人びとの意見や好みは時間とともに変化します。
特にビジネスの世界では、顧客と従業員が企業の成功を左右するため、この点を常に念頭に置く必要があります。
意見の変化を把握するには、先回りして継続的にチェックするに限ります。このようなアンケートの手法を、縦断調査といいます。
この記事では、顧客と従業員を対象とした縦断調査アンケートを作成する際のベストプラクティスをご紹介します。まずは、縦断調査という概念について詳しく見てみましょう。
縦断調査では、同じ対象者集団から一定期間にわたって繰り返しフィードバックを収集します。
縦断調査を実施すると、以下のようなことが可能になります。
厳密な縦断調査の実施は不可能に近いということを覚えておいてください。従業員は転職・退職することがあり、顧客は去ることがあります。しかし、同じ特徴を備えた人々の標本を対象にアンケートを続ければ、価値のある洞察を継続的に得ることができます。
縦断調査を始める前に次の点を押さえておきましょう。
(1) 目標とその達成に向けたスケジュールを決める – 調査結果を活用したい領域を考えます。決まったら、各領域の改善目標と期限についてブレインストーミングを行いましょう(具体的な例は後ほど紹介します)。
(2) アンケートの配信頻度を決める – データから良いタイミングで問題を特定し、トレンドをつかむためには、1年の間に十分な回数のアンケートを実施する必要があります。ただし、アンケートを送りすぎれば回答者との関係が悪化し、回答率の低下につながります。
残念ながら、すべてのケースに適切な送信頻度はありません。以下の経験則を考慮しながら、それぞれの状況に応じて対処していく必要があります。
プロのヒント: SurveyMonkey分析のデータトレンド機能を使えば、回答の変遷が時系列で確認できます。
(3) 質問を変えない – 初回のアンケートを配信したら、質問を編集したくなっても我慢します。たとえ小さな変更であっても回答に重大な影響を及ぼすことがあり、各回のアンケートを比較する際の信頼性が低下してしまいます。
反復アンケート機能を使ってアンケートの配信を自動化する方法を身につけましょう。
以上の縦断データ収集の基礎を押さえたうえで、まずは会社の鍵となる回答者である顧客を対象に、縦断研究のベストプラクティスを見てみましょう。
顧客から価値ある縦断データを収集するには、まず、次の点を考えます。
背景にあるのは、顧客のセグメント化(共通の特徴に基づいたグループ化)です。価値ある縦断データの収集には顧客のセグメント化が欠かせません。このひと手間によって、より適切な質問をし、詳細で実用的な回答を得ることができます。
顧客をセグメント化するために、顧客と自社の関係に影響を与える要因を特定します。
よく使用されるセグメントの例をご紹介します。
セグメントを選んだら、セグメントごとに各アンケート実施時点での目標を定めます。これによって作業の優先順位を決め、各グループが目標に到達しているか、どの程度達しているかを把握することが可能になります。
次のシナリオに沿って手順を確認してみましょう。
あなたが勤めている会社では、あらゆるタイプの中小企業を対象とした、Yelpのようなレビューサイトを運営しています。あなたの目標は、自社のプラットフォームを利用するすべての企業に利益を得てもらうことです。
あなたは、プラットフォームに店舗情報を掲載している飲食店の多くが、地図情報の提供に重きを置いているのに対し、冷暖房空調設備の会社は、見込み客からの電話での問い合わせを増やそうとしていることに気づきました。
そこで、目標が異なるこの2つの業界に対し、それぞれ別のセグメントを作成します。
次に、各セグメントに対して四半期に1回のペースでアンケートを配信し、進捗状況を把握します。得られた回答からは、あなたの取り組みの優先順位がわかるだけでなく、各業界がどのようなアドバイスを必要としているかも把握できます。
冷暖房空調設備の会社に対しては次のような質問が考えられます。
1. 次の意見にどのくらい同意しますか。「過去90日間に(あなたの会社名)のプラットフォームを経由して受けた電話での問い合わせの数に満足している。」
2. 1の回答を選んだ理由を1~2文で説明してください。
飲食店に対する質問もほぼ同様に作成しますが、1つ目の質問文にある「電話での問い合わせ」の部分を「地図情報の利用」に変えます。
従業員のやる気のなさに起因するコストは甚大です。これは、残念ながら多くの企業が実際に抱えている問題です。
Gallupによると、従業員エンゲージメントが高い企業では収益力が20%高いというデータがあります。ところが、自分の仕事にやりがいを感じている従業員は全世界でたった13%に過ぎません。
従業員エンゲージメントの推移を調査して改善に取り組むには、チーム全員から縦断データを集めましょう。縦断データがあれば対処が必要なポイントが明らかになり、時系列での従業員エンゲージメントの変化がわかり、各対策および対策全体の効果を測ることができます。
縦断研究を実施する前に、従業員の体験に影響を与え得る要因をすべて書きだしましょう。たとえば次のような要因が挙げられます。
従業員エンゲージメントは、詳細レベルと全体レベルの両方で検討する必要があります。要因ごとにエンゲージメント改善のチャンスがある一方で、縦断データの全体像を調べることで従業員の体験が望ましい方向に進んでいるかどうかが確認できます。
従業員エンゲージメントの測定は複雑であるため、質問が多岐にわたり、このような形になります。
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忘れがちなことなのですが、企業にとって重要な役割を果たすのは、生身の人間です。その意見や好み、期待の変化を予測するのは簡単なことではありません。そこで縦断データが与えてくれる情報により、顧客や従業員、ひいては自社の利益となるような行動が可能になります。
フィードバックを自分の職務や業種で活用するためのツールキットを開拓しましょう。
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