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選択回答形式の質問とはどのようなもので、どうすれば量的データが得られるのでしょうか。マストな情報、質問例、アンケート例などをご紹介します。

ノートパソコンで作業をしている女性

選択回答形式の質問は、調査に使うツールの中でも、特に長期的なトレンドを特定したいときに重要なものです。複数選択肢の質問からランク付け質問、市場調査から従業員アンケートまで、選択回答形式の質問は分析に適したデータを収集します。

ここでは、選択回答式の質問について、なぜ重要なのか、どのような種類が最も一般的か、どのように使用するかを見ていきましょう。  

選択回答形式の質問(クローズドエンド型質問、量的質問)とは、あらかじめ回答の選択肢が用意されている質問を指します。

回答の選択肢が「はい・いいえ」または「正・誤」であれ、「そう思う」から「そう思わない」までの評価スケールであれ、選択回答形式の質問にはあいまいな回答をする余地がありません。回答者は、自分の意見に最も近い回答を選ぶだけでよく、自分で回答文を考える必要がありません。

選択回答形式の質問は、統計的な傾向を見つけたいときや、回答の変化を追跡したいときによく使用されます。なぜなら、選択回答形式の質問を使うと、簡単に比較・分析できる量的データが得られるからです。

たとえば、顧客に次のような質問をしたとしましょう。

「最近カスタマーサービスを利用したときの体験を『非常に不満』から『非常に満足』までで評価してください。」 

段階的な選択肢から回答を選んでもらうため、カスタマー サービス チームの仕事ぶりを数値で測定し、それを基準値として改善を図ることができます。

市場調査を実施したいときや、顧客満足度を改善したいとき、あるいは従業員エンゲージメントを高めたいときは、選択回答形式の質問をして量的データを得る必要があります。

質問の種類の中には、選択回答形式に含まれるものが多数あり、それぞれに用途があります。 

一般的な選択回答形式を詳しく見ながら、どのようなアンケートに役立つかを考えていきましょう。

複数選択肢の質問は、選択回答形式の中でもよく使われるタイプで、回答者が用意された選択肢の中から当てはまる回答を選択します。回答者にとっては、デモグラフィック属性から意見、習慣まで、あらゆる情報を簡単に提供できる手段です。

複数選択肢の質問は、顧客に会社・製品・体験などに対する満足度を評価してもらう顧客満足度(CSAT)アンケートの基盤にすることができます。

CSATアンケートでは、複数選択肢の質問を次のように使用します。 

複数選択肢の質問

この質問形式では、数値データが得られるため、統計分析を行って製品に対する顧客の満足度を正確に把握することができます。 

スケール上に設定した選択肢から回答を選んでもらう質問を、評価スケールの質問、または順序尺度の質問といいます。評価スケールの範囲は、0~100、1~10などさまざまで、回答者はその中から自分の意見に該当する数値を選択します。

顧客体験(CX)指標は、評価スケールの質問を使って求めるのが普通です。たとえば、Net Promoter Score(NPS®)の質問では顧客のロイヤリティを、従業員Net Promoter Score(eNPS)では従業員満足度を、それぞれ評価スケールを使って測定します。

NPSアンケートでは、評価スケールの質問を次のように使用します。

NPSの選択回答形式の質問

評価スケールの質問は、NPSの計算には欠かせない質問で、これがなければスコアを算出することはできません。

リッカート尺度は、評価スケールの一種で、回答者の意見や意識、モチベーションなどを測るのに使用します。おそらく、「次の文にどの程度同意しますか」という質問を目にしたことがあるでしょう。これもリッカート尺度の質問です。

たとえば、従業員フィードバックアンケートでは、次のような文に同意するかどうかを質問します。 

評価スケールの質問から得た量的データは、人事担当者による従業員体験の理解やデータに基づいた改善に役立ちます。

マトリックス形式の質問では、同じ回答の選択肢を使って、関連のある複数の質問に続けて答えてもらいます。マトリックス形式の質問には、リッカート尺度または評価スケールがよく使用されます。 

マトリックス形式の質問は、質問を連結して大量のデータを得ることができるため、市場調査に適しています。ただし、マトリックスが複雑になりすぎないよう、長くなりすぎないよう注意が必要です。

市場調査アンケートでは、マトリックス形式の質問を次のように使用します。

マトリックス形式

ドロップダウンの質問は、回答の選択肢をスクロール式で表示するため、回答者を圧倒することなく多数の選択肢を提供できる、シンプルで効果的な形式です。たとえば、あなたがマーケターで、調査対象である消費者の居住地を知りたいとします。選択肢として全都道府県をリストする代わりにドロップダウンを使えば、アンケートの貴重なスペースを大幅に節約できます。 

実際に、生まれた年や国籍、最終学歴といったデモグラフィック情報を聞く場面でドロップダウンの質問がよく使われています。例を見てみましょう。

ドロップダウンの質問

デモグラフィック情報では、ほとんどのアンケートは、デモグラフィック質問を使ってデモグラフィックセグメンテーション用の情報を収集しています。デモグラフィック質問を使うと、性別や人種・民族、所得、結婚歴に関する情報を集め、それに基づいてデータをフィルタリングすることが可能になります。 

デモグラフィック質問は、特定の集団に見られる嗜好や行動を特定したいときに役立ちます。たとえば、30歳以下の女性が製品を気に入っているか、独身の利用者はブランドを友人に薦める可能性が高いか、などです。また、デモグラフィック情報を利用して今後のアンケートのターゲットを絞れば、回答率の向上につながります。

デモグラフィック質問は、次のような形で使用します。

デモグラフィック質問

ランク付けの質問では、回答者に複数の選択肢を提示し、ドラッグ&ドロップ形式で好きな順、重要な順などに並べてもらいます。これにより、回答者がそれぞれの選択肢についてどう思っているか、相対的にどう位置付けているかがわかり、重要度を示す貴重なデータが得られます。 

たとえば、マーケティング部のイベントチームで会議を企画している場合、ランク付けの質問を使って参加者の要望を調べることができます。

次の項目を会議体験に重要な順に並べてください。 

  • ネットワーキングの機会
  • ワークショップや体験型学習
  • 業界のリーダーとの質疑応答
  • 短いセッション形式
  • 登録料が無料

画像選択式の質問では、回答の選択肢に画像を使用します。ビジュアルが消費者にとって魅力的かどうかを知りたいときに特に有効な形式です。

市場調査の分野では、たとえばロゴ デザイン テストや、パッケージテスト広告テストなどで画像選択式の質問が欠かせません。

以下は、画像選択式の質問の例です。

画像選択式の質問

クリックマップ質問は、画像選択式の1種ですが、画像だけでなくコンテキストやデータも提示します。この質問は、一般に、消費者の目が商品棚やオンライン広告のどこに向かうかなど、ビジュアルの要素や部分について調べたいときに使います。

以下は、クリックマップ質問の例です。

クリックマップ質問

クリックマップ質問の結果からは、パッケージのどの部分が最も気に入られるかを把握できます。

スライダー質問は、評価スケール質問の一種で、スライダーを使って回答を選んでもらいます。インタラクティブな質問なので、単調(で反復的)な複数選択式の質問が続くアンケートでは良い気分転換になります。

以下は、スライダー質問の例です。

スライダー質問

選択回答形式の質問と自由回答形式の質問の違いは、回答の選択肢があらかじめ用意されているか、回答者がテキストボックスに自由に文章を書きこむか、という点です。    

自由回答形式の利点は、詳しいフィードバックが得られること、回答者がサービス・製品・体験について自分なりの意見を書き込めることです。

また、顧客にとっては重要なのに、会社側が気づいていなかったような要素が明らかになることもあり、それを参考にして選択回答式の質問を作成することが可能になります。 

しかし、自由回答形式の質問は、量的データのように簡単には分析できません。統計的に有意な結果を得るためには、選択回答式の質問が必要になります。

選択回答形式と自由回答形式の特徴を簡単にまとめてみましょう。

選択回答形式の質問

一般には、選択回答形式と自由回答形式を組み合わせるのが賢明です。そうすれば、量的データとその文脈・背景の両方が得られるからです。しかし、選択回答形式の質問を重点的に使うべき場面もあります。 

ここで、選択回答形式を多く使うべき状況をいくつか挙げてみましょう。 

自由回答形式の質問は、データの裏にある「なぜ」を理解するのに有効ですが、回答の分析に相当な時間がかかります。感情分析を行えば、回答者の言葉の裏にある感情を分類することはできますが、詳細を調べるために自由回答に目を通したいという人も多いでしょう。そうなると、特に標本サイズが大きい場合は、かなり大変な作業になります。

回答者の数が多い場合は、できるだけ選択回答形式を利用するのが効率的です。データ分析ツールを使って回答を分析し、有用な数値データが得られるためです。  

自由回答形式の質問は、分析に時間がかかるだけではありません。回答者側にとっても、自分の体験や意見について考えを巡らし、文章にしなければならないため、労力のかかる質問と言えます。それに比べて、選択回答式であるリッカート尺度の質問などは、評価をクリックするだけで済むという手軽さがあります。 

アンケートを作成する側は、常に回答者の負担を最小限に抑えるよう努力することが大切です。選択回答形式は、短時間で回答できるため、高い回答率を達成するうえで有効です。自由回答形式の質問が必要な場合は、選択回答形式の質問を挟むようにすれば、考える時間が延々と続くような印象を与えずに済みます。 

選択回答形式の質問からは、統計分析に必要な数値データが得られます。簡単に言えば、指標が必要なときは選択回答形式を使う、ということです。 

たとえば、会社が顧客体験の改善に取り組もうとしているなら、NPSアンケートを実施します。前に述べたように、NPSは、選択回答形式の質問を1つするだけで特定できます。

「この会社を友人や同僚に薦める可能性は、0~10段階でどの程度ですか。」 

NPSの計算に使う単純な数式は、自由回答には適用できません。質的データは、数式では処理できないからです。もう1つの重要なビジネス指標であり、カスタマージャーニーにある摩擦を示すカスタマー エフォート スコアについても同様です。

選択回答形式で得たデータは、次のような統計分析に使用できます。

  • クラスター分析: グループを、相互の関連性に基づいてクラスターにまとめる統計手法です。 
  • 相関分析: 2つの変数の関係の強さを測定します。
  • 仮説検定: 企業が顧客対応業務に変更を加える際に、変更前と変更後で選択回答形式の質問に生じる変化を追跡します。 
  • 回帰分析: 異なる変数間の関係を推定します。
  • 生存分析: 選択回答形式のデータに基づいて顧客離脱率を特定します。

データ収集のスピードが重要なら、選択回答形式が適切です。回答に数秒しかかからないため、高い完了率が期待できます。 

特にクイックオンライン投票には、短くて具体的な選択回答形式の質問が有効です。顧客を対象としたウェビナーや従業員とのミーティングで投票を行えば、参加者の集中力を持続させ、リアルタイムのインサイトを得ることができます。また、次回のチーム ビルディング セッションに備えてアクティビティのリストを提示し、投票してもらうのも得策です。即座にデータが得られるので、すばやく計画が立てられます。

  • 選択回答形式と自由回答形式の主な違いは何ですか。
  • 選択回答形式は量的ですか、質的ですか。
  • 1つのアンケートで選択回答形式と自由回答形式の両方を使うことはできますか。
  • 選択回答形式の質問の作成方法を教えてください。

データを集めるときは、回答者に過度な負担を与えずに適切な質問をする必要があります。特に、最終的な目標が統計分析である場合は、選択回答形式が最適です。 

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Net Promoter、Net Promoter Score、NPSは、Satmetrix Systems, Inc.、Bain & Company Inc.、Fred Reichheldの登録商標です。

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