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使用実態調査(U&A調査)は、市場調査分野で広く実施されているアンケート調査の一形態です。ターゲット市場を深く理解し、誰が何をどこでどの頻度で購入しているかを把握し、意見・意識と消費習慣の関係を調べるのに役立ちます。次のような一般的な問いに対して、答えを見つけることができます。
U&A調査は、どの問いに答えるかによって主に4つのタイプに分類されます。ニーズに合わせてアプローチを選びます。1つのアプローチを採用することも、複数を組み合わせることもできます。
SurveyMonkeyのU&Aソリューションでユーザーの動機やニーズを特定しましょう。
U&A調査のメリットの1つに、さまざまに応用できる高い汎用性が挙げられます。特に、次のようなニーズがある場合は、U&A調査の実施を検討します。
製品やサービスに対する購入者の考えは刻々と変化し、それにつれて購買行動も変化します。使用実態の変化は、製品・サービスの提供者と消費者の間で行われる(マーケティングキャンペーンなどを通じた)やり取りだけでなく、競合他社の行動や、市場環境に生じる変化などに影響されます。その良い例がコロナ禍です。たとえばアルコール飲料のメーカーは、家飲み需要の影響でワインやお酒の販売量が増えただけでなく、消費者1人あたりの平均支出額も増えたことに気づきました。消費パターンにこのような変化が見られる場合や、業界が何らかのショックや破壊を経験した場合は、消費者の使用実態を詳しく調べ、それに基づいて次のステップを計画する必要があります。
消費者が製品を家に持ち帰ってくれれば販売は終わりかと言えば、そうではありません。
売る側は、販売を促進するという目的にばかり気を取られ、購入された製品が消費者の生活にどのように組み込まれていくのかを把握していないことがあります。しかし、使用実態を深く理解することは、顧客に適した製品を販売するためだけでなく、さらなるニーズを満たして今後の売上を増やすためにも重要です。 たとえば、主力製品が家庭用トレッドミルだとしましょう。置いている部屋や、使用頻度、家族が交代で使っている様子など、消費者の使用実態について時間をかけて調べることで、今後の製品開発やマーケティングキャンペーンの参考となるようなインサイトが得られます。たとえば、子どもも使いたがっているがサイズが合わなくて使えない、というような回答があった場合は、子ども向けのトレッドミルを開発するきっかけになります。
U&A分析のもう1つの目的は、ターゲット層における製品の需要を測定し、ブランドの位置付けや提供製品を改善して販売促進に適した態勢を整えることです。たとえば、ヨガマットの販売店が、市場を初心者にも拡大したいとしましょう。U&A調査を実施して、ヨガの全体的な需要や、使用場所(自宅で、あるいは教室で)、用途(ポーズの種類)を調べれば、初心者向けに、よく行われているポーズでの足の位置をプリントしたマットなどを開発するなど、顧客のニーズを満たす革新的な製品を作ってブランドへの関心を高めることが可能になります。
新しい製品ラインの開発や大規模な広告キャンペーンへの投資、ブランドの拡大、新市場への参入といった大きな変化に備えるときは、U&A調査が不可欠です。顧客基盤やその使用パターン、競合他社を含む各種ブランドに対する顧客の意識について、深い理解と最新の知識を持っていなければ、プロジェクトの成功を確信することはできません。U&A調査を実施すれば、そのような知識を得て戦略の策定と最適化に役立てることができます。
全体に、U&A調査の実施は、ブランド・製品戦略の最適化による事業拡大・成長の機会を特定する上で有効です。では、U&A調査の方法を見ていきましょう。
U&A調査を実施する方法は、いくつかあります。しかし、最も効果的なのは、従来型のコンバージョンファネルに従う方法で、市場の大まかな理解から始めて、製品の特定の用途や特定のブランドイメージなどに絞っていきます。各段階を見てみましょう。
U&A調査からは極めて有意義なデータが得られますが、最初のハードル、つまり適切な標本を得る段階で失敗する企業が少なくありません。重要なのは、データ収集の対象となる標本が、顧客ベースを真に代表していることです。たとえば、標本が、ネットショッピングよりも実店舗での買い物を好む中高年齢層に偏っていると、市場の意識や行動を評価しても有効な結果は出ません。そのため、顧客のデモグラフィックやサイコグラフィック(心理的属性)、行動を正確に反映した標本を用意する必要があります。そのような標本を用意する術がない場合は、SurveyMonkeyで提供されているオーディエンスを利用すれば、性別・収入・雇用状況などを基準にして標本を細かく調整することができます。
一般的集団(中規模標本)
正社員
購入者
U&A調査が、今後行うマーケティング上の意思決定において基準となるように、U&A調査の冒頭部分は、後に続く部分の参照点となります。回答者に、特定のカテゴリーで(ヒントなしで)思い浮かぶブランド・製品を挙げてもらうと、競合他社と比較したときのブランドの認知度や、最近のマーケティングキャンペーンの効果がかなり確実に評価できます。
次に、アンケートを使って特定の製品・ブランドの使用実態を調べます。その際に有効なのが助成想起です。たとえば、回答者に競合するブランドの一覧を提示し、知っているブランド、現在使用しているブランド、使用を検討したことがあるブランドを答えてもらいます。
ブランドの知識や使用について聞いたら、次は、顧客が自分のブランドや競合ブランドに対してどのようなイメージを持っているかを調べます。たとえば、ハイブランド品を扱うネットショップを始めた人なら、実際に顧客もハイブランドというイメージを持っているか、さらに高級とみなされている競合ショップがあるか、という点を調べます。ブランドの立ち位置がどのように認識されているかを聞くことで、市場におけるブランドの位置や競争力を把握することができます。
既知の市場で既存の製品・サービスを販売する場合でも、新製品を開発する場合でも、大切なのはターゲット層である消費者のプロファイルを念頭に置くことです。U&A調査を実施して顧客のニーズや要望、問題を把握すれば、顧客がどのような人たちで、何をどのような理由で求めているのかを深く理解できます。このようなインサイトは、選択回答形式と自由回答形式のどちらの質問でも得られます。たとえば、自由回答形式であれば次のような質問をします。
選択回答形式なら、次のような質問が考えられます。
SurveyMonkeyのU&A調査ソリューションを使ってターゲット市場のニーズを深く理解しましょう。
名前からわかるとおり、U&A調査の質問は、カスタマージャーニーの各段階における消費者の意識や行動について調べることを目的とします。つまり、製品に対するイメージや感情、日常生活における製品の用途などに注目します。たとえば、次のようなシンプルな質問も適しています。
この質問をするだけで、消費行動に従った市場セグメンテーションが可能になります。市場を、時々インターネットで購入する人、インターネットではまったく購入しない人、毎日インターネットで購入する人の3つに分けることができます。これらの回答に加えて、ネットショッピングでの消費者体験に関する回答やネットショッピング全般に対する意識を分析すれば、何度でも、各セグメントのニーズを満たし、新しい製品・サービスのターゲットを適切なセグメントに設定し、常に顧客の高い満足度を保証するのに役立つ深い洞察が得られます。
U&A調査の目的は、自分のブランドや製品カテゴリに対する消費者の意識を調べるにとどまりません。 比較する質問を通じて、競合他社と比較したときの位置付けを正確に把握できます。たとえば、競合する製品やブランドの一覧を提示し、好きな順にランク付けしてもらいます。あるいは、同じカテゴリーに属する複数の製品について、次のように相対的な属性を聞くこともできます。
購入・購買行動に関する質問は、販売を促進するための適切なプロモーション・プレイスメント・流通戦略を立てる上で重要です。有効な質問のタイプには次のようなものがあります。
U&A調査は、市場や顧客に関する深い理解を企業にもたらすという点で非常に価値の高い調査です。しかし、うまく設計しないと、結果の実用性が損なわれてしまいます。行動の指針となるようなインサイトが得られるように、以下のヒントを参考にしてU&A調査を作成しましょう。
最後にまとめると、U&A調査は、顧客の購入・イメージ・使用状況のパターンを調べるための調査で、製品・サービスのアピール度について理解し、今後の市場機会を特定するために役立ちます。今すぐ始めてみませんか?
典型的なサンプルにアンケートを送って、市場調査データを収集する
調査の専門家に市場調査プロジェクトをサポートしてもらう
分析やレポート作成の自動化によって、クリエイティブコンセプトや製品コンセプトをテストする