、Bain & Company Inc.、Fred Reichheldの登録商標です。