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質的調査と量的調査の主な違いと、使用するタイミングを学びましょう。

ノートパソコンに向かう女性と星5つのマーク


質的調査と量的調査の手法の違いについて、どの程度ご存じですか。

たとえば、次のような選択肢から回答者が選ぶ質問があります。

  • 非常に詳しい
  • まあまあ詳しい
  • あまり詳しくない
    ...この場合、回答者は量的データ、すなわち測定可能で数値化できるデータを提供するので、「量的調査」と呼ばれます。

これに対し、回答者が自分の言葉で説明する場合は、記述的で測定不可能な質的データを集める「質的調査」になります。

では、どちらの方が便利でしょう?それは、調査の目標と必要なデータによって異なります。

この記事でそれぞれの違いと長所を知り、互いの短所を補い合うために組み合わせて使う裏技をマスターしましょう。

質的調査は、調査者が人々の行動、意欲、感情を理解することを目的とした、直接観察の一種です。質的調査で最も一般的な形式は、インタビュー、フォーカスグループ、そして記述式の回答を求めるアンケートです。

  • 質的調査の参加者(回答者)は、記述式のアンケート質問のように、自分で回答を記述します。フォーカスグループやインタビューでは、参加者が質問に対して口頭で回答することがあります。収集する質的データは、ほとんどの場合、数字ではなく語や文章です。
  • 調査者は、1対1のインタビューやフォーカスグループを何度も実施することができます。一度に少人数の意見にフォーカスするため、データセットは小さくなる傾向があります。
  • 質的データはワードクラウドを使って、文字の大きさの違いによって特定の傾向を強調し、視覚化することができます。また、参加者のインパクトのある回答や鋭い意見を強調表示することも可能です。
  • 質的データは主観的です。つまり、個々の考え、感情、判断であり、母集団全体に一般化することはできません。

一方の量的調査は、調査者が測定し、予測し、仮説を検証することに重点を置いたデータ収集方法です。量的調査で最も一般的な形式は、アンケート、実験、検査、データ分析です。

  • アンケート回答者は、事前に用意された回答選択肢、すなわち選択回答形式の選択肢から選びます。そして調査者は、回答に数値を割り当てたり、割合を確認したりできます。
  • 実験や研究を行う場合は、定期的に何度も参加者を観察することがあります。収集する量的データは、数値または測定可能な形になります。
  • 数値データを収集するので、グラフや表を簡単に作成できます。また、データトレンドを追跡したり、数値を絞り込んだり比較したりして分析することも可能です。
  • 総合的に見て、量的データは客観的で、特定の種類のバイアスや個人的な感情の影響を受けにくい特長があります。

新製品を開発するための市場調査を行おうと思っています。質的調査、量的調査のどちらを行えばよいでしょう。これは、調査目標と利用できるリソースによって変わってきます。判断材料として、量的調査と質的調査両方の長所と短所をまとめました。

調査の種類長所短所
質的
(インタビュー、フォーカスグループ、記述式のアンケート質問)
- 調査者がフォローアップの質問をし、回答の内容を明確にすることができる
- Webサイトへの訪問や商品の返品などのパフォーマンス指標の背景が明らかになる
- 主観的な洞察を捉えて、他にはない視点、新しいアイデアやテーマの発見につながる
- 企業風土や満たされていないニーズなど、無形の概念を理解しやすくなる
- 文字ベースのデータのため、分析に手間がかかる場合がある
- 費用や時間がかかる場合がある
- 統計的に有意な結果を得る標本サイズが集まりにくい
- 母集団全体のニーズを反映する結果が出ないリスクがある
量的
(回答選択肢が予め提示されるアンケート、調査、実験、データ分析)
- 分析用の数値と統計データが得られる
- 大規模な標本サイズから導き出した結果を一般化できる
- データをベンチマーク比較し、長期的に指標を追跡できる
- 簡単に費用対効果を高め、規模を変更しやすい
- アンケートなど、特定の量的調査のタイプで時間とコストを節約できる 
- データの背後にある理由は把握できない
- 細心の注意を払って計画された量的調査でも、サンプリングバイアスが発生する可能性がある
- 大規模で長期に渡る調査の場合、完了に何年もかかり、費用もかかる

量的データと質的データには異なる特徴があるため、両方の欠点を補うために併用することができます。調査テーマの包括的な理解を促進する、調査手法の組み合わせ方をご紹介します。

  • 混合研究法(Mixed methods research)は、調査者が一次資料調査で質的質問と量的質問を併用する方法です。
  • 両方の種類の調査を組み合わせることによって、まずは量的質問で「何(what)」や数値が得られ、それを使って容易に測定したりトレンドを追跡したりすることができます。そして次に質的質問を投げかけることで、量的データの背景や「なぜ(why)」を理解することができます。
  • たとえば、1年以上に渡って毎月同じ顧客にアンケートを送信するという縦断調査を実施する場合、調査の終盤でその顧客の中から数人にインタビューを実施して、アンケートの回答の理由をさらに深く掘り下げることができます。

混合研究を実施するのに特に便利なツールがアンケートです。アンケートの場合、作成時に自由回答形式の質問と選択回答形式の質問を入れるだけで、インサイトを一気に深めることができます。以下にご紹介する方法で、質的調査と量的調査の違いをうまく活用しましょう。

従業員エンゲージメントや顧客ロイヤリティーを測定するときには、恐らくNet Promoter ScoreⓇ(NPS)をご利用だと思います。まだ使用したことがない場合は、ぜひ調査に加えることを検討してみてください。なぜなら、NPSは業界標準で、世界中の多くの組織がパフォーマンスの追跡に使用しているからです。

NPSの「友人や同僚にこの製品を薦める可能性はありますか」という質問は、量的データを得る質問です。

NPSアンケートの質問例

ある月のNPSが70で、翌月のスコアは60だったとします。このようにNPSをベンチマーク比較し、追跡していると、対処しなければならない問題が発生していることがすぐにわかります。ただ、どこから手をつければよいのでしょう。そこで混合研究法の本領発揮です。アンケートロジックを使用して、NPSで低い評価をした顧客に理由を説明してもらいましょう。

自由回答形式の質問例

アンケートの評価スケールには、星やスマイリーなど多様な種類があります。記号に限らず言葉を使った尺度も設定できるので、回答者の同意の程度、満足度、その他どんなことでも程度を選択することができます。

たとえ回答選択肢の内容が主観的なものであっても、結果は量的データとしてグラフ化したり、追跡や分析をすることができます。SurveyMonkeyの従業員満足度アンケートテンプレートの例を見てみましょう。

従業員満足度アンケート

「そう思う」や「そう思わない」は主観的な意見です。しかし、これらの回答選択肢は割合や数字に変換することができます。たとえば、アンケート回答者の59%が「職場文化に満足している」と答えているとします。

この数字は現状の一部しか説明していません。そこで、自由回答形式の質問を使って背景を明らかにすることができます。たとえば、59%という数字に喜んで良いのか、危機意識を持つべきなのかわかりますか?もし前年と比較して上がっているなら喜ぶべきことでしょう。では、上がった理由は?

「職場での体験について説明してください」といった質問をして、具体的な内容を入力してもらいましょう。この回答によって、取るべき対策が変わってくるかもしれません。

  • 調査の対象者数である標本サイズを慎重に検討します。これによって、調査で明らかになった結論を、自信を持って調査対象の母集団全体に一般化できるかどうかを判断しやすくなります。
  • テキスト分析など、質的データを視覚化して解釈するのに役立つソフトウェアツールを使用します。
  • 量的手法を効果的に使用していることを確認します。たとえば、ターゲット市場の購買慣習を理解したい場合は、忘れずにデモグラフィック質問を入れます。多様性のある母集団なら、各デモグラフィック集団の回答にどのような差があるのかをさらに深く分析することができます。
  • 結果の質は、質問の質に大きく依存することを忘れないでください。まず最初に、効果的な質問の作成方法を押さえましょう。バイアスのない明確な質問を作成して提示することで、信頼性の高いデータを得ることができます。専門家が作成した、カスタマイズ可能なアンケートの質問とテンプレートを活用すると、作業時間も大幅に短縮できます。

尋ねるべき質問と、得られた回答を理解する方法を学びましょう。アンケートテンプレートと各種機能を使えば、成功はすぐそこです。

SurveyMonkeyの顧客満足度アンケートテンプレートか、こちらの例をご覧ください。

全体的に、弊社に対する満足度はいかがですか?

  • とても満足
  • やや満足
  • 満足もしていないし不満でもない
  • やや不満
  • とても不満

弊社の製品について、最も適切に説明されている言葉はどれですか。当てはまるものをすべて選んでください。

  • 信頼できる
  • 高品質
  • 便利
  • オリジナリティー
  • コストパフォーマンスが良い
  • 価格が高すぎる
  • 実用的でない
  • 効果がない
  • 質が悪い
  • 信頼できない

質問や懸念を解消するまでの時間はどの程度かかりましたか。

  • 予想よりずっと早く解消した
  • 予想より早く着解消した
  • 予想通りだった
  • 思ったよりかかった
  • 思ったよりずっとかかった
  • 他にご意見やご質問、お困り事はありますか?
  • 会社のどんなところが変われば、もっと高く評価してもらえるようになりますか?
  • 当社のWebサイトについて、改善すべき点があればご記入ください。
  • このソフトウェアについて、改善すべき点があればご記入ください。
  • 上記の回答を選択された理由を教えてください。

SurveyMonkeyの市場調査アンケートテンプレートか、こちらの例をご覧ください。

当ブランドのことをよく知っていますか。

  • 非常に詳しい
  • かなり詳しい
  • ある程度なじみがある
  • あまりなじみがない
  • まったく詳しくない

このカテゴリーの商品を最後に使ったのはいつですか。

  • 1週間以内
  • 1ヶ月以内
  • 3ヶ月以内
  • 6ヶ月以内
  • 1年以内
  • 1年より前
  • 1 度もない

このロゴについて総合的に見たとき、次のどれが最も当てはまりますか。

  • とても気に入った
  • まあまあ気に入った
  • どちらとも言えない
  • あまり気に入らなかった
  • まったく気に入らなかった
  • このタイプの商品と言えば、どのブランドが思い浮かびますか。
  • この新製品で最も改善して欲しい点を具体的にご記入ください。
  • 普段、どのような製品をインターネットで購入していますか。
  • 現在販売されている競合商品で、最も改善を望む点を教えてください。
  • このロゴを見て真っ先に思い浮かぶ言葉は何ですか。

SurveyMonkeyの従業員フィードバック アンケート テンプレートか、こちらの例をご覧ください。

この従業員の仕事の質を評価してください。

  • 極めて良い
  • とても良い
  • まあまあ良い
  • あまり良くない
  • まったく良くない

専門性を高められる機会に満足している。

  • 強く反対
  • 反対
  • どちらとも言えない
  • 同意する
  • 強く賛成

仕事での現在の自分の役割にどの程度満足または不満ですか?

  • とても満足
  • やや満足
  • やや不満
  • とても不満
  • 当社が採用プロセスを改善するためにできることは何だと思いますか。
  • これまでに携わった中で一番好きなプロジェクトはどれですか?また、一番嫌いなプロジェクトはどれですか?
  • 上司がパフォーマンスを改善するために行うべきことは何だと思いますか。
  • 会社を辞める理由を教えてください。

SurveyMonkeyのイベント フィードバック アンケート テンプレートか、こちらの例をご覧ください。

イベントを総合的に評価してください。

  • すばらしい
  • とても良い
  • 良い
  • 普通
  • 悪い

イベントの運営についてどう思いましたか。

  • 非常にスムーズだった
  • かなりスムーズだった
  • まあまあスムーズだった
  • あまりスムーズではなかった
  • まったくスムーズではなかった

イベントの長さについて、どのように感じましたか。

  • あまりに長すぎる
  • 長すぎる
  • 妥当
  • 短すぎる
  • あまりに短すぎる

今後もこのイベントに参加する可能性はどの程度ありますか。

  • ある
  • どちらかと言えばある
  • どちらとも言えない
  • どちらかと言えばない
  • ない
  • 本イベントで気に入った点を教えてください。
  • 本イベントで気に入らなかった点を教えてください。
  • 本イベントについて、他にご意見はありますか。
  • このイベントをどのようにして知りましたか?
  • このイベントに参加されない場合は理由をご記入ください。
  • このイベントで最も知りたい、または議論したいトピックは何ですか。

NPS、Net Promoter、および Net Promoter Score は Satmetrix Systems, Inc.、Bain & Company、Fred Reichheld の登録商標です。