その他のリソース
毎年、3万を超える消費者製品が新発売されます。
そのうち95%が失敗に終わります。
成功する5%に入るには、どうすればよいのでしょうか。競合製品の中でひと際目立つ、売れる製品を開発するために重要なのは、製品調査です。
製品調査は、新しい製品を市場に出す前に、価値ある情報を得る目的で行う調査と定義できます。製品を作る前にユーザーインサイトを集めることで、失敗作を発売した場合に生じる時間と資金の無駄を避けるのが目標です。
たとえば、あなたのチームが継続的に顧客インサイトを確認しているとしましょう。最近、どうやら顧客基盤が変化しているらしいと思えるようなトレンドが見つかったため、顧客が実際に求めているのはどんな製品なのかを早急に調べたいと考えています。
新しい製品のアイデアは、どこから来るのでしょうか。顧客から既存製品の改善点を指摘されることもあるでしょう。あるいは、これまで解決できていなかった問題について、従業員が新たな策を思いつく場合もあります。
偶然の産物である場合もあります。電子レンジやサッカリン、ポテトチップス、アイスクリームコーンは、すべて意図せず偶然にできた製品ですが、大ヒット商品になりました。
テストしたいアイデアがあるなら、新製品調査を行って顧客に気に入ってもらえるかどうかとその理由を調べましょう。顧客の本当の欲求に焦点を当てた調査ツールがあれば便利です。
製品調査と開発は、手間のかかる仕事です。調査には2つの種類があり、どちらにもそれぞれ利点があります。
1つ目はプライマリーリサーチで、潜在的な顧客から直接データを集めます。質的調査と量的調査の2つのカテゴリーに分かれます。
質的調査では、製品の属性について調べます。顧客がなぜその製品を利用しているのかを理解するために、動機や行動について質問します。そのための方法としては、自由形式の質問を含めた製品調査アンケートや、ある種のフォーカスグループなどがあります。
典型的な質問としては、「製品Bではなく製品Aを買うのはなぜですか」、「X社の製品がY社の製品より優れている点は何ですか」、「この製品のどこが気に入っていますか。その理由も教えてください」が挙げられます。
2つ目の手法は量的調査です。量的調査では、その製品を好む(あるいは嫌う)理由だけではなく、どの程度好む(あるいは嫌う)のかを聞きます。
量的調査では、オンラインアンケートや投票、その他のソースのデータから統計を取り、製品が顧客にどれだけ気に入ってもらえるかを特定します。数値による結果や統計からは、顧客がどの程度製品を気に入っているか(あるいは気に入っていないか)がわかります。
量的製品調査では、「製品Aを購入する可能性について、1~5の間で答えてください(5は「非常に可能性が高い」)」のような質問をします。消費者が製品を購入する可能性を、客観的かつ詳細に把握できます。
プライマリーリサーチでは、モナディック法またはシークエンシャルモナディック法を使ってアンケート戦略を立てます。
モナディック法では、アンケートの回答者に新しいアイデアを1つずつ提示します。ドッグフードの新製品を4種類評価したい場合は、製品ごとに作成した短いアンケートを4つ実施することになります。そしてアンケートの結果を個別に分析し、なぜそのような評価になったのかを特定します。
ターゲット層全体をアンケートの対象にしてもいいですし、サブグループに分けてアンケートを実施することもできます。
シークエンシャルモナディック法では、1つのアンケートで回答者に4種類の製品をすべて(最低でも2種類)提示します。モナディック法と同様に、ターゲット層全体を対象に実施することも、サブグループ別に実施することもできます。回答者は、製品を比較し、違いについて考えることができます。値段とペットの健康のどちらを重視するか、特定の味を優先するか、などです。
セカンダリーリサーチでは、消費者グループに関する情報を収集します。労働局の統計データや民間企業による調査レポートといった公共のソースが、業界を理解する上で役立ちます。
また、社内の財務、会計、マーケティングといった部署も価値あるデータを持っているので、顧客とその要望について理解するために利用できます。
プライマリーリサーチとセカンダリーリサーチを通じてインサイトを得ると、顧客のニーズに合わせてアイデアに磨きをかけ、購買意欲を掻き立てる製品を実現することが可能になります。
顧客が望むものがわからない場合は、SurveyMonkeyの製品コンセプト分析を使って理想のターゲット層を対象にアイデアを検証する方法をご確認ください。
製品調査を成功させるためには、大事なポイントを忘れないよう、調査を体系的に実施する方法を確立する必要があります。
消費者を対象にテストする前に、市場を理解し、アイデアを生み出して検証し、コンセプトを明確に定義することが大切です。製品調査を行えば行うほど、優れたアイデアを台無しにしてしまう可能性が低くなります。
まず、誰が製品を購入するか、どのように使用するかを調べ、製品に対する意見を左右するその他の変数を特定します。業界や競合他社、競合製品についても全体像を把握する必要があります。
顧客について理解するところから始めましょう。バイヤーペルソナは、購入者はどんな人たちか、どんな問題を抱えているか、どんな購入習慣を持っているかを特定するための優れた手段です。
目標は、写真や名前、ライフスタイルなどで顧客像に息を吹き込み、ターゲット層のイメージを細かく定義することです。3~5種類のバイヤーペルソナを作成して、個々の顧客の人となりや、顧客が抱えている問題を詳細に描写しましょう。
たとえば、「会計士の晃さん」は製品について詳しい情報を集め、製品の安全性を確かめることを望みます。「完璧主義者の美香さん」は、外出時に映える製品を求めています。「完璧主義者の美香さん」は、外出時のおめかしに使える製品を求めています。ペルソナごとに、製品の選択に影響するような一連のニーズや特徴を設定します。
また、消費者が持つどのような問題を解決するのかも定義しましょう。時間がないのか、お金がないのか、あるいは便利さを求めているのか。競合企業の製品を購入しているのか。詳細なペルソナを作成すれば、製品や顧客の購入習慣について的を得た質問ができるようになるだけでなく、顧客マーケティングやメッセージの作成にも役立ちます。
ターゲット市場のバイヤーペルソナに加えて、競合企業や業界について理解することも大切です。
競合調査は不可欠です。市場をどのようなビッグプレーヤーがリードしているかは把握しているとしても、新しく参入した企業や勢いを伸ばしている企業も知っていますか?ソーシャルメディアはトレンドの特定に役立ち、競合製品について詳しく調べるにはネット検索が効果的です。
業界調査では、市場全体の概要を把握します。業界の規模はどのぐらいか?成長しているのか、再編が進んでいるのか、衰退しているのか?トッププレーヤーはどの企業か?新たな規制の影響で変化が見られるか?
業界の変化を理解すれば、思わぬ落とし穴にはまってしまうことも、製品・サービス・ビジネスを差別化する機会を逃してしまうこともなくなります。
新製品を発売するときは、顧客が抱えている問題を解決するような製品を出す必要があります。目標は、自社の製品が顧客の問題をどれだけ解決できるかを理解することです。
そこで大切なのがアイデアの創出です。顧客に気に入ってもらえるような製品のアイデアを生み出す必要があります。
顧客のニーズはだいたい把握していても、誰もが欲しがるようなヒット商品にするためにはアイデアにさらに磨きをかける必要があります。
最初のステップは、問題の特定です。バイヤーペルソナ、競合調査、業界調査を行うことで、解決すべき具体的な問題が浮かび上がります。
2つ目のステップは、仮説の作成です。アイデアをテストするためには、問題に対する具体的な解決策を選ぶ必要があります。製品について調査するプロセスにおいて、どんな議論があったか、どんな質問が出たかを記録しておきましょう。そこで得たインサイトが優れた仮説につながる可能性があります。
最後のステップは、仮説に具体的に対応した追加データの収集です。仮説に完全に対応したデータが集まるまで、引き続き調査が必要な場合があります。
探索的な調査の例を見てみましょう。漂白剤メーカーであるCloroxは、顧客から、洗濯機にそそぐときに漂白剤がはねて着ている服が色落ちしてしまうという苦情を受けていました。
この問題に対処するため、Cloroxは、漂白剤の粘度を高くすれば洗濯機の投入口にそそぐときにはねにくくなる、という仮説を立てました。その仮説に基づいて、「Splash-Less Clorox」(はねにくいクロロックス)という新製品を開発しました。
探索的な調査のメリットは、低コストで異なるソリューションが調べられる、柔軟な方法である点です。複数の仮説をテストしたり、新たな質問をしたりすることで、もっと深く調べたいアイデアを蓄積できます。
顧客に受けるヒット商品を生み出すためには、たくさんのアイデアが必要です。ブレインストーミングを行ってアイデアを集め、その中から最高のものを1~2つ選んでターゲット市場でテストしてみます。
たとえば、アイスクリームのフレーバーやシャンプーの香り、キャンドルの色などであれば、多数の候補が提案されるでしょう。その場合は、候補を少数に絞ってからスクリーニングします。ターゲット層に気に入られる最上位のアイデアについてすばやくフィードバックを得るためには、アンケートが効果的です。
目標は、顧客がその製品を買ってくれるかどうか、それが会社にふさわしい製品かどうかを判断することです。
会社には、その製品を製造し、流通し、販売するだけのリソースがありますか?その製品は、会社の戦略や方向性に沿っていますか?それは、会社が今後も追及していきたい市場ですか?
優れた製品アイデアであっても、組織にサポートしてもらえないのなら、別のアイデアを見つけるしかありません。
それに、その製品には市場がありますか?最初に行った調査で製品に潜在市場があると判断したかも知れませんが、この時点ではアイデアがもっと具体的になっているので、質問を調整しなければなりません。業界は成長していますか?より多くの消費者が市場に入ってくる見込みはありますか?
次に、その製品は理想的な顧客が抱えている問題を解決しますか?バイヤーペルソナを振り返り、どのような課題に直面しているか、製品がそれを解決できるかを思い出してみましょう。
どれぐらいのサイズ、どれぐらいの値段にすべきかを考えます。どんなパッケージにすべきでしょうか?どんな変数が消費者の購入動機となるのかを詳しく見てみる必要があります。
評価する製品アイデアが1つでも、複数でも、前述のようなカテゴリーにおける製品アイデアの順位をスコアカードに記録するとよいでしょう。スコアカードのように書き留めたガイドラインがあると、明確な判断を下す上で役に立ちます。以下に、SurveyMonkeyで2つの製品アイデアを比較する場合のスコアカード例をご紹介します。
コンセプトテストは、アイデアをターゲット層に評価してもらう目的で実施します。ターゲット層の消費者が、その製品が好きかどうか、買いたいかどうかを回答します。最初に調査を行ったときに比べ、より具体的なアイデア・製品・サービスを評価してもらうことができます。
コンセプトテストでは、具体的なアイデアについてフィードバックが得られます。理想的な顧客を対象にフォーカスグループやオンラインアンケートを行うことで、コンセプトに関するフィードバックを入手します。
ターゲット層の消費者が、製品がヒットするかどうかを判断します。プロダクトマネージャーの85%を始めとするコンセプトテストの利用者は、コンセプトテストは製品開発プロセスに欠かせないと考えています。
コンセプトテストは、パッケージ、価格、潜在的な売り上げ、メッセージといった要因の評価に役立ちます。ターゲット層から得られる率直な意見は、市場に出す前のコンセプトを検証する上で非常に重要です。
コンセプトテストを行うと、新製品の失敗を防ぐことができます。大企業ですら世紀の大失敗を経験しているのです。まったく売れなかったこれらの商品のうち、覚えているものはありますか?
コンセプトテストを行えば、莫大な資金を失う危機から免れられます。コンセプトテストの詳細ガイドを読んで大失敗を防ぎましょう。
コンセプトテスト究極ガイドで例やリソースをご覧ください。
製品開発プロセスが進み、理想の顧客が持つ問題を解決する製品ができあがったら、今度はそれを顧客に知らせるためのマーケティングキャンペーンを企画します。
従来のマーケティングミックスは、4つのPで構成されます。製品(Product)、価格(Price)、販売促進(Promotion)、プレースメント(Placement)です。この製品中心型のマーケティングアプローチは、製品(ブランドプロミス、品質、パッケージ)、価格(価格、割引、クーポン、支払い条件)、販売促進(経路, 在庫, ロジスティックス)、プレースメント(広告、PR、販売)から成ります。
4Pは、製品に対する顧客のニーズではなく、製品を市場化するためのニーズに焦点を当てています。そのため、一部の企業は、それとは異なる顧客中心型のアプローチを採用しています。
消費がeコマースやネットショッピングへとシフトするにつれ、企業は顧客の問題の解決に力を入れるようになりました。企業は、4つのC、つまり顧客ソリューション(Customer Solutions)、顧客コスト(Customer Cost)、利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)に焦点を当てています。顧客ソリューションは製品ではなく提供価値、顧客コストは購入・使用・廃棄から生じる総コスト、利便性はインターネットや店舗での買いやすさ、コミュニケーションは顧客と企業の直接的なやり取りを指します。
問題を解決する製品であること、買いやすい製品であること、購入者に価値を提供する製品であること、顧客と企業の間で両方向のコミュニケーションを可能にする製品であることが重要です。
製品の発売準備ができましたか?一呼吸置いて、大規模に全国展開・海外展開する前に、厳選した市場で製品を試してみましょう。
標準的なテスト市場アプローチでは、少数のテスト地域で製品を発売します。メリットは、流通の管理やデータの収集、計画に見られる問題の修正が簡単なことです。
管理されたテスト市場を使用したい場合は、ACNielsenのScantrackやInformation Resources Inc.のBehaviorScanbyといったサービスを利用して新製品を特定の店舗に配置し、売れ行きをモニタリングします。そうすることで、全国発売を開始する前に具体的なデータが集まります。また、競合他社の目に触れることもあるでしょう。
模擬市場テストでは、選ばれた消費者が製品を試し、フィードバックを提供します。このテストの場合も、外部企業に委託してテスト結果を集計してもらうことができます。
メーリングリストに含まれている人、またはソーシャルメディア広告を通じて募集した人を対象に製品をオンライン発売する方法もあります。発売を直接制御することになるため、マーケティングから流通、フルフィルメント、結果の分析まであらゆるプロセスを自社で行う必要があります。この方法では、価格やサイズ、クーポンといった変数を変更し、顧客の反応を見ることができます。
大部分の製品が失敗に終わるのには根本的な理由があります。製品の設計・製造に集中しすぎてその製品に市場が存在するのかどうかを見ていない企業が多いことです。
製品調査アンケートを実施すると、その製品を誰がどのような理由で購入するかがわかります。最初の市場調査から最後のテストに至るまで、各アンケートにより明確な指標が得られます。これらの指標を参考にすれば、ヒット商品になるか、一からやり直すべきかが判断できます。
市場調査プロセスのあらゆる段階で製品調査アンケートを行い、顧客がどんな人たちなのか、何を求めているのか、その製品を購入する意思があるかを調べましょう。アンケートからは、3種類の結果が得られます。
製品アンケートの結果はとても貴重です。新製品について、顧客の問題が解決できるような決定を下せるようになり、会社の成長に貢献できます。ただし、結果を客観的に見ることが大切です。さまざまな統計を解釈する必要があるため、統計を理解していて結果をわかりやすく説明できる人をチームに配置しましょう。
SurveyMonkeyの製品コンセプト分析で調査を最適化しましょう。
一から自分で作る必要はありません。アンケートプログラムに用意されているサンプルのテンプレートを使えば、以下のような質問を含んだアンケートが作成できます。
Audienceアンケートを行って消費者について理解し、消費者の問題が解決されるような製品、消費者が気に入って購入・使用してくれるような優れた製品を作りましょう。
新製品を発売する前に、SurveyMonkeyの製品コンセプト分析でインサイトを得ましょう。
典型的なサンプルにアンケートを送って、市場調査データを収集する
調査の専門家チームに市場調査プロジェクトをサポートしてもらう
分析やレポート作成の自動化によって、クリエイティブや製品の各コンセプトをテストする