ロジック機能。気になっていたけどイマイチよく分からない?
アンケート設計にロジック機能を取り入れると、回答時の表示順序や回答者の体験をもっと自由にコントロールできるようになります。これにより、回答者に合わせてパーソナライズされた、よりスムーズに回答できるアンケートができるだけでなく、得られるデータの質が向上するというメリットも。回答者への関連性と回答のしやすさを高められるので、すべての質問に完答して、必要なインサイトを的確に提供してもらえる可能性が高まります。
アンケートのロジックについて初めて知る方にも、ちょっと復習してみたい方にも分かりやすいように、SurveyMonkeyの有料プランで人気のロジック機能5つをご紹介します。ロジック機能が優れている理由と、アンケートを微調整するための活用方法についてご覧ください。
質問のスキップロジック
パーティーに出席して、初めて紹介された人に「お仕事は何をされていますか?」と尋ねられたとしましょう。あなたは「今は仕事をしていないのです」と答えたのですが、相手はすぐさま、フルタイムで働いている人にしか当てはまらないような質問を矢継ぎ早に訊いてきます。これでは返事を無視されたように感じ、イライラしてくることでしょう。すぐにでも会話を終えたくなるかもしれません。
アンケートも、うまく設計しなければこのようにネガティブな感情を呼び起こし、すぐに放棄されてしまいます。回答者が、特に自分自身についてやどのように感じているかを答えた後にもかかわらず、自分と関係のない質問をされた場合、アンケートを中断することは少なくありません。たとえ中断せずに回答を続けた場合でも、回答者のモチベーションは下がり、適切な情報を尋ねていないため、有用なインサイトは得られないでしょう。
質問のスキップロジックを使用すると、選択回答形式の質問への回答に基づいて、特定のページや別のページの特定の質問に回答者をスキップさせることができます。たとえば、さまざまな業界の従業員体験に関するアンケートで、前述のパーティーのゲストと似たような質問があったとします。このアンケートに質問のスキップロジックを取り入れると、現在フルタイムで働いている回答者は、現在の経験について尋ねるフォローアップ質問にスキップさせることができます。そして、現在仕事をしていない回答者に対しては、前職について質問したり、従業員の経験についてもっと一般的な質問をしたりするようにスキップロジックを適用することができるのです。
スキップロジックがアンケートの回答を改善することは実証されており、これは質問のスキップロジックでもページのスキップロジックでも同様です。どちらもアンケート経路を回答者ごとにパーソナライズし、自分に関連する質問のみが表示されるようになるからです。回答者によってはアンケートの最後までスキップするショートカットが必要かもしれませんし、それ以外の場合にはもっと長いルートが必要になります。いずれの場合でも、回答者にとって筋が通った内容で、かつ時間を有効に活用できるアンケートになります。
質問のスキップロジックの詳細を知りたい場合は、こちらのビデオをご覧ください。
高度な分岐
質問のスキップロジックで作成できるカスタムのアンケート経路についてはご存知ですよね。高度な分岐を使うと、これをさらに細かくカスタマイズできます。
たとえば、美容院の経営者が来店者に、常連客なのか、ときどき来店する客なのか、初めての客なのかを尋ねる顧客アンケートを作成したとします。高度な分岐を使うと、この質問に対する回答に応じて異なるページを表示したり、一部のページを非表示にしたりすることができるようになります。常連客は新規の顧客とは違うページに移動し、よく利用する顧客向けの質問が表示されるようになるのです。
この経営者が、新しい予約システムの導入後に利用しやすくなったかどうかを知りたい場合には、一連の質問に特定の回答をした回答者を対象外にするか、顧客のメールアドレスを使用して最近初めて来店した顧客が新旧のシステムを比較する質問をスキップするように設定できます。
高度な分岐を使用するには、ある程度計画性が必要で、アンケートの設計を完成させた後に適用するのが一番ですが、データの質にも回答者の体験にも素晴らしい影響を与えることができます。
高度な分岐の詳細を知りたい場合は、こちらのビデオをご覧ください。
不適格ロジック
すでに何度か説明に出てきたように、各回答者に関連性のある質問だけを表示することは重要です。このための優れた、かつ不可欠な基盤になるのが、対象者でない人を除外するロジック、不適格ロジックです。
不適格ロジックを使用すると、特定の回答選択肢を選んだ回答者を対象外にするように質問を設定できます。そうすれば、対象基準を満たさなかった回答者や、規約に同意しなかった回答者からの回答が混ざった結果をふるいにかける手間が省けます(注: SurveyMonkey Audienceを通じて回答を購入する場合、不適格ロジックの仕組みが多少異なります)。
不適格ロジックは、質問のスキップロジックの一種とも言えます。違うのは、質問への回答に基づいて回答者を異なる質問やページに誘導する代わりに、アンケート自体を終了する点です。たとえば、犬の飼い主にアンケートを送信したいと思っているペット用品会社のマーケティング担当者をイメージしてください。アンケートの最初に、現在犬を飼っているかどうかを尋ねる「はい/いいえ」タイプの質問を入れ、「いいえ」と答えた回答者を対象外ページに誘導する質問のスキップロジックを追加します(今は犬を飼っていないが犬好き、という人にもアプローチしたい場合は、「いいえ」と答えた回答者を、犬を飼ったことがあるかどうかを尋ねるページにスキップさせることができます)。
対象外の回答者には、設定した標準のアンケート終了ページか、カスタムの対象外メッセージを表示できるほか、希望するURLに誘導することも可能です。URLに誘導する方法だと、よりパーソナルなカスタマイズができ、会社や製品、サービスについて回答者にもっとよく知ってもらうのに便利です。
不適格ロジックの詳細を知りたい場合は、手順と専門家からのヒントをご覧ください。
カスタム変数
カスタム変数は、アンケートのWebリンクコレクターのURL末尾に追加できるパラメータ(クエリ文字列とも呼ばれる)で、主要なデータをアンケート結果に送る機能があります。アンケートの隠れた質問のようなもので、後で結果をセグメント化、フィルタリング、分析するときに役立ちます。
カスタム変数は柔軟性に優れているのでとても便利です。キャンペーンの追跡やWeb分析に最適で、CRMデータを最大限に活用する上でも力になります。たとえば、商品購入後の消費者アンケートの改善を模索している会社なら、製品IDと購入日のカスタム変数を作成してみてはどうでしょう。結果を分析する際にこれらの変数のフィルターを作成し、特定の購入体験について理解を深めることができます。さらに、これらの変数を一度設定すると、同じアンケートを一定期間繰り返し実施して、購買体験がどのように改善されてきたか(または改善されていないか)について独自のデータを収集することもできます。
カスタム変数を使用すると、すでに手元にある情報を回答者が入力する手間がなくなり、分析も簡単になります。たとえば、8名の社員で構成された社内対策チームが最近、顧客に影響を与えるWebサイトの不具合に対応したので、簡単な事後アンケートをチームに実施したいとします。このような場合には、従業員の氏名や所属部門、役職などの情報があるので、これに基づいてカスタム変数を作成できます。
そうすると、回答者は自分で情報を入力する手間が省けます。また、分析する段階では、すべての回答データをXLSまたはSPSS形式でエクスポートしてダウンロードし、各回答とペアになったカスタム変数を確認することができるようになります。そして集まったこの1問アンケートの結果は、スプレッドシートで以下のように表示されます。
問題の対処に必要なチームのリソースは十分そろっていた | 名前 | 部署 | タイトル |
同意する | ロビン | 顧客管理 | 副部長 |
強く賛成 | フリオ | 企業広報 | 部門長 |
反対 | モーガン | IT | 課長 |
カスタム変数の詳細を知りたい場合は、手順と専門家からのヒントをご覧ください。
回答の先送り
フォローアップ質問の方法を洗練させたい場合には、回答の先送りを使って前の質問への回答を「記憶」し、それらの回答に関連するフォローアップ質問をすることができます。
たとえば、配車サービスを提供している会社が、市場調査アンケートを実施しようとしています。回答者が聞いたこともない配車サービス会社について質問を繰り返しても、回答者にもあなたのデータにも何のプラスにもなりませんよね。そこで、回答者がよく知っている配車サービス会社を尋ね(複数回答が可能な複数選択肢の質問を使用)、回答選択肢を後の質問に再利用することで、選択した会社についてより具体的な質問をすることができます。この方法で、回答者の配車サービスの好みや競合他社に対する認識などについて、必要なインサイトが得られる可能性が高まります。
回答の先送りを使用して、回答者が選択しなかった回答選択肢を除外するにしても、選択した回答を後で再利用するにしても、一般的な質問から、調査に役立つ具体的な質問へと進めることができ、答えてもらった内容に注目していることを回答者に示すことができるのです。
回答の先送りの詳細を知りたい場合は、手順と専門家からのヒントをご覧ください。
以上でご紹介した機能が示すように、ロジックはアンケートの設計を改善し、包括的なアンケート体験を構築して、より細かなデータを収集することのできる非常に効果的な方法です。ぜひ次回のアンケートプロジェクトで試して、結果の違いをご自身の目で確認してみてください。