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自社ブランドについて説明するように言われたら、どのような言葉を使いますか?これは多くの経営者にとって答えるのが非常に難しい質問です。「ブランド」は、ロゴやカラーパレット、キャッチフレーズなどの「ブランディング」だけを指すのではありません。あなたのビジネスを消費者や市場に伝える、企業の抽象的な表現です。
人間のように、ブランドにも価値や目標、信念、性格、アイデアで構成されるパーソナリティ(人格)があります。ブランドパーソナリティの特性を見極めることは、ターゲット層に伝えたい意味と体験を明確にするための最初の一歩です。最も有力で最も効果的なブランドは、関連性があり一貫した、市場の共感を呼ぶパーソナリティ特性を備えることで、ブランドエクイティを強化できます。以下の記事を読んで、ブランドパーソナリティの特性を見極めて定義し、市場との繋がりを深める方法を学びましょう。
私たちがブランドパーソナリティについて語るとき、具体的にはどのようなことを指しているのでしょう?ブランドパーソナリティはブランドのアイデンティティを擬人化した言葉です。あるブランドに割り当てられた人間的特性と、それがどのように認識されるかというようなものです。人にはどんなものにもできる限り人間っぽい特徴を当てはめる傾向がありますよね。人と同じように、刺激的、冒険好き、誠実、あるいは思いやりのあるブランドが作れるというわけです。
たとえば、Volvoの車は一般的に信頼性が高いと考えられており、Apple製品は進歩と革新を体現しています。この有名企業の例では、ブランドパーソナリティについての重要な点が強調されています。ブランドパーソナリティはよく、ブランドのボイスとトーンを介して伝えられ、その個性を際立たせます。しかし、最も成功を収めているブランドは、市場が納得するブランドパーソナリティを醸し出しているブランドです。つまり、あなたが自社ブランドで見えているものは、市場、競合他社、既存の顧客にも見えているのです。
ブランドパーソナリティをブランドと一致させることは、簡単ではありません。そこで、ターゲット層からデータを収集して、ターゲット層とブランドとが一致するのはどのパーソナリティ特性なのかを把握しましょう。
ブランドパーソナリティの概念は、ブランドイメージの概念と区別する必要があります。ブランドイメージはマーケティング戦略の一環で、価値提案とブランドの具体的な機能のメリットを顧客に伝える、社内で制作されたクリエイティブアセット一式を指す言葉です。その意味では、自分でデザインして管理することができるものです。
たとえば、企業は顧客に対してロゴやカラーパレット、Webサイトのデザインなどで自社を描写できます。つまり、ブランドをどのように認識してもらいたいかを表現する手段です。
一方で、ブランドパーソナリティは、ターゲット層との情緒的繋がりを築きます。人々に求めるブランドへの情緒的な反応と繋がりがポイントです。これは4つの要素に分けられます。
ブランドパーソナリティとブランドイメージは異なる概念ですが、両方とも全体的なブランドヘルスの重要な一部であり、できるものなら、互いに調和していることが理想です。
ターゲット層の心に響くよう、ブランドパーソナリティを正確に定義することが重要です。これは、ブランドパーソナリティと全体的なブランドヘルスに直接的な関係があるためです。ブランドパーソナリティをターゲット層に理解してもらい、価値を見いだしてもらえれば、競合他社との差別化をはかることができ、ブランドエクイティが高まるだけでなく、売上を伸ばすことにもつながります。
たとえば、今ジム用トレーニングウェアの新しいラインナップを開発しようとしているとします。ターゲット市場に最も響くのはどのようなブランドパーソナリティでしょうか。率直に、勤勉で、高性能のスポーツウェアを表すブランドパーソナリティを作るかもしれません。しかしちょっと考えてみましょう。もしかしたら競合他社がすでにこのような立ち位置で展開しているかもしれません。二番煎じでは競争がさらに激化してしまいますし、せっかくのマーケティングメッセージが他社に紛れて届かないかもしれません。そこで代わりに他社との差別化を図るため、洗練されたブランドパーソナリティを構築して市場で独自の地位を確立してはいかがでしょうか。ブランドをハイエンドの高級な代替品として差別化するのに役立つだけでなく、より高価格帯の消費者を惹きつけられるかもしれません。
全体的なブランドヘルスを追跡する方法はこちらでご覧ください。
理想的な顧客とはどんな顧客でしょうか?事業の成功はできる限り多くの人に売ることだと思う人も多いかもしれませんが、顧客には、他の顧客よりも価値の高い顧客というのが存在します。最も理想的な顧客とは、ブランドに調和したパーソナリティの顧客です。たとえば洗練されたブランドには、洗練された顧客が必要です。一方、技術的革新を誇るブランドなら、製品やサービスに斬新さと革新性を求めている、先見の明のある顧客が欠かせません。あなたが提供しているものを求めている顧客を獲得したら、ブランドと製品についてポジティブな意見を表明することをいとわない、忠実かつ購入額の大きい顧客ベースを構築しやすくなります。
ブランドパーソナリティに説得力があり、ブランドのトーンとボイスに反映されていれば、他社よりも自社のブランドを選ぶべき理由を与え、理想とする顧客を惹きつけることができます。ブランドを人間味のあるものにすることで、顧客との価値ある特別な繋がりを生み出せます。
このように、ブランドパーソナリティはブランドに血を通わせ、顧客との関連性を持たせ、混み合った市場で差別化する概念です。特定の顧客セグメントにアピールでき、顧客がブランドとの関係を深めるのに役立ちます。つまり、ブランドのパーソナリティ特性を理解することは重要だということです。
ブランドパーソナリティの開発はブランド戦略における重要な部分ですが、ブランドパーソナリティは自然に発展することもあり、顧客がこのパーソナリティをどのように認識しているかを理解することが大切です。色やロゴなどで基本的なブランドアイデンティティを設定するのは簡単ですが、ブランドパーソナリティを定義するのはもっと難しく、はるかに微妙なプロセスです。そこで、ブランドパーソナリティが現在どのように定義され、認識されているか、そしてそれがあなたの期待や顧客の期待と一致しているかどうかを知るために、総合的な事実調査に着手しなければなりません。
ブランドパーソナリティの認識を調査する優れた方法が、アンケートです。アンケートとその他の市場調査ツールは特に、ブランドのパーソナリティを顧客がどのように認識しているか知るために役立ちます。ブランドパーソナリティを認識する方法と、そのパーソナリティに対する反応は人によって異なるので、消費者ベースの調査を実施しましょう。人口統計学的な質問で調査を構成すると、ブランドパーソナリティに対する認識がグループ間でどのように違うかを把握できます。
こちらはブランドパーソナリティに関するデータを集めることのできるアンケートテンプレートです。
アンケートを使った調査は、ブランドパーソナリティの調査プロセスにある2つの要所で活用できます。
ブランドパーソナリティの開発に着手する前に、現状のブランドパーソナリティに対する認識について消費者からデータを収集しましょう。出発点を知るための基準を定めることができます。また、消費者はもちろん重要ですが、自社の従業員にも調査を実施して、自社のパーソナリティ特性について従業員も同様に理解しているか確認することも検討してください。
マーケティングやアウトリーチ活動、市場とのやり取りを通じて特定のパーソナリティを伝えようとしている場合は、意図した通りに顧客がブランドを認識していることを確かめなければなりません。新しいブランドパーソナリティを取り入れた後は、成功しているかどうかを測定するために、適切なデータを収集しましょう。
では次に、ブランドパーソナリティを開発して定義するためのベストな戦略を考えてみましょう。最終的には顧客との繋がりを深めるためにブランドパーソナリティの作業があるわけですから、顧客から始めるのが最善です。顧客が誰で、何を期待しているのか、何を求めているのかが分かったら、顧客にアピールできるブランドパーソナリティに調整していくことができます。このとき、ブランドを人間のように扱い、すべてのブランドメッセージで一致させることのできる人間的資質を割り当てることを忘れないでください。
ブランドパーソナリティを説明する定義は色々あります。中でもスタンフォード大学の研究者、Jennifer Aakerは、ブランドパーソナリティの5つのアーキタイプを定義していて、出発点としては最適です。ブランド特性は、誠実、刺激、能力、洗練、頑丈のいずれかのアーキタイプに合わせることを選択できます。
誠実は、優しさ、家庭的な価値観への方向性を示します。たとえば、日用品ブランドのDoveは、女性の内面の美しさを称え、自信を築くことを目的とした「リアルビューティー」キャンペーンと約束などを通じて、誠実な特性に基づいたブランドメッセージを構築しました。
刺激には、活発、若々しさ、創造力、最新、自由などの特性が含まれています。刺激的なパーソナリティを打ち出すブランドは、消費者に新しくて斬新な、決して忘れることのない体験を提供しようとします。たとえば、Airbnbのミッションステートメント、「世界中の人がどこにでも居場所があると感じられるように」には、ブランド全体の刺激的な特性を反映されています。
能力は、才能、成功、ソートリーダーシップなどのパーソナリティ特性に反映されます。能力の質を打ち出すブランドは、高品質で効果的であることをブランドと結び付け、競合他社よりも自社を選択するよう顧客に働きかけます。最も有能なブランドの例には、Stanleyのナイフ、ル・クルーゼの鍋、Saddlebackの財布といった消費者向け製品のメーカーが挙げられます。
洗練は、上品、高級、贅沢などの特性を伝えます。このタイプのパーソナリティを打ち出すブランドはハイエンド向けの高級品市場によく見られ、ティファニーやルイ・ヴィトンなどが良い例です。
頑丈さには、荒々しい、タフ、アウトドア、運動的などの意味が含まれます。頑丈さに関連付けられているブランドの素晴らしい例がJeepです。
以上、5つのタイプを紹介しましたが、これらは出発点に過ぎません。ブランドを定義する方法は他にも数多くあります。
重要なのは、ブランドパーソナリティを伝える方法に一貫性を持たせることです。消費者はあらゆる場所で、数限りない媒体を通じてブランドに触れているので、一貫したブランディングが益々重要性を増してきているのです。したがって、消費者がブランドをどのように眺め、理解し、関わっているのかを深く理解することも大切です。
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