イベントの各段階で適切な質問をする方法をご紹介します。イベントフィードバックを分析して、今後のイベントでデータに基づいた決定ができるようにしましょう。
イベント参加者のニーズを理解し、より良いイベントを提供して確実に満足してもらうためには、イベントフィードバックの収集が不可欠です。うまく行った点、改善の必要な点を特定すれば、戦略に調整を加えて優れた体験を提供することができます。
このガイドでは、専門家の手によるイベントアンケート質問を利用してイベントの効果を最大化する方法をご紹介します。
イベントアンケートは、参加者からイベントに関するフィードバックを集めるためのアンケートです。イベントアンケートを実施すれば、関係者やスポンサーがイベントの成功と参加者の満足度を測定して、より良いイベントを計画できるようになります。
最も一般的なイベントアンケートは、イベント後アンケートですが、実際にはイベントのどの段階でもアンケートを実施できます。
イベントフィードバックを効果的に集めるためには、適切な質問をすることが大切です。ここでご紹介する55の質問例を参考にして、参加者から有意義な回答が得られるような包括的なアンケートを作成しましょう。
登録プロセスの一部であるデモグラフィック質問は、主催者やベンダーがイベント内容を参加者に合わせて調整する上で役立ちます。通常は、簡単な複数選択肢の質問を使いますが、回答を必須にする必要は特にありません。
参加者はイベントのどこが気に入ったでしょうか。オンラインイベントの場合なら、オンラインプラットフォームはユーザーにとって魅力的だったでしょうか。対面イベントで、参加者に十分な食事が行き渡ったでしょうか。参加者のエンゲージメントは、今後のイベントへの参加を左右する要素です。以下の5つのイベント後アンケート質問を使って、魅力的なイベント体験を提供しましょう。
セッション別の質問では、イベントの各セッションに関して肯定的なフィードバックや批判を得ることができます。以下のような質問を使って参加者の満足度を理解しましょう。
コンテンツフィードバックアンケート質問では、コンテンツのわかりやすさ、関連性の高さ、エンゲージメント、総合的なインパクトなど、コンテンツの強みと弱みが特定できます。また、コンテンツが参加者のニーズや期待に応えられたかどうかも判断できます。
特に評判の良かった講演者は誰でしょうか。その人を次回のイベントにも招待すべきでしょうか。以下のような質問をしてフィードバックを集めましょう。
ロジスティクスの質問は、会場の選択、必要な設備、交通手段の手配、スケジュールといった重要な意思決定に役立ちます。
ロジスティクスの質問をすることで、必要なリソースを確実に揃え、潜在的な課題を予測し、あらゆる詳細をイベントの目的に合わせることが可能になります。
エンゲージメントの質問を使うと、イベントに対する従業員の満足度や全体的なエンゲージメントを評価することができます。今後のイベントアンケートに次のようなエンゲージメント質問を含めることを検討しましょう。
顧客満足度スコア(CSAT)とNet Promoter Score®(NPS)は、顧客体験と満足度を測定するために広く利用されている指標です。
この2つの指標を使うと、顧客の考えや嗜好、ロイヤリティに関する貴重なインサイトが得られるため、イベント主催者は、改善点を特定し、イベント戦略を強化することができます。満足度とNPSの質問を利用してイベントの成功度を測定しましょう。
イベントの途中でアンケートを実施するときは、参加者が忙しかったり、スマホで回答したりするため、複数選択肢の質問を使ってフィードバックをすばやく集めます。一方、自由回答形式の質問を使うと、参加者から詳細なフィードバックを集めることができます。
たとえば、ある参加者から否定的なフィードバックがあった場合は、フォローアップしてその意見を理解するように努めます。質的なフィードバックの理解に役立つ自由回答形式の質問を5つご紹介します。
今後のイベントのおおよその参加者数を把握するために、実際に参加した人を対象にアンケートを行い、イベントを薦めてくれる人が何人いるか、今後のイベントに参加したい人が何人いるかを調べます。そうすれば、次回のイベントのロジスティクスが計画しやすくなります。イベント後に次のような質問をして、今後のイベントの計画に役立てましょう。
イベント後にもらうフィードバックは、今後イベントを改善する上で役に立ちます。イベント後アンケートは、イベントの終了から24時間以内に実施し、参加者の記憶が新しいうちに感想を聞けるようにします。
イベントの成功を測定する質問を5つご紹介します。
イベントアンケートは、イベントに関する詳しいフィードバックを集めて参加者の満足度を正確に測定するための手段です。
会社の同僚は、「イベントは大成功だった」、「会場は活気にあふれていて、たくさんの人から『楽しかった』という感想を聞いた」と言うのですが、SNSの投稿を見ると批判的な内容のものもあり、イベントが本当に成功したのか、確信が持てません。
そのような状況では、包括的なイベント後アンケートを実施して、イベントの真の感情や成功を特定する必要があります。
参加者の嗜好を把握し、何に最も興味があるかを調べるには、イベント前アンケートが有効です。
誰がイベントに参加する予定でしょうか。参加する人、参加できない人、欠席の理由を把握することは大切です。
イベントは、リソースの消費が激しい事業であり、多大な時間・資金・人的資本を必要とします。イベントへのリソース配分が正当であることや、イベントが、今後もサポートする価値のある魅力的なビジネスケースであることを説得するためには、投資収益率(ROI)がプラスであることを示す必要があります。
たとえば、前回のイベントによって受注確度の高いリードが10件獲得できた場合は、それらのリードのコンバージョンレートを計算し、イベントが収益目標にどれだけ貢献したかを明確に数量化することができます。
アンケート調査のプロセスで最も重要なステップの1つが、フィードバックへの対処です。参加者から集めたフィードバックを分析することで、参加者の嗜好や体験、期待に関する貴重なインサイトが得られます。
参加者について理解すれば、参加者のニーズに合った、より魅力的なイベントが企画できます。
関連トピック: 買い手の信頼を高める効果的な方法 7選
イベント前アンケートは、参加者の期待や嗜好を理解するのに役立ちます。イベントの開催前にデモグラフィックやセッションの選択、ロジスティクスニーズなどに関するデータを集めておけば、より魅力的で満足のいく体験が提供できます。
イベント前アンケートで適切な質問をすることで、参加者がイベントに何を期待しているか(交流イベント・研修セッション・エンターテイメントなど)を把握できます。
イベント前アンケートの質問:
このような参加者フィードバックは、コンテンツのカスタマイズや講演者の選択、アクティビティの計画などを、参加者に共感してもらえるような形で行う上で有益です。
一般イベント フィードバック アンケート テンプレートを使ってアンケートの作成プロセスを加速させれば、これらの情報がすばやく収集できます。
イベント中に行うアンケートでは、リアルタイムのフィードバックを集めてその場で改善を加えることができます。イベント中アンケートを実施すると、進行中のイベントに微調整を加え、参加者の満足度とイベントの成功度を高めることができます。
アンケートで得たデータは、イベントの進行と並行して参加者体験を改善するのに役立ちます。たとえば、リアルタイムのアンケートを利用してエンゲージメントや満足度を監視し、その場でイベントに調整を加えることができます。
イベント中アンケートの質問:
イベント後アンケートは、イベントの成功と参加者の満足度を測定する上で役立ちます。このアンケートで得たフィードバックは、改善点を特定し、今後のイベントをより良いものにする上で欠かせません。たとえば、コンテンツが期待に沿っていたか、会場が適切だったか、スタッフが親切だったかなどを調べることができます。
イベントアンケートで得たフィードバックは、参加者との間に信頼関係を築く上でも役立ちます。参加者の提案に従って行動すれば、参加者の体験を重視する姿勢を示すことができます。フィードバックに基づいて変更を加えることで、リピート率や、口コミで推薦してもらえる可能性が高まります。
イベント後アンケートの質問:
優れたアンケートからは、回答者に関する実用的なインサイトが得られます。しかし、特にイベントアンケートの場合、ただ質問を並べただけでは有意義なフィードバックを得ることはできません。優れたイベントアンケートを作成するためのヒントを5つご紹介しましょう。
これはアンケート全般に当てはまるベストプラクティスですが、イベントアンケートでは特に重要です。参加者は時間を割いてアンケートに回答してくれるわけですから、相手の時間を大切にする必要があります。質問は5問以内に抑え、要点を押さえるようにしましょう。
自由回答形式の質問を1つか2つ含めて全体的な感想やアイデアを求め、残りの質問(特にロジスティクスに関する質問)は、「その他」の選択肢を含む複数選択肢の質問にします。しかし、イベントフィードバックは、今後の手間を省くための切り札です。どうしても5つ以上質問する必要がある場合は、できる限りスキップロジックを適用して、回答者に関連のある質問だけが表示されるようにしましょう。たとえば、昼食のお弁当を注文していない人に対して、お弁当に満足したかどうかなど尋ねないことです。
イベントフィードバックへの回答をできるだけ多く集めたい気持ちは、もちろんわかります。ですが、質問をすべて回答必須にすると、すべての質問に答えた人の結果しか手に入らなくなるため、逆に効率が下がってしまいます。
むしろ、できる限り「必須」の質問を作らないようにします。集まったデータは、どのようなものでも必ず役立ちます。たとえ回答者がいくつか質問をスキップしたとしても、残りの回答から貴重な意見を知ることができます。
例外は、その回答に基づいて次に表示される質問が変わる、スキップロジックの質問です。この質問は回答必須にする必要があるので、アンケートの初めの方に配置しましょう。
どの質問を初めの方にするかについては、次のベストプラクティスに従うとよいでしょう。
ほとんどのイベントでは、参加者の満足度について聞く全般的な質問がそれに該当します。
最初の一般的な質問は、細かい質問に入る前の、独立したページに配置しましょう。回答者が[次へ]をクリックすると、SurveyMonkeyがその回答を取得して記録します。すると、たとえ回答者がアンケートの途中で興味を失い、完答しなかった場合でも、一番重要な質問のデータは手元に残ります。
そして、答えるのが最も難しい質問は最後に配置してください。完答したアンケートを少数の回答者から回収するよりも、最初の数問だけに回答した不完全なデータを多数の参加者から入手する方が、全体的に見れば有用です。
また、質問をトピックごとにグループ分けするなど、直感的な流れを作りだすことも大切です。回答者が理解しやすくなり、すばやく簡単に回答できるようになります。たとえば、1つのページにイベントの内容に関する質問をいくつかまとめ、次のページにイベントのロジスティクスに関する質問をまとめる、というように。
回答者の属性に関する質問は、最後のページに取っておいてください。イベント自体に関するフィードバックデータに比べると重要性は劣りますが、データのフィルタリングやトレンドの把握に役立ちます。
イベント終了後のメールにアンケートへのリンクをただ貼るだけでは十分ではありません。最初の質問をメールの本文に組み込んでしまいましょう。メールは一般的に、参加者との主要な通信手段です。アンケートをメールに直接組み込むと、リンクをクリックする手間がなくなるため、すばやく回答してもらえます。それにより、回答率と精度が高まります。
SurveyMonkeyの調査によると、メールの本文に最初の質問があると、アンケートの開封率が22%も上昇することが明らかになっています。しかも開封だけにとどまらず、最後まで回答を完了する可能性も20%アップするのです。
参加者がイベントに対して明確な意見を持っている場合には、好きか嫌いかに関わらず、その感情をアンケートに回答して発散しようとする傾向があります。しかし、私たちが正確な洞察を得るためには、それだけでは足りません。
両極端でない中間の回答を含めた多くの意見が必要です。イベントについて「まあまあ」という感想を持った中間層を捉えれば、そのフィードバックに丁寧に対処して熱心なファンに変えることができます。
あまり熱意のない人にも回答してもらえるように、できるだけ回答しやすいアンケート構成にし(短くする、複数選択肢にするなど)、リッカート尺度の質問(一般的に「そう思わない」から「そう思う」の複数段階で回答)を入れて、中間層の人が正確に意見を述べる機会を作ります。
関連トピック: アンケート質問の例
アンケートの回答を分析すれば、生データが、イベント体験の改善に役立つ実用的なインサイトに変わります。次にご紹介するヒントや提案を参考にすれば、どの段階のイベント アンケート フィードバックでも分析できます。
イベント前アンケートを適切に分析するには、まず回答者をセグメントに分けます。大量のデータを管理しやすいサイズに分割することで、回答者の問題や関心事などの特定が簡単になります。
感情分析を使って、すべての回答の中から主要な関心事を検出することもできます。感情分析は、機械学習および自然言語処理(NLP)を利用して、自由形式の回答を肯定的・中立・否定的の3つに分類します。分析によって3つのカテゴリーの分布がわかり、回答者の感情の理解に役立ちます。
最後に、回答にしたがってリソースを適切に配分します。参加者の多くに、食べ物の制限があるかもしれません。参加者全員が快適に過ごせるように手配する必要があります。
イベント前アンケートを応用する方法をご紹介しましょう。
アンケートの結果、大規模な組織に勤めている参加者は、午前9時から12時までのセッションにしか参加できないことがわかりました。小さな組織に勤める参加者は、10~50人で、どの時間帯のイベントにでも参加できます。そのような場合は、目標とターゲット層に応じて、大規模な組織に勤める参加者にできるだけ参加してもらえるように調整を加えます。
イベント中にリアルタイムのフィードバックを集めるには、プレゼンテーション後にQRコードを提示する形でアンケートを配信し、セッションに対する満足度を測定する方法や、休憩時間にテキストメッセージを送ってエンゲージメントを追跡する方法があります。
リッカート尺度の質問などのシンプルな指標を使って、(たとえば「そう思う」から「そう思わない」までのスケールで)意識や意見を測定します。
イベント中アンケートの利点は、即座に変更を加えられる点です。
実際のイベント中アンケートを見てみましょう。
講演者の顔ぶれや会場を変更することはできませんが、室温や音声の質、座席の配置などは調整できます。このような予見的なアプローチにより、参加者に快適に楽しく過ごしてもらうことができます。
イベント中アンケートを実施すると、進行中のイベントに微調整を加え、参加者の満足度とイベントの成功度を高めることができます。
イベント後は、統計分析やグラフを使ってデータを解釈します。
たとえば、クロス集計を行えば、異なる参加者グループのフィードバックを比較し、特定の分野での改善点を見つけることができます。データ分析で最も重要なステップは、「行動を起こす」ことです。
次のような実例を考えてみましょう。
大規模な業界会議が終わった後、参加者の75%が、イベント全体に対して満足したと回答しましたが、ブレイクアウトセッションに満足した人は50%に過ぎませんでした。
フォローアップの質問をした結果、セッションのトピックが大まか過ぎたことがわかりました。このインサイトを利用して、具体的な興味に合わせてセッションを企画するようにしたところ、イベントに対する満足度が向上しました。
データの分析が終わったら、インサイトに基づいて行動を起こしましょう。参加者から、イベントのロジスティクスに関する問題(音質が悪いなど)が報告されたなら、今後に備えてその問題を最優先で修正します。
改善した点を参加者に伝え、フィードバックを大切にしていることを示しましょう。フィードバックに基づいて行動を起こすことで、参加者に信頼感が生まれ、次回のイベントにおけるエンゲージメントと満足度の向上につながります。
イベントの前・中・後など、あらゆる段階で効果的なアンケートを実施することは、有意義なイベントフィードバックの収集とイベントマーケティング戦略の改善に欠かせません。
SurveyMonkeyには幅広いイベント アンケート テンプレートが用意されているため、アンケートの作成や分析を簡単に行い、登録からイベント後の評価まで、イベントのあらゆる側面を強化するためのデータが入手できます。今すぐSurveyMonkeyに無料で登録して、イベントアンケートの作成を開始しましょう。
Net Promoter、Net Promoter Score、NPSは、Satmetrix Systems, Inc.、Bain & Company Inc.、Fred Reichheldの登録商標です。
ブランド マーケティング マネージャー向けのこのツールキットは、ターゲット層の理解、ブランドの成長、ROIの測定をサポートします。
マーケティング向けSurveyMonkeyを使ってインサイトをマーケティング戦略に活用する方法をご覧ください。
職場のトレンド、ワークライフバランス、自宅勤務、リモートワークと出社勤務の違いに関する新たな調査
4P(製品、価格、場所、プロモーション)をマスターし、4Pを使って結果を生むマーケティング戦略を立てる方法を見つけましょう。