クロスタブは、分割表分析またはクロス集計とも呼ばれる、名目データの分析方法です。このページでは、クロスタブ分析の詳細と使用方法をご紹介します。
1つ以上の変数の結果を、他の変数の結果と比較するために使用される、便利で一般的な分析方法です。名前やラベルを特定の順序ではなく割り当てた変数からなる、名義尺度のデータに使います。
クロスタブとは基本的に、アンケート回答者全体およびサブグループから得られた結果を表すデータ表で、アンケートの回答全体を眺めているだけでは漠然としか得られない、データ内の関連性を詳しく調べられます。
クロス集計では、データを様々な方法で調査でき、回答者内のグループに対する理解を深められます。
巨大なデータセットの分析には困難を伴いますが、膨大なデータ量から適切かつ実現可能な洞察を見つけることはさらに複雑です。クロスタブはデータをいくつかのサブグループに分けることで理解しやすくし、別カテゴリの変数と比較することで変化する割合や頻度を提示します。データセットを測定しやすくすることで、エラーが起こりにくくなるのです。
クロスタブでは1つ以上の変数間の関係を見ることで、より詳細なレベルにおける洞察が得られます。クロスタブがなければ、このような発見を見落としたり、広大なデータの海の中で見失ったり、見つけ出すための追加作業を必要としたりするでしょう。複数のフィルターを使うことで、データの奥深くに潜り込み、さらなる詳細を明らかにできるのです。
クロスタブを使えばデータセットが単純化されるので、素早く比較できるようになります。ということは、新しいマーケティング戦略作成用の洞察を、データに基づいてより素早く得られるということなのです。アンケート回答者間の国際的なトレンドを探し、適切な行動を起こすことも可能になります。
クロスタブを使うと、データセットは単純化されサブグループに分けられます。結果として得られるクリーンなデータは理解しやすいフォーマットになっており、リサーチの専門家からデータ分析のトレーニングを受けていないチームメンバーまで、さまざまな人が容易に閲覧し利用できます。
クロスタブは通常、互いに相交わらないグループ、またの名を名目変数に分けられる情報に対して使用され、俯瞰するだけでは見えにくいデータ間の関係を調べられます。クロスタブレポートは、マーケットリサーチ研究によると、アンケートの2問以上の質問における関連を明らかにできます。
様々な業界、業務で使用されていますが、クロスタブ分析が役立つ部署としては、以下の例が挙げられます。
人事部では、クロスタブを使うことで、従業員アンケートのデータから、企業文化・管理職ガイダンス・従業員エンゲージメントなどを調べることができます。特定の問題やニーズを抱えている部署を特定し対処できます。
マーケットリサーチチームでは、クロスデータでローデータをより理解しやすい形にして、経営判断を下すのに役立てることができます。
カスタマーサポートチームでは、クロスタブを使い、長期および新規顧客の顧客満足度を評価できます。
学校の管理部門では、生徒から集めた教員評価データを使い、科目、授業時間やその他のデータとクロス集計し、生徒の学習体験を改善できます。
カイ二乗検定はクロスタブ表のデータを検定するために用いられ、データが統計学的に有意かどうかを決定します。2つの名目変数が独立(無関係)であれば、統計学的に有意であると認められます。基本的に、カイ二乗検定は名目変数に対する相関性検定です。
クロスタブについて使われる用語をいくつかご紹介します。
例1
従業員満足度:以下はSurveyMonkeyのクロスタブの例で、従業員満足度アンケートのデータから作成されました。アンケートでは従業員に複数選択肢の質問をしました。
グループを決定する質問は縦軸に、グループを比較する質問は横軸になっていますが、これが典型的なクロスタブレポートのフォーマットです。
この表から、従業員の勤続年数と満足度には関連性のあることがわかります。この関連性がわかれば、さらに調査してその元となる原因を突き止められるでしょう。データからは、一つの変数がもう一つの変数に影響を与えているとは言い切れません。つまり、勤続年数と従業員満足度の相関性は認められますが、因果関係があるとまでは言えないということです。
ヒント:データを分析するときは、相関性と因果関係を混同しないように気を付けましょう。
例2
購買意欲:この例では、アンケート回答者のどちらの性別が製品を購入する可能性が高いかを見ます。
ここでもグループを決定するデータ(男性・女性)は縦軸に、比較対象となる質問(弊社の猫用フレグランスを購入すると思いますか?)は横軸になっています。
クロスタブを使わずに全体的な結果だけを観察すると、アンケート回答者の54%は製品の購入に興味があると報告していることがわかります。性別による購買意欲については明確に把握できないかもしれませんが、これこそがパーソナライズしたマーケティング活動を行うためには重要な役割を果たします。
クロスタブでは、全回答者の45%が製品を確実に購入すると答えていて、そのうち66%は女性だということがわかります。製品名からパッケージ、謳い文句まで、この情報がすべてを導いてくれるのです。
クロスタブによって明らかになる洞察は数限りありませんが、ここではクロスタブレポートによって回答が得られる質問例をいくつかご紹介します。
新規顧客と、すでにあなたから製品を購入したことのある顧客では、顧客満足度にどのような違いがあるのでしょうか?
顧客満足度と、あなたの製品を他の人にも薦めるという姿勢にはどのような関連性があるのでしょうか?
あなたの最も満足している顧客層はソーシャルメディア上でポジティブなレビューを共有するでしょうか?
あなたの製品に満足していない顧客が最も不満に思うことは何でしょうか?
様々な部署の従業員はそれぞれ会社に対してどのように感じているのでしょうか?
オフィスの所在地と満足度の間に関連性はあるのでしょうか?
あなたの製品に対する購買意欲は男女間で異なるものでしょうか?
世代によってあなたの会社のブランド認知度は異なるものでしょうか?
特定の学習プログラムにいる学生は、学生のリソースの利用可能性についてどのように感じているでしょうか?
特定の大学プログラムと学生満足度の間に関連性はあるのでしょうか?
データをより深く調べ、細かな点まで把握する必要があるなら、クロスタブとフィルターが最善の方法です。SurveyMonkeyとクロスタブデータを使って時間を節約し、詳細な洞察を明らかにして、データを最大限に活用しましょう。クロスタブレポートの作成方法はヘルプセクションをご覧ください。
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