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購入意思のデータは、ビジネスのあらゆる分野全体で効率的な判断を支えます。たとえば、顧客が近い将来に購入する意思を持っているかどうかがだいたいわかれば、在庫量を計算して無駄を最小限に抑え、コストを最適化できます。顧客調査によって購入意欲を効果的に刺激しましょう。
また、セールス担当者は、セールスの対象を絞れます。購入意思のない顧客を相手にセールス活動を行っても、なかなか取引にはつながりません。
このように、購入意思はマーケティング分野において重要な意味を持つ情報です。この記事では、購入意思とは何かを探って、購入意思を形成する要因やアンケートを使って購入意思を測定する方法を見ていきます。
購入意思(または購買意思)とは、顧客が今後6ヶ月または12ヶ月の間にあなたの製品・サービスをどの程度買いたいと思っているか、買うつもりでいるかを示します。
購入意思が意味することを、例を挙げて解説してみましょう。ある顧客が、新しいソファを買おうかなと考え始めます。その考えがいつ意思に変化するかは、顧客がカスタマージャーニーのどの段階にいるかによって異なります。次の各段階をご覧ください。
段階1:意識またはニーズの認識
ジャーニーの意識の段階では、顧客が特定の製品を購入する必要性を意識します。たとえば、今使っているソファが古めかしく見え始めた、部屋のデザインに合わなくなった、壊れてしまった、などです。顧客はこの段階で新しいソファを買う必要性を認識しますが、その認識が必ずしもすぐに購入意思に変化するわけではありません。なぜなら、ネットで検索したりカタログを取り寄せたりして、事前にいろいろと調べる必要があるからです。
段階2:興味または調査
消費者の購入ジャーニーの第2段階は、調査です。この時点で、消費者は市場にどのような製品・サービスが出ているかを調べて、各製品の情報を集めて決断に備えます。顧客はさまざまな情報源を持っています。ソファの例で言えば、顧客は家具店のWebサイトを訪問、カタログを注文、または友人や家族にどこでソファを買ったかを尋ねます。顧客の購入意思はまだそれほど強くなく、どの業者から購入するかは決まっていません。顧客がジャーニーのこの段階にあるかどうかを知ることは、宣伝やブランド認知度を改善する取り組みなどのマーケティング活動の参考になります。
段階3:欲求
購入を決定するための情報が十分に集まったところで、消費者は市販されているさまざまな製品を比較します。この段階で購入意思が固まってくるため、あなたが知りたいことはあなたの製品が競争優位性を発揮して検討の対象に含まれているかどうかです。
段階4:行動
カスタマージャーニーの最終段階では、顧客がすぐに、あるいは少し時間が経ってから、実際に製品を購入して消費します。しかし、調査から消費者の計画と実際の行動に差がある場合があることもわかっています。たとえば、ユニット式のソファを買うことに決めていたのに、店舗に足を運んでみたら気が変わった、という場合などです。そのため、この段階ではいくら払うつもりでいるかなど、購入意思に関する具体的な情報をできるだけ多く集めることが大切です。このような情報は、顧客のニーズに応じるうえで役立ちます。
このように購入意思は意外に複雑なもので、カスタマージャーニーには購入意思を変化させるターニングポイントが多数あります。製品について大まかに調べる段階から、特定の製品の口コミを調べる段階などを経てようやく購入に至ります。顧客のニーズに応えるためには、顧客がジャーニーのどの段階にいるかを知ることが不可欠です。
では、購入意思を形成するその他の要因を見てみましょう。
購入意思に影響する要因には、次のようなものがあります。
商品の中には、特定の季節によく売れるものがあります。しかし、よく売れる季節がすぐにはわからない商品もあるため、季節性が購入意思に影響しているかどうかを顧客の行動から特定する必要があります。たとえばレインブーツの場合は、雨の季節になってから買う人もいれば値段が安いオフシーズンに買う人もいます。
これは購入意思のキードライバーです。心に留めておく必要があるのは、顧客ロイヤルティの低い、満足していない顧客は他の業者から購入しようと考えることです。この後、顧客満足度アンケートによって顧客が既存の製品やブランド全体にどの程度満足しているかを把握する方法をご紹介します。また、詳細な市場調査ガイドにも詳細があります。
製品・サービスによっては、顧客デモグラフィックスが購入意思を左右する場合があります。たとえば、特定の所得層の顧客が製品をより頻繁に購入する、などです。購入意思に関するデータを集める際は顧客デモグラフィックスのさまざまな指標を同時に集めて、異なる顧客セグメントを比較できるようにしましょう。
広告は売上げを伸ばす目的で設計されるため、当然ながら購入意思に(願わくは)ポジティブな影響を与えるはずです。ブランディングを含む広告の取り組みとそれが購入意思に与える影響を評価する方法については、ブランド追跡アンケートに関する最近の記事をお読みください。
顧客がジャーニーの調査段階にある場合は、ブランド認知度の向上がカギを握ります。しかし、すでに購入意思のある顧客なら、費用対効果を考慮して、割引やクーポンなどが実際に購入するきっかけとなる可能性があります。そこで、購入意思の強さを測るうえで役立つアンケートを見てみましょう。
ブランド追跡アンケートは、購入意思の特定に一役も二役も買います。なぜなら、ブランド追跡アンケートによって、ブランド認知度、ブランドの利用度と消費量、ブランドの評判やイメージといったブランド健全性のさまざまな側面を同時に観察できるからです。顧客があなたのブランドに対してポジティブなイメージを持っている場合、実際にあなたの商品を購入する可能性は高まります。ただし、これらの側面は絶えず変化しているため、ブランド健全性の変化を継続的に追跡することが大切です。ブランドマーケティングを成功させましょう。
製品テストアンケートは、購入意思に関する顧客からのフィードバックやインサイトを集めるのに役立ちます。たとえば、一部の家具店は顧客に試用期間を提供していて、顧客は自宅で家具を数週間から数ヶ月もテストできます。これによって、顧客が満足する可能性(顧客満足度については後ほど詳述します)と顧客のニーズが満たされる可能性が高まります。あなたの製品・サービスをテストしている顧客から製品テストアンケートを通じてフィードバックをもらえば、実際に製品の購入に至るかどうかを的確に予想できます。
マーケティングファネルでよく見落とされがちな側面が、ロイヤリティ面の仕上げです。忠誠心の高い顧客は新規顧客より多くのお金を費やすことを忘れないようにしましょう。つまり、忠誠心の高い顧客の購入意思を理解することが重要なのです。最初に顧客満足度アンケートを実施しましょう。顧客が製品・サービスに満足しているかどうかを把握すれば、その顧客のリピート購入につながる可能性を推定できます。また状況を俯瞰的に見るために、競合他社の顧客を対象に顧客満足度アンケートを行うこともご検討ください。ライバル企業に満足していない顧客は、あなたの製品に対して購入意思を持つ可能性があります。
ご存じのとおり、広告費用はどんどんかさんでいきます。そのため、広告の効果に関するデータを集めて費用を有効に使う必要があります。広告テストアンケートは、広告のパフォーマンスを特定して、顧客に共感してもらえるメッセージ、購入意思に影響するメッセージはどれかを調べるのに役立ちます。広告に資本投入する前に、顧客グループを対象にいくつかのメッセージをテストしてどれが効果的かを調べれば、購入意思を促進するような広告キャンペーンを企画できます。年齢、性別、職業といったデモグラフィックスの点で消費者層を反映した回答者グループを選びましょう。そして、広告キャンペーンが終了したらブランド追跡アンケートで効果を測定します。
購入意思の測定には、いろいろな種類の質問が使えます。質問の形式によって得られる情報の種類が異なるため、購入意思アンケートの目的を考慮して質問を選ぶようにしましょう。ここでは参考となる例をご紹介します。
リッカート尺度の質問は意見や感情の測定に用いれるので、製品・サービスに対する消費者の感想を聞き出すのに役立ちます。たとえば、ターゲット層の消費者が製品を購入する可能性を測定したいなら、回答者に次のような文を提示して同意の度合いを答えてもらいます。
文:新しいソファを今後12ヶ月の間に買うつもりだ
評価スケール質問では、回答者に0~10の数値スケールなどによって意思を評価してもらいます。たとえば、アンケートの回答者に競合他社ではなくあなたの会社の製品・サービスを選ぶ可能性について聞けば、競合製品と比較した相対的な購入意思を測定できます。
ランク付けの質問は、製品・サービスの人気を測定するのに役立ちます。購入ジャーニーの初期の段階にいる顧客を対象に実施すると、競合他社と比較した場合のブランドの立ち位置や特定のカテゴリの顧客にとってどの製品ラインが魅力的かを把握できるため、特に効果的です。
ランク付けの質問の例
次のソファブランドを好きな順にランク付けしてください。
複数のソファブランドを回答の選択肢にして、顧客にランク付けしてもらいます。あなたのブランドのスコアが低い場合は、ブランド健全性の改善に取り組む必要があります。
複数選択肢の質問は最も広く使われている質問形式で、回答者にとって答えやすいだけでなく実施する側にとってもデータを集めやすいというメリットがあります。回答者に一連の選択肢が提示されるため、負担が軽減されて回答時間の短縮につながります。複数選択肢の質問によって顧客がどのようなスパンで購入を予定しているかを特定できるため、売上げや需要の予測に役立ちます。たとえば、次のように質問します。
質問:新しいソファをいつ頃買う予定でいますか。
この質問から得た情報を参考にすれば、営業部門は購入を間近に予定している顧客をセールスの対象にして、購入が不確実な顧客や当面購入を予定していない顧客を対象から外せます。
また複数選択肢の質問は、今後の購入額を見積もって収益を予想する際に活躍します。それには、次のような質問をします。
質問:新しいソファにかける予算を教えてください。
これは、マーケティングの取り組みをどの製品に集中させるかを決めるうえで役立つ情報です。たとえば、顧客の多くが10万円以下のソファを検討している場合は、その価格帯の製品でプロモーションやマーケティングを強化するのが有効です。
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