顧客が本当に求めているものは、どうすればわかるでしょうか。自分は最高の製品を提供しているつもりなのに、顧客が競合製品を購入しているのは、なぜなのでしょうか。
顧客の真意をくみ取りたいなら、直接アンケートを取りましょう。手順は顧客フィードバックプログラムを実施するための究極ガイドでご紹介しています。
何が欠けているのかを突き止める一番の方法は、変身してみることです。準備はいいですか?紙とペン(別にデバイスでもかまいません)を手に持って、目を閉じ、指示書のことは忘れて顧客になったつもりになりましょう。これからジャーニーが始まります。そう、カスタマージャーニーです。
カスタマージャーニーとは
カスタマージャーニーとは、顧客がどのようにしてあなたのブランドを認知し、ブランドとやり取りするかを詳しく描写したロードマップのようなもので、次のように定義できます。
カスタマージャーニーは、顧客が会社・ブランドとのやり取りを通じて体験したことの総体です。取引や体験の一部だけではなく、顧客の体験全体を描写・記録したものと言うことができます。
ふーっ。それって、ものすごく範囲が広いですよね。でも、カスタマージャーニー(あるいは顧客体験全般)を理解することは、手筈さえ整えばそれほど難しいことではありません。それに、とても重要なことです。理由をご説明しましょう。
顧客への思いやり = 従業員満足度
最近の調査から、顧客中心主義の文化を築いた会社では従業員の満足度が高まり、離職率が下がることがわかっています。
カスタマージャーニーを知ることは、顧客体験の充実につながります。
顧客は、何らかの製品やサービスを購入するとき、楽しい気分になれることを期待します。消費者は、何か欲しい物を見つけ、購入手続きを行い、買った物を手に入れて使うという一連のプロセスから満足感や「ハイな気分」を得ます。売る側がこのような体験を意識して計画していなくても、買う側は体験を(スムーズな部分も面倒な部分もすべて)認識し、記憶します。
カスタマージャーニーがどのようなものかを深く理解するため、顧客の心の中に入ってみましょう。顧客体験を検討して理解し、改善するための機会があるたびに(ピーン)という音でお知らせします。
カスタマージャーニーの例
ある人が、繁華街を歩いている途中であなたのお店と看板に目をやりました(ピーン)。その人は、店の中に入り、レイアウトを眺めます(ピーン)。店の従業員がその人に挨拶して(ピーン)用を聞きます(ピーン)。従業員は、接客態度が親切な上(ピーン)、商品に詳しく(ピーン)、その人にぴったりな(ピーン)上質の靴を(ピーン)見つけて提示します。
顧客は、購入後でも気が変わったら理由を問わず返品できると聞いて安心します(ピーン)。店員は、セールのお知らせを送るため、顧客にメールアドレスを記入してもらいます(ピーン)。その日の夜、顧客は、新しい靴の写真を店の名前と共にTwitterに投稿します(ピーン)。そればかりか、yelp.comでもお店を推奨してくれるほど(ピーン)あなたの店に対する愛着が湧いたようです(ピーン)。数週間後、この顧客にセールのお知らせメールを送り(ピーン)、ブランドとそのコアバリューを思い出してもらいます(ピーン)。
これは1つのシナリオに過ぎません。それに、注意を怠ったり顧客の心を読む努力をしなかったりすれば、残念ながらブランドの力は活かせません。顧客が店での買い物中に不満を感じるような体験をしたなら(探している商品が見つからない、店員の態度が悪いなど)、それがブランドとの総合的なやり取りの一部に数えられてしまいます。顧客は、次回その商品が買いたくなったとき、もっと親切な店員がいる店、あるいは商品が見つけやすいように陳列されている店に足を運ぶでしょう。さらには口コミであなたのブランドや店舗についてネガティブな意見を言ったり、別の店で買い物するよう勧めたりするかも知れません。
ひゃーっ!これで、顧客体験のあらゆる段階に注意を払わなければならない理由がお判りいただけたでしょう。それを実行するには、カスタマー ジャーニー マップを計画、つまりカスタマー ジャーニー マップを作成する必要があります。
カスタマー ジャーニー マップの作り方
紙とペンはまだお持ちですね?これから、今見てきたような顧客体験の各段階を大まかに書き出します。これらの段階はタッチポイント(顧客接点)と呼ばれるもので、顧客がブランドと接触するあらゆる機会を含みます(どこまで細かくするかは自由に決めてかまいません。タッチポイントの詳細については、無料のeGuideをご参照ください)。
カスタマージャーニーを進み始めた顧客は、広告、Webサイトなどのさまざまなタッチポイントであなたと接触します。顧客の立場に立ってタッチポイントを書き出してみると、次のようなものが含まれるはずです。
カスタマー ジャーニー マップ上で顧客が通過する段階やタイムラインを分析するときは、次の点に注意しましょう。
- アクション: カスタマー ジャーニー マップの各段階(口コミを読んであなたのブランドの名前を目にする、店舗に足を運ぶ、など)を書き出したら、それぞれの段階で顧客が何をするかを考えましょう。
- 動機: 顧客は、どのような動機から次の段階に進む(あるいは進まない)のでしょうか。それぞれの段階で顧客はどのような感情を持つでしょうか。
- 質問: 顧客はどこで立ち止まってしまうのでしょう。質問があるのに答えが見つからないとき?わからないがために、あきらめて別のブランドに行ってしまうのでしょうか?製品の複雑さをどうすることもできないなら、顧客がカスタマー ジャーニーの途中で持つであろう質問を先取りして、顧客体験を改善してはどうでしょう?
- 障壁: 各段階で顧客はどのような障壁にぶつかるでしょうか。価格でしょうか、それとも返品ポリシー?顧客がカスタマージャーニーの途中で製品の購入をあきらめる場合の原因となりそうな要素を、すべて書き出しましょう。
ビジュアルでカスタマー ジャーニー マップをセットアップする
カスタマー ジャーニーマップは、図を使って作成することもできれば、各段階で顧客が遭遇するであろうシナリオのリストとして作成することもできます。顧客が通過する段階がよくわからないなら、顧客に聞いてみましょう。顧客フィードバックアンケートを作成すれば、ブランドにおける顧客の体験がよく理解できます。
一人ひとりの顧客のジャーニーは少しずつ違うということをお忘れなく。顧客の中には、あらゆる段階を飛ばしてしまう人もいます。だからこそ、できるだけ多くのシナリオを想定すること、そして顧客との接触機会を利用して、ブランドとやり取りする際のその人のジャーニーについて話を聞かせてもらうことが大切です。
準備ができたら、ソフトウェアを使った顧客体験管理をセットアップして取り組みを強化します。
カスタマージャーニーの理解に時間を割きましょう。そして、顧客がブランドとやり取りする機会をすべて書き出しましょう。そうすれば、どこを改善すべきかがわかり、すべての顧客体験をポジティブなものにする方法が見えてきます。成功をお祈りします!