eNPSベンチマーク: 従業員エンゲージメントの測定・改善

優れたeNPSの条件やeNPSの測定方法を理解し、従業員エンゲージメントや定着率を高める効果的な戦略を見つけましょう。

ノートパソコンで従業員エンゲージメントデータを確認する男性

ビジネスを成功させるには、従業員満足度を理解することが欠かせません。従業員Net Promoter Score®(eNPS®)は、従業員が職場を他の人に薦める可能性を測定するもので、従業員エンゲージメントや職場文化の改善に役立ちます。

このガイドでは、スコアの計算時に参考にできる2024年版のeNPSベンチマークを見ていきます。また、スコアを改善するためのベストプラクティスもご紹介します。 

従業員Net Promoter Score(eNPS)では、たった1つの質問で従業員の感情が把握できます。

「この会社で働くことを友人や同僚に薦める可能性は、0~10段階でどの程度ありますか。」

従業員は、従業員Net Promoter Score(eNPS)アンケートで回答した1~10のスコアに基づいて、次の3つのグループに分類されます。

  • 批判者(0~6): このグループの従業員は、不満を抱えています。会社を薦めることは少なく、否定的なフィードバックを広める場合もあります。このグループの回答は、早急に対応すべき領域を示唆しています。
  • 中立者(7~8): 中立者は、どちらでもない立場を取ります。ある程度満足していますが、特別な熱意はありません。会社を積極的に批判することはありませんが、推奨することもありません。エンゲージメント改善のチャンスがあるグループです。
  • 推奨者(9~10): 推奨者は、非常に満足している従業員のグループです。職場について肯定的に語ることで会社の評判を高め、社内のブランドアンバサダーとしての役割を果たします。

eNPSを計算するには、推奨者の割合から批判者の割合を引きます。中立者はスコアに直接影響しません。

この指標を使うと、従業員フィードバックがシンプルになり、全体的な満足度やエンゲージメントがすばやく把握できます。より深いインサイトや行動のための出発点となり、従業員体験の改善に役立ちます。

eNPSは、人事担当者やリーダーが職場に対する従業員の感情を理解したいときに役立ちます。従業員エンゲージメントの直接的な指標であるため、不満の根本原因の追究にも貢献します。

eNPSの測定・改善は、次のような理由で重要です。

  • 生産性の向上: エンゲージメントの高い従業員は生産性が高く、会社に貢献しようとする意欲があります。
  • 離職率の低下: eNPSスコアが高いと、離職率が低くなる傾向があります。職場に対して良い感情を抱いている従業員は、辞める可能性が低いからです。
  • 職場文化の向上: 高いeNPSは、職場文化が健全であることを示します。従業員がサポートや尊重されていると感じ、自分の意見が大切にされていると感じていることの表れです。
  • 雇用主ブランドの強化: 推奨者は、会社の支持者となり、ポジティブな体験を共有して優秀な人材を引き寄せます。

eNPSは、エンゲージメントの高い強力な組織を作るための実用的なインサイトを提供します。人事チームは、eNPSを利用することで問題を先回りして解決し、定着率を改善し、ポジティブな職場環境を育てることができます。

Hive HRの調査によると、2024年第3四半期の全体的なeNPSベンチマークは27で、従業員が職場を推奨する意欲が高まっていることを示しています。

現在の業界別eNPSベンチマークをご紹介します。

  • 医療: 15
  • 製造: 15
  • 住宅協会: 11
  • サービス: 30
  • NPO: 10 
  • テクノロジー: 28
  • 娯楽・レジャー: 5
  • 小売: -5
  • 教育: 0
  • 政府機関: -15


従業員数が0~250名の中小企業は、平均eNPSが30で、従業員数が5,000名を超える大企業では、eNPSが9へと上昇しています。

SurveyMonkeyベンチマークを使うと、eNPSのベンチマークが簡単に作成できます。世界や業界における自社の立ち位置がわかれば、目標や期待値を実際のデータに基づいて正確に設定できます。

ノートパソコンで共同作業をしている2人

eNPSの測定は、とてもシンプルです。

  1. 従業員へのアンケート: eNPSアンケートを送り、「この会社で働くことを友人や同僚に薦める可能性は、0~10段階でどの程度ですか」と質問します。
  2. 回答の分類:
    • 推奨者(9~10): 会社を積極的に薦めてくれる熱心なサポーター。
    • 中立者(7~8): 満足はしているものの特に忠誠心が高いわけではない中立的な回答者。
    • 批判者(0~6): 不満を抱えており、否定的なフィードバックを広める可能性のある従業員。
  3. スコアの計算:
    • 推奨者の割合から批判者の割合を引きます(中立者は計算に含めません)。
eNPSの計算式(推奨者% − 批判者%)

eNPSの簡単な計算例をご紹介します。

  • 推奨者: 回答の60%
  • 中立者: 回答の25%
  • 批判者: 回答の15%

eNPS = 60%(推奨者)- 15%(批判者)= 45

eNPSスコアは45で、従業員満足度が高いことを示します。

従業員の感情は変化するため、eNPSは定期的に測定する必要があります。ほとんどの企業では、四半期または半年ごとの測定が適切です。データを収集したら、そのように評価した理由を把握するために、自由回答形式の質問で理由を聞きましょう。eNPSと質的な調査を組み合わせることで、スコアの背景がより明確に把握できます。

良好なeNPSスコアは、業界によって異なりますが、次のような目安が参考になります。

  • 50以上: 優秀。50を超えるスコアは、高い従業員エンゲージメントを示します。満足度の極めて高い従業員が、会社を働きやすい職場として積極的に推奨してくれる状態です。
  • 10~30: 平均的。この範囲のスコアは、改善の余地があることを示しますが、全体として従業員の感情はポジティブです。
  • 0未満: 改善が必要。マイナスのスコアは、推奨者より批判者の方が多いことを示します。不満が広がっているため、早急な対応が求められます。

上記の数字から良好なeNPSを基本的に理解することができますが、業界によって差があります。たとえば、20や30を超えるスコアが珍しい業界もあれば、50以上が一般的な業界もあります。

職場に対する従業員の感情は、いくつかの要因に左右され、それがeNPSに直接影響します。以下でその主な要因を解説し、HRチームによる職場環境の改善やeNPSスコアの向上に役立つ調査・分析の実施方法をご紹介します。

ポジティブで健全な企業文化は、従業員ロイヤリティの土台です。会社の価値観に共感し、それが実践されていると感じている従業員は、高いエンゲージメントを維持するでしょう。一方、不明瞭な企業文化や有害な企業文化は、エンゲージメントの低下や離職の増加につながります。

企業文化の改善方法: パルスサーベイやフォーカスグループで定期的に企業文化を評価しましょう。オープンなコミュニケーションを促進し、企業の価値観が日々実践されていることを確認することが大切です。

リーダーシップは、企業文化や従業員ロイヤリティに大きな影響を与えます。従業員は、リーダーに指導や支援、透明性を求めています。リーダーが有能かつ誠実で親しみやすい場合は、信頼や士気が高まりますが、コミュニケーションや目に見えるサポートの不足は、エンゲージメントが低下する原因となります。

リーダーシップの改善方法: 明確で一貫したコミュニケーションに重点を置いた研修を実施しましょう。また、360度フィードバックを活用して、自分の言動がどのように受け止められているか、どこを改善すべきかをリーダーに把握してもらうことを検討しましょう。

従業員を満足させるには、成長や昇進の機会を提供することが不可欠です。従業員は、キャリア開発の明確な道筋が見えると、意欲を持って会社に貢献し続けます。逆に、道筋が見えなければ、他の職場を探し始めることになります。

キャリア開発の改善方法: 定期的に従業員とキャリア目標について話し合いましょう。研修プログラムやメンター制度、昇進の道筋を用意し、社内でどのように成長できるかを明確に伝えます。

デロイトの「職場の燃え尽き症候群調査」によると、回答者の77%が現在の職場で燃え尽き症候群を経験しており、その主な要因の一つがワークライフバランスの悪さでした。ワークライフバランスが良い従業員は、エンゲージメントや仕事満足度が高く、逆に過労やサポート不足を感じている従業員は、eNPSスコアが低くなります。

ワークライフバランスを向上させる方法: 可能な限り柔軟な働き方を導入し、定期的に業務量やストレス状況を確認しましょう。有給休暇取得も推奨し、積極的に休養をとるよう促します。LinkedInは柔軟な職場環境で有名で、HRチーム向けに包括的なガイドも提供しています。

表彰や評価はシンプルながら強力なモチベーションとなります。従業員が認められていると感じると、会社を積極的に推奨する傾向が高まります。一方、評価が不足するとエンゲージメントが低下し、推奨者が批判者へと変わることもあります。

従業員の表彰・承認の改善方法: チームミーティングでの評価、報奨、全社での発表など、継続的な表彰プログラムを導入しましょう。承認を具体的かつ有意義な形で伝えることが重要です。ありきたりな言葉では同様の効果が得られません。

eNPSを実際に改善するには、上記の分野を深掘りする必要があります。従業員フィードバックアンケートフォーカスグループ、1on1ミーティングなどを活用してインサイトを集めます。フィードバックのパターンを分析して繰り返し現れるテーマを見つけ、ただ意見を聞くだけでなく行動を起こしましょう。従業員に、自分の意見が実際の変化につながると実感してもらうことが大切です。

これらの要因に対応することで、従業員のエンゲージメントが高い職場環境が生まれ、ロイヤリティやeNPSの向上につながります。

eNPSを改善するには、従業員エンゲージメントに影響する要因を理解することが重要です。ここでは、HRチーム向けに、eNPSスコアを高めるための具体的な戦略をご紹介します。

頻繁にフィードバックを確認すれば、従業員の感情を継続的に把握できます。定期的なeNPSアンケートによって、その時々の状況は明らかになりますが、具体的に改善するためには詳細なインサイトが必要です。eNPSに加え、パルスサーベイやステイインタビュー、フォーカスグループを実施し、全体像を把握しましょう。

実施方法:

  1. 四半期ごとのeNPSアンケートに加えて、簡単なパルスサーベイを毎月行います。
  2. アンケートツールを使ってフィードバックの設定・配信・測定を効率化します。
  3. アンケートの設計をカスタマイズして、従業員体験のさまざまな側面をカバーします。

メリット: 定期的なフィードバックは、「耳を傾ける文化」を育みます。従業員の意見を継続的に集めることで、従業員に、自分が大切にされていると感じてもらうことができ、エンゲージメントが高まります。Dennemeyer Groupは、初めて全社で実施した従業員アンケートで世界中の従業員から7,000件を以上のコメントを集めた好例です。

フィードバックを活用して地域ごとの差異を把握し、それに基づいて新たなイニシアチブの優先順位を決めた同社は、社内の取り組みを従業員のニーズに合わせ、エンゲージメントと定着率を向上させることに成功しました。

データを集めても、行動しなければ意味がありません。従業員は、自分たちの声が変化につながることを望んでいます。そうでなければ、「何も変わらないのならアンケートで時間を無駄にしたくない」と考え、エンゲージメントは低下します。

実施方法: アンケートを実施したら、結果を分析して重要なテーマを特定します。ミーティングを行い結果について話し合い、今後の対応策をチームに伝えます。進捗を定期的に報告し、透明性の高いフィードバックループを確立させましょう。

メリット: 行動を起こすことで、従業員の信頼が高まります。従業員が自分の意見が実際の変化につながると実感できれば、今後のアンケートにも積極的に協力し、エンゲージメントも維持されます。2019年のマッキンゼー調査によると、従業員のエンゲージメントが不足しているため、変革プログラムの70%が失敗していることが分かっており、フィードバックをもとに行動することの重要性が明らかです。

従業員は、成長を望んでいます。研修や能力開発の機会を提供すれば、従業員のエンゲージメントやモチベーションが維持されます。こうした機会が提供されない場合、キャリアアップを求めて他社を検討する可能性が高まるでしょう。

実施方法:

  1. 従業員が身につけたいスキルを調べ、それに基づいて研修プログラムを作成します。
  2. アンケートツールを使って、どのコース・ワークショップに関心があるかを質問します。
  3. 社内研修・オンライン講座・外部セミナーなどを組み合わせることを検討します。

メリット: 学びの機会は仕事満足度を高めます。LinkedInのワークプレイス ラーニング レポート2024年版によると、組織の90%が、定着率改善のための最重要戦略として学習機会の提供を挙げています。

従業員にとっては、社内での成長の道筋がはっきり見えることが重要です。エンゲージメントの高い従業員でも、成長の道筋が見えなければ、他の選択肢を検討するようになります。

実施方法: 1on1ミーティングでキャリア目標について話し合い、成長の具体的な道筋を提示しましょう。昇進基準を明確に定義し、全社に周知させます。マネージャーには、定期的なパフォーマンスレビューを通じて進捗を継続的に追跡するよう促します。

メリット: キャリアの発展は定着率を高めます。Work Instituteが2023年に行った調査によると、従業員の18.7%がキャリア開発の不足を理由に離職しています。従業員に会社での成長の道筋を示すことが、優秀な人材の維持につながります。

表彰や承認は、強力なモチベーションになります。感謝されていると感じる従業員は、エンゲージメントが高まり、職場を他の人に薦める可能性も高まります。中立的な従業員が推奨者へと変わることも期待できます。

実施方法:

  1. 従業員表彰アンケートテンプレートを利用して、同僚を気軽に表彰できる制度を確立させます。
  2. アンケートを、会社の承認プログラム(発表・表彰・報酬など)に合わせてカスタマイズします。
  3. メール・SMS・QRコードで簡単にアクセスできるようにします。

メリット: 承認は、意欲やロイヤリティを高めます。O.C. TannerのGlobal Culture Report 2025年版によると、承認プログラムが確立されている企業では、従業員が仕事で活躍する可能性が15倍に高まります。有意義な承認を頻繁に行えば、従業員は大切にされていることを実感し、職場の一体感やポジティブな企業文化が育まれます。

eNPSの回答率を高めるには、NPSアンケートの回答率を上げるベストプラクティスと同様の方法が有効です。

  • 招待メールのパーソナライズ: アンケートの送信時に、名前で呼びかけたり、最近のやり取りやイベントに言及したりします。アンケートをこのようにパーソナライズすると、ランダムな依頼ではなく自分宛てに来たものとして受け止めてもらえます。
  • アンケートを短くシンプルに: eNPSアンケートを、中核である1つの質問と、補足となるフィードバックを得るための簡単なフォローアップ質問だけで構成します。簡潔にすれば従業員の時間が無駄にならないため、回答率の向上につながります。
  • 適切な配信方法を選ぶ: 従業員が普段会社との連絡に使っている通信手段に合わせます。オンラインの職場とオフラインの職場の両方でアクセスできるようにQRコードなどのオプションや、メール・SMS・アプリ内通知などを検討しましょう。
  • 重要な節目でアンケートを自動化: プロジェクトの完了や研修の終了といった節目ごとに、eNPSアンケートを自動配信します。タイムリーなフィードバックが得られるだけでなく、追加の手作業なしで一貫性が確保されます。
  • 目的と活用方法を伝える: アンケートを案内する際に、フィードバックが必要な理由や、結果をどのように活かすのかを明確に伝えます。従業員は、自分の意見が改善につながると実感することで、継続的に協力するようになります。
  • フィードバックに対するフォローアップ: 従業員の意見がどのような変化につながったかを共有しましょう。定期的に対応状況を伝えることで信頼関係が生まれ、今後のアンケートでも率直で建設的なフィードバックがもらえるようになります。
  • 匿名にして正直な回答をもらう: 回答が機密情報として扱われることを明示し、安心して本音が書ける環境を整えます。従業員は、匿名とわかれば率直なインサイトを提供してくれる可能性が高いため、信頼の置けるデータが集まります。

これらの戦略を通じて、参加しやすく目的がはっきりした、従業員の時間や意見を尊重したeNPSアンケートを実施すれば、回答率が高まり、より有意義なインサイトが得られます。

  • eNPSはどのくらいの頻度で測定すべきですか。
  • NPSとeNPSの違いは何ですか。
  • eNPSアンケートは匿名で実施できますか。
  • チーム間・部署間でeNPSスコアを比較する方法を教えてください。
  • eNPSを測定する際によくある課題は何ですか。

SurveyMonkeyでは、eNPSの改善や価値ある従業員フィードバックの収集が簡単にできます。カスタマイズ可能なアンケートテンプレートを使って、自社に合ったeNPSアンケートをすばやく作成・配信しましょう。

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A man and woman looking at an article on their laptop, and writing information on sticky notes

人事担当者が従業員Net Promoter Score(eNPS)を活用して従業員の感情を明らかにし、離職率の低下や魅力的な職場環境の構築に役立てる方法をご覧ください。

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