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Net Promoter Score(NPS)の批判者・推奨者・中立者に働きかけて顧客満足度を向上させる方法をご紹介します。

カスタマーサービス担当者が、NPS推進者と批判者を分類してフォローアップの質問をしている

Net Promoter Score®(NPS)は、顧客ロイヤリティを評価する手段であり、多くのビジネスリーダーが、ブランド健全性を測定するための重要な指標であると考えています。NPSスコアは、顧客の感情や、会社の製品・サービスを薦める可能性について有意義なインサイトを提供します。しかし、優れたNPSスコアを達成することは、このパワフルなツールを活用する第一歩に過ぎません。

NPSの真の価値は、スコア自体にあるわけではなく、会社がスコアにどのように反応し、フィードバックに基づいてどのような行動を起こすかにあります。

NPS調査にまだ着手していないなら、この無料のテンプレートを利用してNPSアンケートを作成しましょう。

NPSを調べると推奨者・中立者・批判者が特定できますが、これは出発点に過ぎません。そこから先に進むためには、顧客に効果的に働きかけるNPSアンケートを実施する必要があります。本格的な働きかけとは、それぞれの回答をフォローアップしてフィードバックへの感謝を示すと同時に、さらなる情報を集めて顧客とつながる機会を見つけることを意味します。 

意見を聞くだけで終わらず、それに応じて行動を起こしていることを顧客に示せば、信頼関係の促進につながるフィードバックループが確立されます。それが、紹介数の増加、更新率の上昇、さらには収益源の増加といった具体的なビジネス成果をもたらします。

NPSアンケートの価値を最大限に向上させるには、作成する時点ですでにフォローアップのことを考慮に入れる必要があります。つまり、回答を匿名にせず、データプライバシーを維持しながら顧客を特定できるような仕組みを作ります。回答を特定の顧客と結びつければ、パーソナライズしたフォローアップを実施し、その人が抱えている懸念に対処したり、推奨者の熱意を活用したりできるようになります。

どのチャネルを使用してアウトリーチするかは、事業内容や顧客との関係によります。対話を開始したときと同じコミュニケーションチャネルを使い続けるようにしましょう。たとえば、NPSアンケートをメールで送信したなら、回答へのフォローアップもメールで行います。

NPSの回答は、すばやくフォローアップすることが大切です。アンケートのフォローアップは早ければ早いほど良いですが、1週間以内と考えるのが妥当でしょう。それより遅くなると、顧客が評価のことをよく覚えていないため、つながりが薄れてしまいます。特に、悪い体験を理由に低く評価した顧客に対しては、すばやく返答する必要があります。迅速に対応すれば、手遅れになる前に問題を解決することができます。

NPSアンケートのフォローアップを担当できる部署はいくつかありますが、顧客と直接接触があるサクセスチームまたはサポートチームであれば、関係構築のスキルや製品に関する知識を活用してフォローアップを成功させることができるでしょう。顧客に担当者を割り当てて管理している場合は、担当者にもNPSの結果を知らせます。

NPSアンケートの中で、評価に加えて詳細も尋ねるようにすれば、顧客との対話が始まります。自由回答形式で「この評価を選んだ理由を教えてください」、「どうすれば、今より1段階高いスコアを付けていただけますか」のような質問をすることで、顧客の体験に関する重要な情報が得られ、効果的なアウトリーチが可能になります。

架空のSnuck社の顧客体験アンケート製品画面 2023年第4四半期

カスタマーサポートの質や製品機能、購入体験など、ビジネスの特定の部分について知りたい場合は、NPSのフォローアップ質問でその部分に対する満足度を顧客に評価してもらうことができます。ただし、回答の選択肢が多すぎると回答率が下がってしまうため注意が必要です。

フォローアップ質問で得た情報を使えば、顧客の回答と分類(推奨者・中立者・批判者)に基づいてパーソナライズしたアプローチを取ることができます。

また、覚えておきたいのは、NPSスコアの高さに関係なく、どの顧客も「ありがとう」が聞きたいということです。必ず会話の冒頭で、NPSアンケートに時間を割いて回答してくれたことに感謝し、フィードバックの内容を尊重していることを伝えましょう。その後のメッセージは、各人のスコアやコメントに合わせて作成します。

NPSの推奨者は、ブランドの支持者なので、会社から連絡があればうれしいはずです。 

推奨者をフォローアップすれば、ポジティブな体験がさらに強まり、ブランドを薦める意欲が高まるでしょう。この先、何かが必要になったときに知らせてもらうきっかけにもなります。 

推奨者との対話は、ポジティブな内容になる可能性が高いため、会社側にとってもやりがいが感じられる作業です。会社や製品を他の人に薦める可能性が高いと回答した人たちなので、この機会に、実際に薦めてもらえるように促しましょう。 

NPSの推奨者をフォローアップする場合のベストプラクティスをいくつかご紹介します。

会社で景品がもらえる紹介コードを提供している場合は、その存在を知らせます。 アンケートの終わりか、フォローアップの中に、次のような文を挿入します。 

「お友達・ご家族に紹介すると、サービスを一定期間無料で利用できるのをご存知ですか。誰かが招待コード(こちら)を使って登録するたびに、紹介者によるサービスの利用が1ヶ月間無料になります!」

NPSの推奨者に、体験をSNSに投稿してもらうか、重要なチャネルで会社をレビューしてもらうこともできます。事業内容によっては、自社のWebサイトやSNSで「お客様事例」や「お客様の声」に掲載できないか尋ねるのも得策です。 

インセンティブとして、レビューを投稿してくれた顧客の中からランダムに選択した人に何かをプレゼントする方法もあります。これは、次のような文で提案します。

当社をご友人・ご家族に薦めていただけるとのこと、誠にありがとうございます。今月中に当社のFacebookページでレビューを公開し、他のユーザーに当社をご紹介いただいた方の中から、抽選で10名様に1ヶ月分のサービスを無料でプレゼントいたします。」

顧客が回答の中で言及した内容に対して、必ず応答するようにしましょう。たとえば、リリースした新機能を大変気に入っていると回答した人には、会社側も喜んでいることを伝え、その機能に関するリソースのリンクを提供したり、今後発表される機能について知らせたりします。

NPSの推奨者には、いつでもフィードバックを受け付けていることを知らせましょう。次のような文で伝えることができます。

当社のNPSアンケートにご協力いただき、ありがとうございました。当社をご友人・ご家族に薦めていただけるとのこと、大変光栄に思います。何かお手伝いできることがありましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。

NPSの中立者は、ポジティブでもネガティブでもない中間に位置している顧客なので、ロイヤリティを獲得するチャンスでもあります。自分から積極的に問い合わせたり問題を報告したりする意欲がなかった人でも、会社からフォローアップを受けたことをきっかけにニーズを知らせてもらい、それに対処すれば、中立者から推奨者への移行が可能になります。

NPSの中立者をフォローアップする場合のベストプラクティスをいくつかご紹介します。 

NPSの中立者をフォローアップする際に重要なのは、彼らの体験や意見をさらに深く掘り下げることです。満足度が中間にある顧客からは、推奨者になってもらうために何が必要かを示唆する貴重なインサイトが得られます。思いやりのある対話を持つことで、アンケートでは捉えきれなかった微妙な感情を明らかにすることができます。 

次の例をご覧ください。  

高橋さん、こんにちは。X社です。昨日、NSPアンケートへの回答を受領いたしました。ご回答いただき、本当にありがとうございます。よろしければ、利用体験の向上のために当社にできることをご教示いただけないでしょうか。当社では、お客様からのフィードバックを真摯に受け止め、それに基づいた事業の改善に努めております。さらなる情報をご提供いただければ幸いです。

もしフィードバックが返ってきたら、あるいは、すでにコメントを残してくれた中立者に返答するときは、行動を起こしましょう。フィードバックの内容に基づいて、見逃されている機能に関して情報を提供したり、製品やサービスをより効果的に使用する方法を提示したり、今後発表が予定されている製品・機能の中でニーズに合うと考えられるものを紹介したりします。

NPSの批判者は、離脱する可能性が高い顧客であるため、働きかけが特に重要です。低いNPSスコアは警告と解釈できますが、問題を解決して戻って来てもらうチャンスでもあります。実際に、苦情にすばやく適切に対応してもらえるならもう一度利用するという顧客は、95%に上ります。もし顧客が最終的には離脱したとしても、フォローアップを通じて意見を尊重している姿勢を示せば、大切にされていると実感してもらえ、今後戻って来る可能性が高まります。

批判者と連絡を取ることは、悪い口コミを防ぐという点でも効果があります。顧客の問題に対処し、気にかけていることを示す機会であるため、それを実行すれば、友人や家族に苦情を言う可能性は大幅に低くなります。

中立者の場合と同様に、スコアだけでコメントを記入しなかった批判者からは、詳細を聞き出すようにしましょう。フィードバックを会社の人がチェックしているとは思わない人もいるはずです。会社から連絡が来たことに驚きながらも、解決してもらえるかも知れないという期待を抱き、問題について詳しく報告してくれる可能性があります。次の例をご覧ください。  

当社のNPSアンケートにご回答くださり、ありがとうございました。残念ながら当社をご友人・ご家族に薦めていただけないようですが、今後の参考にするため、改善点をご指摘いただければ幸いです。どうすれば体験の向上を実現できるとお考えですか。

十分な情報が揃ったら、ネガティブな体験の承認に着手しましょう。必ずしも会社側に否があるわけではありませんが、ほぼすべてのケースで、顧客が直面した問題に理解を示すことはできるでしょう。そうすることで、顧客は、会社が自分の側に立って共感してくれている、サポートしてくれる用意があると実感します。

批判者は、中立者と同じく、ただ製品に関する知識が不足している場合もあるかも知れませんが、バグや障害などの問題に遭遇した人も多いはずです。解決策を講じた上で、今後同様の問題を防ぐためにどのような対策を取るかを批判者に知らせましょう。

場合によっては、問題自体の解決がかなり先になることもあります。その場合は、事前に準備をしておき、解決した時点で、フィードバックに基づいてどのような点を修正・変更したかを批判者に知らせます。例をご紹介しましょう。

以前回答されたNPSアンケートの中で、当社の請求オプションについてご意見と変更のリクエストをいただきました。今回、お客様から寄せられたフィードバックに基づいて変更が加えられたことをお知らせいたします。詳しくは、ぜひ当社のブログをご覧ください。

NPSアンケートの回答をフォローアップしても手間が増えるだけだと思われるかも知れませんが、この作業は、それを補って余りあるだけの価値をもたらします。意見を寄せてくれた顧客に連絡することで、顧客の体験を尊重している姿勢を示すことができます。個人的な接触をきっかけに、中立者がファンに変わったり、満足している顧客が口コミを広めてくれたり、他社に乗り換えようとしていた人が戻って来てくれたりする可能性があります。

顧客の意見をよく理解し、それに従って改善を行えば、一部の人の問題が解決されるだけではなく、全員の体験が向上します。このようなアプローチは、長期にわたって会社を利用し、他の人に薦めてくれる忠実な顧客基盤の確立につながります。つまり、目標はNPSスコアの向上ではなく、ビジネスの成長を促進するような顧客関係の構築です。

Net Promoter®およびNPS®は、Bain & Company, Inc.、Satmetrix Systems、Inc.、Fred Reichheldの登録商標です。

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