ウォリアーズは、サンフランシスコに新しく建設されたチェイス・センターに拠点を移したとき、その場所に機会を見出しました。アリーナの所有者兼経営者として、最高のファン体験を生み出すチャンスを手中に握っていたのです。そこでウォリアーズは、ファンの期待を超えることを目標に据えました。
新しいアリーナに移転したウォリアーズは、ただのバスケットボールチームから多彩なライブエンターテイメント企業へと発展し、コンサートやフェスティバル、ショーなどをホストするようになりました。開催イベントの数を増やすことは、ファンや顧客を喜ばせる機会が増えることを意味します。
「私たちの仕事は、記憶に残る体験の提供です」と、ウォリアーズ社長兼最高執行責任者のBrandon Schneiderは言います。「観客をファンにするためには、最高の体験を生み出さなければなりません。観客は試合やコンサートのためにチェイス・センターに足を運びますが、何度も来てもらうためには忘れがたい体験が必要なのです」
ウォリアーズはこの任務を軽視しませんでした。なぜなら、最高のファン体験を提供するには、観客の期待と欲求をつぶさに観察しなければならないからです。
「ファンが何を求めているかを把握して市場を理解することは、極めて重要です。それによってファンの体験を最適化し、私たちのアリーナを市場にあふれる他のエンターテインメントと差別化できるのです」
ゴールデンステート・ウォリアーズ社長兼最高執行責任者 Brandon Schneider
もともとデータ中心型の企業だったウォリアーズは、綿密な調査プロジェクトを数多く計画しましたが、今度はその実施をサポートしてくれる洗練された体験管理ソリューションが必要になりました。
ファンからのフィードバックがビジネス戦略やアフターコロナの安全対策を導く
5年以上にわたりSurveyMonkeyを利用して成果を挙げていたウォリアーズは、ファン体験を把握する手段としてSurveyMonkeyエンタープライズを選び、定期的にフィードバックを収集して数々の重要な取り組みに役立てることにしました。
Schneider氏とそのチームは、すぐにSurveyMonkeyエンタープライズを使ったフィードバックの収集に取り掛かり、望ましいメールコンテンツから理想の試合体験に至るまで、ファンからさまざまな意見を聞き出しました。顧客の考えを詳しく把握することのメリットは、アリーナについて新たなアイデアが得られることだけではありません。それは、ウォリアーズのビジネス戦略や投資が成果につながることを確認するための手段でもあったのです。
真新しいアリーナを披露したウォリアーズは、Webサイトも見直すべきだと考えました。そこでGetFeedbackを導入して、サイトのデザインを一新しました。体験フィードバックソリューションであるGetFeedbackにより、顧客に関する重要なインサイトをすばやく入手し、どこからでも顧客にリーチし、フィードバックを行動に移すことが可能になります。ユーザーからWebサイトに関するフィードバックを集めたウォリアーズは、GetFeedbackを通じてユーザーフレンドリーな体験と合理的なナビゲーションを提供し、訪問者が探しているコンテンツをすばやく簡単に見つけられるようにしました。
既存の顧客とのやり取りやデジタル体験の測定が可能になったことで、ウォリアーズは、見込み客がWebサイトを訪れた瞬間から試合後にアリーナを後にするまでの全行程を理解できるようになりました。
そんなウォリアーズをコロナ禍が襲いました。リーグの試合が中止になり、チェイス・センターは400日以上にわたって閉鎖されました。2021年初頭、ウォリアーズは再び観客を迎え入れる準備を始め、どうすればファンが安心して観戦できるか、どうすれば何度もアリーナに足を運んでもらえるかの理解に、これまで以上の努力を払いました。
ウォリアーズは、市場調査用のツールキットにSurveyMonkey市場調査ソリューションを加えました。それを活用してファンの感情を把握し、アリーナの再開戦略を説明し、幅広い市場調査を実施しました。ウォリアーズはSurveyMonkeyを通じて、ファンの綿密なデータベースをもとに、ファンでない人にリーチすることも可能になりました。
ウォリアーズでビジネス戦略・分析上級マネージャーを務めるCharles Gao氏は次のように言います。「私たちはブランドの魅力を高める要素を理解したかったのです。観客はブランドの健全性やブランドの強みをどう見ているのか。さらには、ファンが何を求めているのか、ファンではない人たちが何を求めているのか、どうすればもっと期待に応えてビジネスを推進し、体験を改善し、バスケの試合への注目度を高められるのかを調べられるようになりました」
フィードバックの中には、ウォリアーズにとって意外なものもあったようです。予期せぬ洞察というのは、大規模にフィードバックを収集して始めて明らかになるものです。
たとえばコロナ禍以前に実施した、試合中の体験に関するアンケートからは、ハーフタイムショーを楽しみにしている人がそれほど多くないこと、ハーフタイムにはショーを観るより施設内を歩き回って食べ物を買ったり、トイレを利用したりする人が多いことがわかりました。この結果を受けて、ウォリアーズは、コンコース内でマーチングバンドによるジャズ演奏やファン参加型のアクティビティを開催するようになりました。また、別のアンケートからもっとインクルーシブなパフォーマンスが期待されていることが判明したため、子供や高齢者、男女混合のチームによるダンスを取り入れました。
こういった新しい取り組みは、実施するにも維持するにもリソースが必要なうえ、ROIの計算が簡単ではありません。SurveyMonkeyは、どこに焦点を置くべきかを特定するのに役立ちます。アンケートで判明したことの1つが、ファンのロイヤリティを左右するのはチームの順位だけではないという事実です。チームメンバーがブランディングの取り組みに熱心かどうか、アリーナに熱気があるか、試合が地元で放送されるかといった、ウォリアーズ自身の手中にある要素も関係しているのです。これは、過去のブランディング関連の調査が、ウォリアーズが2年連続でNBAを制して間違いなく史上最高のチームの1つに数えられていた頃に実施されたことを考えると、非常に重要な発見だと言えます。
「ブランドに影響するその他の要因にもっと向き合うべきだということがわかり、非常に有益でした」とGao氏は言います。
コロナ禍後の再開を準備していたウォリアーズは、SurveyMonkeyを通じて、ベイエリアの観客たちが入念なコロナ対策を望んでいることを把握しました。
「必要な対策のレベルがわかり、戦略面で役に立ちました。世界一安全なアリーナにしようという意欲がわきました」とGao氏は言います。「実際にその目標が達成できたと考えていますが、最初の一歩は何をすべきなのかを理解することだったのです」
ファン体験を高める新たな発見と実用的なインサイト
ウォリアーズは、定評あるファンサービスを採用し続けるのではなく、型を破る心構えができていました。SurveyMonkeyを利用して顧客の興味を追跡することで、新たなパフォーマンスやコンコースでのアクティビティの導入、そして最近ではリブランディングにも成功しました。また、万全を期したコロナ禍後の再開もベイエリアの住民に熱狂的に受け入れられました。思い込みを捨て、勘ではなくデータに頼ったウォリアーズは、戦略に確信を持つことに成功しました。
仮説を確かめたいときも新しいアイデアを発見したいときも、ウォリアーズは定期的にフィードバックを集めることでデータを根拠とした舵取りを実現しました。
「SurveyMonkeyの大きな長所は汎用性です」とSchneider氏は言います。「ビジネスの1つの業界や分野で役立つだけではなく、ビジネスのあらゆる側面であらゆる関係者に適用できます」