参加者を満足させ、組織の目標を達成できるようなイベントを実施するために、イベント管理用のプロセスやツールを活用する方法を解説します。
実は「イベントコーディネーター」は、消防士、パイロット、軍人の次にストレスが多い仕事の1つとして常に上位に挙げられる職業です。
その責務を考えれば、当然と言えるでしょう。
イベントコーディネーターは、イベントの予算を管理する会計士でもあれば、会場をセットアップするインテリアデザイナー、参加者の満足度に気を配るゲストリレーションズでもあり、時には基調講演のスピーカーを落ち着かせるセラピストの役割まで果たします。
優れたイベントコーディネーターとは、イベント管理のノウハウを理解し、知見に従って記憶に残るイベントを実施できる人です。あなたも、なることができます。
このガイドでは、イベント管理の重要性、イベント企画のプロセス、イベントフィードバックを今後のイベント計画に役立てる方法について説明します。
イベント管理とは、あらゆる種類と規模のイベントを企画・準備・実施するプロセスです。初期のコンセプト開発からイベント後の評価に至るすべてを含むため、ロジスティクス、予算作成、マーケティング、ゲスト体験管理といったスキルが必要になります。
イベント管理は、参加者体験の強化を焦点とした戦略的アプローチです。
イベントマネージャーは、参加者のニーズや嗜好に集中することで、記憶に残る魅力的な体験が提供できるようになります。参加者間でのポジティブなやり取りが促進され、ブランドのイメージ向上につながるため、細部まで注意を払うことが重要です。
運営がスムーズで、参加者に満足してもらうことを重視しているイベントは、ブランドロイヤリティーの向上やポジティブな口コミの促進につながるため、組織の長期的な成功に貢献します。
イベント管理は、以下のような一般的な課題に対処するためのフレームワークにもなります。
イベント管理の8つの段階について、詳しく見てみましょう。どの段階も、会社のイベントを成功させる上で等しく重要な役割を果たします。
イベント管理の最初の一歩は、イベントの目標を設定することです。
最初から目標を明確にすることで、イベントロードマップを作成していく上での指針ができあがります。目標には、リードの生成、参加者のエンゲージメント、収益目標の達成などが含まれます。
イベントには、複数の目標を設定できます。たとえば高校の同窓会であれば、同級生との再会だけでなく、音楽プロジェクトの創設に向けて寄付を募るなどの目的も設定できます。
イベントの開催形式には、主にオフライン・オンライン・ハイブリッドの3つがあります。どの形式もそれぞれに特徴があり、その特徴がイベントの企画や実行にさまざまな面で影響します。
形式を選ぶときは、ターゲット層と具体的な目的について慎重に検討することが重要です。それにより、効果的なエンゲージメント戦略を実施し、イベントで期待した結果を確実に達成することができます。
イベントの企画プロセスにおいて、プロジェクト全体の基礎を作る初期の調査段階は、極めて重要です。この段階では、イベントコーディネーターが次のような目的で徹底的な調査を行います。
この段階では、イベントマネージャーは、予算内で何が実現可能かを考慮しつつイベントの質と体験を最大化しようと奮闘するため、ホストと密接に協力することが大切です。
次に、効果的なロジスティクス計画を可能にするため、主要な節目と期限を含んだ包括的なタイムラインを作成します。
タイムラインには、以下のような重要な節目が含まれます。
一つひとつの節目を慎重にスケジュールすることで、準備活動のスムーズな進行や、必要に応じて調整を加えるための十分な時間の確保が可能になります。
包括的で詳細なイベント計画は、イベントを成功させるための基盤です。
イベント計画では、イベントの目的やターゲット層、形式、目標を明確にし、スコープを定義することが大切です。スケジュールには、重要な日付や節目、期限に加え、イベント前の企画や当日のロジスティクス、イベント後のフォローアップの整理されたタイムラインを含める必要があります。
さらに、活動セクションには、プログラムの予定表やセッション、プレゼンテーション、エンターテイメント、ネットワーキングの機会、補足要素となるワークショップや展示などの詳細を記載します。
組織のためにイベントを企画するときは、専門家のチームをつくることが大切です。チームに招き入れる主要な役割には、次のようなものがあります。
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大規模なイベントの場合、地域の規制に従うために許可やライセンスを得なければならないことがあります。適用される規制は、イベントの場所や種類によって大きく異なります。
事前に地方自治体に問い合わせ、イベントに適用される具体的な要件を把握しましょう。
また、許可が下りるまでに数週間から数ヶ月かかる場合もあるため、すべての手続きを確実に終えられるよう、企画の段階で十分な時間を組み込む必要があります。
綿密に計画を練っても、問題が発生することがあります。講演者が食中毒にかかる、雨が降って野外イベントが難しくなるなど、あらゆる事態が考えられます。緊急時対応計画があれば、より確実にイベントを成功させることができます。
たとえば、ベンダーをキャンセルすべきか検討する場合、事前に代替のベンダー候補を見つけて評価しておけば、プロセスがスムーズに進みます。また、野外イベントを開催するときは、悪天候時に確実に使える代替会場を用意しておくことが大切です。
このような準備が、ストレスの少ない、開催者と参加者の両方にとって記憶に残るイベント体験につながります。
イベント会場を選択するときは、目標とターゲット層を念頭に置きます。
たとえば、企業の会議であれば高度な音響映像設備を備えたプロフェッショナルな会場が必要ですが、コミュニティーを対象とした資金集めのイベントであれば、地元の人が気軽に集まりやすい場所を選ぶのが得策です。
一つひとつの会場を、収容人数や場所、設備、アクセシビリティーといった基準で評価しましょう。イベントの雰囲気や目的、期待される成果をよく理解すれば、目標に合った会場を的確に絞り込むことができます。
ケータリングや音響映像設備、装飾は、外部のベンダーと契約して調達することになるでしょう。
効率的に手配し、ロジスティクスを管理するためには、ベンダー登録フォームで重要な詳細(連絡先、サービスの種類、保険、許可など)を収集します。
また、ベンダー支払いフォームは、支払いの追跡や予算の管理、期日を守った報酬支払いに役立ちます。このような管理ツールを利用することで、混乱が減り、コミュニケーションが改善され、舞台裏での作業がスムーズに進みます。
オンライン登録フォームは、登録プロセスを効率化し、参加者情報をリアルタイムで管理するのに役立ちます。
オンラインフォームを使うと、参加者の連絡先や食事制限、セッションの選択といった重要な詳細を簡単に収集し、正確な計画とロジスティクスに役立てることができます。
どんなに頭を悩ませても、わからないことはあります。イベント企画のフィードバックを集めることは、必ず役立ちます。
イベント企画アンケートは、参加者の期待やニーズを理解するのに役立ちます。たとえば、アクセシビリティーに関する要件や、食事制限などを把握できます。
イベント前の活動にアンケートを組み込むことは、イベント管理を強化する手段になります。
SurveyMonkeyのイベント フィードバック アンケート テンプレート ライブラリーを利用して、イベントの前後でフィードバックを収集しましょう。
イベント企画に関連する作業の中で、予算管理は楽しいものとは言えませんが、イベントを成功させるために欠かせない重要な作業です。予算の明細には、次のようなものがあります。
コストを抑えるためには、必要経費を優先し、節約が可能な領域を特定します。コストの見積もりを行うことで、予算実績の全体像が把握できます。まずは必要経費を計画し、重要でない支出は後回しにすることが大切です。
イベントの財務を管理するには、専用のイベント管理ソフトウェアを使って支出を正確に追跡・監視します。
支出を綿密に追跡して透明性を高めると、スポンサーや関係者から信頼が得られるだけでなく、コスト削減の機会も特定できます。
また、過去の支出の分析は、今後のイベント予算の精度を予測・改善することにつながります。
大規模なイベントでは、スポンサーや提携企業を獲得することで費用を相殺できる場合があります。知名度の高いスポンサーは、イベントの価値を高める役割も果たします。イベント自体がどれだけ収益を上げるかも特定する必要があります。
会場を選択したら、スペースのレイアウトとデザインを決めます。それには、参加者がスムーズに移動できるように空間を最適化すること、座席を効果的に配置すること、活動エリアを明確に定義することが含まれます。
マネージャーは、次の3点の要因を検討することが大切です。
最終的な目標は、参加者が快適に過ごし、スムーズに移動し、イベントのアクティビティーに最大限に参加できるような雰囲気を作ることです。
イベントの形式によって、必要なテクノロジーは異なります。
オフラインまたはハイブリッドのイベントであれば、音響映像、Wi-Fi、ステージ、照明などの設備が必要です。オンラインイベントなら、安定したインターネット接続などが必要になります。
イベントに必要な設備の提供や準備は、ベンダーに任せると良いでしょう。
オフラインイベントの場合は、登録・チェックインデスクや、到着した参加者を歓迎・案内する標識などのオンサイトサービスを必ず用意します。
また、障がいのある人など、アクセシビリティー面で配慮を必要とする人にサポートを提供します。具体的には、車いす用のスロープや専用の座席スペースなどを用意します。
参加者やベンターの安全は、最優先事項です。緊急時対応手順や救急用品、群衆管理計画を必ず用意しましょう。加えて、民間警備会社と契約して安全性を高めることも検討します。
イベントを成功させたいなら、適切なマーケティング戦略を通じて参加率とエンゲージメントを高めなければなりません。
イベントの宣伝方法として、次のような手段を検討します。
イベントの企画が完了しても、イベントを宣伝する重要な機会を逃していたなら、台無しです。プロモーションタイムラインには、公式発表前にターゲット層の注目を集めるティーザー広告や、公式発表、最後のリマインダーなどを含めます。プロモーションタイムラインがあれば、コミュニケーションをスケジュール通りに進め、エンゲージメントを高めることができます。
目立つイベントページを作成してイベントを宣伝します。ページやSNSに宣伝動画を含めるのも良いでしょう。グラフィックデザイナーに依頼してカスタムのソーシャルグラフを作成してもらい、オンラインで共有すると、参加者の興味を引くことができます。魅力的なビジュアルを共有することは、イベントを広く知ってもらい、注目度を高めるための有効な方法です。
高いコンバージョンレートを達成し、第一印象を良くするために、ユーザーフレンドリーな登録フォームを使って登録プロセスをスムーズに進めましょう。
SurveyMonkeyを利用すれば、主要な参加者情報を収集するオンライン登録フォームが簡単に作成できます。登録フォームは、メールやSMS、イベントのWebサイトなどを介してすばやく共有し、多数の人に届けることができます。これらのフォームはモバイルにも対応しているので、参加者は、どのデバイスからでも手軽に登録できます。
登録への障壁を減らし、柔軟な共有オプションを提供すれば、登録数が増加し、参加者管理が単純化されます。
当日コーディネーターが会場や設備の状態を監督し、登録やイベントの流れを管理します。当日コーディネーターは、チームのリーダーとして主要なエリアにスタッフを割り当て、スムーズな運営を可能にします。大変な任務のように思われがちですが、イベントが丁寧に計画されていれば、ストレスは大幅に減ります。信頼できる人と協力してタスクを割り振り、すばらしいイベントを開催しましょう。
イベントの当日は、音響画像設備やWi-Fi、プレゼン用機器がスムーズに機能するよう、技術サポートチームに協力してもらいます。不具合が生じた場合のために、バックアップ設備を用意しておきましょう。備えあれば憂いなし、です。
参加者担当のチームを設置し、チェックインプロセスの管理や参加者の案内を任せます。事前に、会場の各スペースに明確な標識を用意しておきます。また、参加者体験マネージャーに、イベントに対する参加者の第一印象を測定してもらうのも良いでしょう。
場合によっては、リアルタイムの調整が必要になります。土壇場でスケジュールの変更や天候に関する問題が生じても、慌てないようにしましょう。臨機応変に対応しなければならない問題は、いつでも起こり得ます。
最後のベンダーが引き上げても、イベント管理は終わりではありません。イベント後の活動は、次回のイベントを企画する上で重要です。イベントが終了したら、イベント後アンケートを通じて参加者の満足度を測定し、参加者が気に入った点を把握しましょう。宣伝コンテンツの質や、会場、参加者体験などに関する質問をすることで、今後どこを改善すべきかを調べます。
このイベント フィードバック アンケート テンプレートを使って参加者のエンゲージメントを調べ、改善すべき部分を特定します。
加えて、イベントに関する指標(参加率・エンゲージメント・リードコンバージョンなど)を追跡することが大切です。これらの指標に基づいてアプローチを改善していけば、今後のイベントがさらに充実します。データ分析とレポートを実行することで、イベントの成功を測り、今後に役立てることができます。
イベントの終了後に、ハイライトの写真や動画をSNSに投稿しましょう。イベントでプロが撮影した写真については、参加者がダウンロードできるようにリンクを配信します。イベントで紹介した重要ポイントやリソース、フォトギャラリーへのリンクなどを含めたフォローアップメールを作成し、参加者に送信します。
イベント終了後にチームミーティングを実施して、うまく行った点、改善点を洗い出し、的を絞った改善を行います。イベントスタッフやベンダーを対象にイベントアンケートを実施すれば、舞台裏での作業を改善するためのインサイトが集まります。
イベントを計画する際は、参加者体験を最優先することが大切です。参加者をわかりやすく案内し、快適なスペースや魅力的なアクティビティーを提供する必要があります。参加者からのフィードバックは、イベント体験を継続的に改善していく上で役立ちます。
イベント管理ソフトウェアを使用して、登録やデータ収集を効率化します。このテクノロジーを利用すると、参加者データを簡単に収集し、分析することができます。今日では、データ収集をこれまでになく簡単にしてくれるテクノロジーが揃っています。
イベントマネージャーは、プロセスのすべての段階でスタッフやベンダー、参加者に十分な情報を提供しなければなりません。イベントへの期待を高めるために、チーム内で節目に向けた進捗状況を報告し、最新情報をSNSに投稿します。
特に大規模なイベントでは、代替計画と追加のリソースを用意しておくのが最適です。イベントの開催中は、必ずと言っていいほど、不測の事態が発生するものです。どのような問題が起こり得るかを事前に検討しておけば、実際に問題が発生しても慌てることはありません。
参加者からフィードバックを集めたら、それを分析してインサイトを引き出し、今後のイベントを最適化しましょう。SurveyMonkeyなら、データ分析プラットフォームを使わなくてもデータの分析ができます。
自由回答でワードクラウドを作成すれば、トレンドを見つけ出すことができます。また、AIを使った感情分析では、回答を条件に従って自動的に分類できます。
ワードクラウドを通じて、ケータリングサービスに対する意見の大部分が「5つ星」であることが判明するかも知れません。そうであれば、今後のイベントでも同じケータリング業者に依頼すべきです。あるいは、参加者がより大幅なテクノロジーの導入を希望しているかもしれません。その場合は、技術チームを強化して、より充実したデジタル体験を提供しましょう。
分析ツールは、データをイベント管理に役立つ実用的なインサイトに変換してくれます。
企画前の評価からイベント後の評価まで、イベント管理は、イベントの成功のカギを握ります。綿密に準備を行って予算を最大限に活かし、スムーズな参加者体験を提供しましょう。イベントマネージャーは、イベント体験から学ぶことで継続的な改善を目指す必要があります。
イベント後フィードバックアンケートの実施は、どこを改善すべきかを学ぶために欠かせません。SurveyMonkeyを使えば、簡単なイベント登録フォームを作成してイベントの運営に役立てることができます。また、イベント フィードバック アンケートを迅速に実施して参加者からデータを集めることもできます。
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