どんな調査を実施する場合でも、統計的に有意なサンプル(標本)サイズ、つまり適切な回答者数を決めなければなりません。
でもご心配なく。サンプルサイズを決める簡単な方法をご紹介しましょう。
アンケートのサンプルサイズを簡単に計算する方法
技術的な観点からアンケートで必要な回答の数について考えるには、アンケートのサンプル(標本)サイズ(リンク先に詳しい説明があります)という概念を理解しなければなりません。ここではとりあえず、アンケートを「統計的に有意」なものにするためには特定数の回答者が必要であることを念頭に置いてください。
この数がいくつなのかを調べるには、サンプルサイズ計算を使用するか、下記の表を見て計算の仕組みを理解しましょう。
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サンプルサイズを決めるための手順には、 次のような要素が関係してきます。
1. 母集団のサイズ
これはわかりやすいですね。母集団とは、調査したいターゲット層全体を指します。たとえば「日本全国に住む成人全員」、「企業で重役を務める25~35歳の女性のうち、大学院を卒業している人」、「静岡県の住宅所有者」などです。
2. アンケート結果に求める代表性
これはちょっと説明が必要です。サンプルが母集団に近ければ近いほど、アンケート結果の代表性は高くなります。平たく言うと、静岡県の住宅所有者全員にアンケートに答えてもらえば、結果は母集団全体の意見を確実に反映します。しかし、実際に母集団全体を対象としてアンケートを実施することはまず不可能なので、結果が母集団全体の意見とは一致しないという事実を許容しなければなりません。つまり、どれだけの誤差を許容するかを考えながらアンケートを作成することになります。
この「どれだけの誤差を許容するか」を示すのが次の表です。表を見ると、許容する誤差、つまり誤差の範囲を大きく設定すれば適切なサンプルサイズが小さくなることがわかります。10%の誤差を許容できるなら、500人のうち80人に回答してもらえれば問題ありません。しかし、誤差を5%に抑えたいなら220人、3%に抑えたいなら345人に回答してもらう必要があります。
誤差の範囲を ±3%、 ±5%、 ±10%とした場合に必要な回答者数
母集団 | ±3% | ±5% | ±10% |
500 | 345 | 220 | 80 |
1,000 | 525 | 285 | 90 |
3,000 | 810 | 350 | 100 |
5,000 | 910 | 370 | 100 |
10,000 | 1,000 | 385 | 100 |
100,000 | 1,100 | 400 | 100 |
1,000,000 | 1,100 | 400 | 100 |
10,000,000 | 1,100 | 400 | 100 |
誤差をどれだけ許容できるかは、データから結論を導き出す際にどれほどの確信が必要か、そして当然ながら、どれほど重要な決定を下す必要があるかによります。大学の同期生を対象に、同窓会の会場となる店を決めるためのアンケートを行うのであれば、誤差が多少大きくても問題はありません。しかし、会社のマーケティング予算を配分するためのアンケートであれば、許容誤差を小さめに設定して確実に有効な決定を下せるようにするのが賢明です。
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サンプルサイズの例
人口1万人の町で、学校の授業時間を延長する案に賛成する人が何人いるかを調べるとしましょう。許容できる誤差の範囲は±10%に設定します。
表に従ってサンプルサイズを100人としたところ、回答者の70%が授業の延長に賛成していることがわかりました。許容誤差は10%なので、町の住人全員がアンケートに参加したなら、授業の延長に賛成する人の割合は60~80%になると考えられます。
では、10%では誤差が大きすぎる、という場合はどうでしょうか。もっと正確な結果が必要な場合、どうすればよいのでしょうか。その場合は、より多くの回答者を得なければなりません。母集団が1万人の場合、誤差を5%に抑えるためには385人の回答者が必要になります。
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アンケートの招待を何人にすべきか
表を見れば、適切なサンプルサイズがわかります。ただし、サンプルサイズとして数えられるのはアンケートに答えてくれた人であるため、適切なサンプルサイズに達するまで対象者をアンケートに招待し続ける必要があります。
たとえば、100人に回答してもらう必要があり、アンケートに招待された人のうち回答する人の割合が20%と予測されるなら、500人(回答者100人 ÷ 回答率0.20 = 招待数500)を招待しなければなりません。
回答率を予測しようにもまったく見当がつかないという場合は、とりあえず高めに設定することをお勧めします。必要であれば後から追加で対象者を招待できるからです。
サンプルサイズを決めるためのリソース
統計学の博士号を持っていなくても、便利なツールを利用して、統計的に有意なデータを得るために必要な回答者数を調べることができます。
他にもさまざまな情報が用意されています。サンプル(標本)サイズ、サンプルサイズ計算、許容誤差の計算の各ページで詳細をお読みください。
これらの情報を参考にして適切な回答者数を割り出せば、マーケティング予算の額をいくらにするか、あるいは(もっと大事な)自信を持って飲み会の場所決めができます。
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