アンケートバイアスを防いで信頼性の高い正確なデータを収集するためのベストプラクティス

一般ビジネス アンケート バイアス

アンケートは、企業や研究者、政策立案者がインサイトを収集し、データに基づいた意思決定を行う上で欠かせないツールです。しかし、アンケートにバイアスが含まれていると、誤解を招く結果が出て、間違った結論や効果の薄い戦略につながる可能性があります。

顧客からのフィードバックを参考にして新商品を発売したのに、そのデータが偏ったアンケート作成のせいで歪んでいたとしたら、どうでしょうか。リソースの無駄や、見当違いのマーケティングキャンペーン、収益の損失につながり、コストがかさむでしょう。

幸いにも、アンケートバイアスは防ぐことができます。ここでは、アンケートにありがちなバイアスの種類とそれらを防ぐ方法を、アンケートのベストプラクティスを通じてご紹介します。

アンケートバイアスとは、調査者が回答者に何らかの影響を与えたことが原因で生じるフィードバックの偏りを指します。調査手法が特定の結果へと誘導するようなものである場合にアンケートバイアスが生じ、ターゲット層を正確に反映しない結果につながります。

アンケートバイアスは、意識的か無意識かに関わらず、アンケート作成からデータ分析まであらゆる段階で発生する可能性があります。誘導質問、特定のデモグラフィック属性をターゲットに設定すること、無回答者の無視などは、いずれもバイアスを生み、データを歪める恐れがあります。

たとえば、ロイヤリティの高い顧客のみを対象にアンケートを実施した場合、結果がポジティブに偏りがちなため、顧客の感情を正確に把握することはできません。

同様に、回答者が社会的に受け入れられる回答を提出しなければならないと感じるような場合は、データに率直な意見が反映されません。

アンケートの配布方法が適切でない場合も、バイアスにつながります。たとえば、地域で活動しているNPOが、コミュニティの問題点に関するアンケートをオンラインのみで配信した場合、インターネットをあまり利用しない高齢者が排除されてしまうため、コミュニティ全体の声が正確に反映されなくなります。

市場調査やカスタマーフィードバック調査、世論調査では、アンケートバイアスがよく見られます。個人的な考えではなく現実に基づいてデータドリブンな意思決定を行うためには、バイアスを認識し、軽減することが不可欠です。

アンケートにおけるバイアスは、結果を歪め、次のような形で調査に大きく影響を及ぼします。

  • 現実を反映しないデータ: 軽視されているグループを調査対象に含めないと、母集団全体を正しく反映したアンケート結果になりません。たとえば、大学で成績優秀な学生のみを対象に満足度調査を行った場合、苦労している学生の悩みを見落としてしまい、大学側での判断ミスにつながる可能性があります。
  • 間違ったビジネス戦略: バイアスのあるデータに基づいて意思決定を行うと、効果的なマーケティング・商品開発ができません。偏った標本からの要望に焦点を当てた場合、幅広い層のニーズを無視することになる恐れがあります。このような形でリソースの配分を誤ると、製品の普及が進まず、財務的損失を招く可能性があります。
  • 不適切な政策決定: 企業や政府が効率の悪いポリシー・政策を策定してしまう可能性があります。たとえば、ある都市が自動車所有者のみを対象に公共交通機関に関するアンケートを行った場合、公共交通機関利用者のニーズが見落とされ、サービスが行き届いていないコミュニティのアクセシビリティに関する問題が未解決のままになります。
  • 信頼の低下: アンケートデータに偏りがあるという印象を与えてしまうと、組織に対する関係者からの信頼が損なわれます。誤ったデータに基づいて意思決定を行っていると思われた組織は、顧客・従業員・投資家から信頼してもらうことができません。

確信を持って関係者にインサイトを提示するために、早い段階でアンケートバイアスに対処し、それらを排除して、調査手法を改善する方法をご紹介します。

ノートパソコンでグラフを見る女性

アンケートバイアスには、主に3つの種類があり、課題や影響がそれぞれ異なります。

  1. サンプリングバイアス
  2. 回答バイアス
  3. インタビュアーバイアス

アンケート調査に潜むバイアスを理解し、対策を講じることは、代表性の高い標本から正確なフィードバックを得るために重要です。

バイアスの各種類とそのサブカテゴリーを順に見ていきましょう。

サンプリングバイアスは、アンケートの配布方法が原因で特定のグループが除外されてしまう場合に生じるバイアスです。 

このバイアスを効果的に減らすには、アンケートプロセスを慎重に見直し、誰もが参加できるようなサンプリング手法を使用しましょう。

サンプリングバイアス(標本バイアス)の例:

無回答バイアスは、特定の属性を持つグループがアンケートに回答しない場合に発生します。

たとえば、HRがメールで従業員満足度アンケートを送信した場合、エンゲージメントの低い従業員や不満を感じている従業員が回答を避けてしまい、大きく偏ったフィードバックになる恐れがあります。 

世論調査も、若い有権者などの特定の層で回答率が低い場合、高齢層に偏った結果になる可能性があります。

生存者バイアスは、あるプロセスを無事に完了した人だけを対象とし、脱落した人を無視した場合に生じます。 

たとえば、固定客のみを対象にアンケートを行った場合、満足できずに離れていった顧客を見落とすことになり、顧客満足度の評価が正確でなくなります。

回答バイアスとは、アンケートの設計や外的条件が原因で回答者が不正確な回答または誤解を招く回答をしてしまう現象です。

アンケートを効果的に作成すれば、率直な回答が得られやすくなり、回答バイアスの克服に役立ちます。

極端な回答のバイアスは、回答者が最も高い、または最も低い選択肢ばかり選び続ける場合に生じます。参加者がリッカート尺度の質問で「まったくそう思わない」や「大いにそう思う」だけを選択する場合などです。

極端な回答は、満足度アンケートによく見られ、回答者が中間の選択肢を避けて極端な回答を選びます。たとえば、従業員エンゲージメントアンケートでは、従業員が前向きなフィードバックを求められていると感じ、異常に高いスコアが示されることがあります。

中立的な回答のバイアスとは、回答者が自分の意見の強さに関係なく、極端な回答を避けて常に中間的な選択肢を選ぶ現象を指します。 

あまり批判的にも熱心にも見られたくない回答者は、顧客フィードバックアンケートで中立的な回答にとどめる可能性があります。

確証バイアスとは、回答者が本心とは関係なく質問文に同意する場合に生じます。たとえば、従業員満足度アンケートでは、回答者が習慣的に、あるいは対立を避けるために、自分の意見とは違っても「同意する」を選択することがあります。

質問順序バイアスは、アンケート質問の順序が回答者の答えに影響を及ぼす場合に発生します。 

たとえば、アンケートでまず総合的な仕事の満足度について質問し、次に具体的な福利厚生について質問したとしましょう。その場合、回答者は、2つ目の質問に答えるときに、最初の質問に対する自分の回答に合わせようとする傾向があります。 

社会的望ましさバイアスとは、回答者が本音ではなく社会的に望ましいと思われる答えを選ぶ現象です。

たとえば、健康に関するアンケートを実施した場合、回答者がより健康的に見られたいと考え、喫煙やファーストフードの消費といった不健康な行動を過少に報告することがあります。

インタビュアーバイアスとは、インタビュアーの振る舞いや口調、言い回しが回答に影響を与える現象を指します。 

インタビュアーバイアスは、インタビュアーの熱意や質問の構成、表情やボディランゲージなどの非言語的なサインが原因になることもあります。

このバイアスは、回答者がインタビュアーの何気ないサインに影響され、無意識に回答を変えてしまう現象を指します。たとえば、インタビュアーが特定の商品について熱心に話すと、肯定的なフィードバックが返ってくる可能性が高まります。

報告バイアスは、データ分析の際に特定の回答をえり好んで強調したり無視したりすることで生じます。たとえば、企業がポジティブな顧客の声だけを強調し、ネガティブな反応を軽視した場合などです。

アンケートの実施方法には、バイアスが生じやすいものとそうでないものがあります。どの方法が最適かは、最終的にはアンケートの目標やターゲット層、利用可能なリソースによって決まります。

アンケートには次のような実施方法があります。

  • オンラインアンケートは、意欲的な人しか参加しないため、人気があります。一方、関心が薄い人はアンケートを無視しがちです。
  • 電話アンケートは、聞き手がいるため、回答者が社会的に望ましい回答をしなければならないように感じ、バイアスが生じやすくなります。
  • 対面アンケートでは、インタビュアーバイアスが生じやすくなります。インタビュアーのボディランゲージや口調、言い回しが、回答内容に影響を与える可能性があります。
  • 郵送アンケートでは、未回答率が高くなる傾向があるため、特定のタイプの回答者のみが調査に応じ、結果として未回答バイアスが生じる可能性があります。
  • パネルアンケートでは、参加者が疲れた場合に回答バイアスが生じます。パネルへの参加期間が長くなるにつれて、あまり考えずに回答するようになる可能性もあります。
  • 無作為抽出を活用: 手軽に集まる標本を使うのではなく、参加者を無作為に抽出することで多様性を確保します。適切な標本を選ぶことは、有効かつ率直な回答を得るために不可欠です。
  • 標本サイズを拡大: より大規模で多様性のある標本を使えば、バイアスを最小限に抑え、母集団を正確に反映した結果を得ることができます。
  • 層化抽出法を採用してデモグラフィックのバランスを取る: 層化抽出法では、回答者に選ばれる機会が所定の母集団の個人全員に均等に与えられます。研究者やアナリストは、ターゲット集団について有効な結論を導くために層化抽出法を使用します。
  • 複数のチャネルでアンケートを配信: より幅広い対象にアプローチするため、オンライン・電話・対面など、複数の実施方法を使用します。
  • 中立かつ明確な質問を使う: 回答に影響を与える誘導質問、二重質問、多重質問は避けます。
  • 専門用語を使わない: 質問が全回答者に同じように解釈されるよう、わかりやすく簡潔な表現を心がけます。
  • 質問の順序をランダム化: 質問順序バイアスを抑え、前の質問が後の質問の回答に影響を及ぼすのを防ぎます。
  • 匿名性を確保: 回答が匿名であれば、回答者が正直に答える可能性が高まります。
  • バランスの取れた評価スケールを使う: 回答の選択肢に均等に重み付けすることで、極端な回答バイアスを防ぎます。
  • インタビュアーの適切なトレーニング: 対面や電話でアンケートを実施する場合は、質問や言い回しで回答に影響を及ぼさないようにインタビュアーをトレーニングする必要があります
  • パイロットテストを実施: 本番前に、小規模なグループを対象にテストを実施してバイアスの有無を確認し、必要に応じて調整します。

アンケートバイアスを防ぐには、調査チーム全員の協力が不可欠です。調査計画を立ててよくあるアンケート質問のミスを避け、定期的に回答を確認してバイアスを発見・修正しましょう。

バイアスのかかった調査質問は、誤解を招く回答や歪んだデータにつながります。バイアスを見つけて修正するのに役立つ調査質問例をご紹介しましょう。

誘導質問は、ある意見を他より良く見えるように提示することで、回答者が特定の方向で答えるよう促します。このような質問は、意図せず参加者を特定の回答に導き、アンケート結果を歪めてしまうことがあります。

  • 例: 「当社の製品は市場で最高の製品だと思いませんか。」
  • 良くない理由: 誘導質問は、回答者の考え方に影響を及ぼして、バイアスを生じさせます。回答者の正直な意見ではなく、アンケート作成者が求めている内容を反映した答えになってしまいます。
  • バイアスのない質問例: 「当社の製品を競合製品と比べてどのように評価しますか。」

二重質問とは、1つの質問で異なる2つの内容について尋ねていて、回答者にとって正確に答えるのが困難な質問を指します。

  • 例: 「当社のWebサイトは使いやすく、見た目も良いと思いますか。」
  • 良くない理由: 回答者が同時に2つの要素を評価しなければならないため、集まったデータは曖昧で信頼性の低いものになります。
  • バイアスのない質問例: 「当社のWebサイトの使いやすさを評価してください。」(デザインについては別の質問で尋ねます。)

何らかの前提が含まれているために回答者が特定の方向で回答しなければならない質問を、多重質問と呼びます。

  • 質問例: 「ソーシャルメディアの有害な影響についてどう思いますか。」
  • 良くない理由: 多重質問は、偏った前提を含む表現を通じて回答を操作してしまいます。
  • バイアスのない例: 「ソーシャルメディアの影響について、どのようにお考えですか。」

バイアスに優先的に対処して、それらを排除すれば、信頼性が高まり、より効果的な戦略を立てて、精度の高いデータを得ることができます。アンケート作成のベストプラクティスに従って事前にバイアスを排除しましょう。 

SurveyMonkeyアカウントを作成すれば、効率的かつ効果的なアンケートを作成して信頼性の高い正確なインサイトを得ることができます。

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