サマリー:
デモグラフィック質問を使い、年齢や性別、民族、収入、学歴、結婚歴、職業などを聞くことができます。この記事では、13の質問例と回答の選択肢、デモグラフィックデータの用途、デモグラフィックデータを収集する際のベストプラクティスをご紹介します。
どこに住んでいますか?職業は何ですか?収入はいくらですか?個人的な質問は不躾かもしれませんが、こうした質問からデモグラフィック情報を集めることは、ターゲット層を理解するための優れた方法です。
デモグラフィック情報は、ターゲット層を理解し、年齢・所得水準・最終学歴・地理的位置などの特性でセグメント化するのに役立ちます。これらのデータを使うと、メッセージのパーソナライズや、1人ひとりに合わせた顧客体験の提供、顧客に寄り添った製品の開発が可能になります。
この包括的なガイドでは、デモグラフィック情報とは何か、なぜ収集する必要があるのか、質問はどのように作成すべきかをご説明します。
デモグラフィックとは、人々を分類する際の基準となる特性または属性を指し、年齢・性別・所得水準・最終学歴・民族・結婚歴・雇用状況などがそれに該当します。
デモグラフィック情報は、母集団に見られる傾向やパターンの特定に役立ちます。企業は、マーケティング戦略から製品ロードマップまで、あらゆる意思決定の土台としてデモグラフィック情報を利用できます。
ここで、デモグラフィックデータの例をいくつかご紹介しましょう。
SurveyMonkeyのオンラインパネルを利用して回答者を選び、特定の層からデータを集めましょう。
SurveyMokeyには専門家が作成したアンケートテンプレートが多数揃っており、そのまま使用することも、参考にして独自のアンケートを作成することもできます。
質問バンクにある承認された質問を使えば、アンケートにデモグラフィック質問を追加できます。これは、大規模なアンケートに特定のデモグラフィック質問をいくつか含めたいときに適した方法です。
では、質問の例をご紹介しましょう。
最もよく使われるデモグラフィック質問の1つが、年齢区分を聞くものです。年齢は、市場調査でのセグメント化や医療調査、顧客識別などで必要となる情報です。
年齢に関するデモグラフィック質問をすると、ターゲット層をセグメント化して各年齢層に合った戦略を立てることが可能になります。セグメントは、顧客ニーズの今後のトレンドを予測する際にも役立ちます。
例: 該当する年齢区分を選択してください。
アンケートで使う年齢区分には、さまざまな種類があります。5年あるいは10年で区切ったり、団塊・ミレニアル・X・Zといった世代の名称を使ったりします。どの区分を使うかは、アンケートの目的に合わせて決めることができます。
年齢はデリケートな話題なので、年齢に関する質問を作成するときは次のヒントを参考にしてください。
アンケートで民族について聞くと、ターゲット層の文化的背景や嗜好、ニーズなどに関する貴重なインサイトが得られます。民族情報は、戦略のギャップを特定してよりインクルーシブな戦略・製品の開発する上で役立ちます。
例: ご自分の民族は次のどれに当てはまると思いますか。
プロのコツ: 最後の質問のようなデモグラフィック質問では、「その他(具体的に)」という回答選択肢を追加し、回答者が自分の定義を記入できるテキストボックスを用意するとよいでしょう。
性別を聞く質問をアンケートに含めることで、ターゲット層の中にどのような性別のグループがあり、どのような観点・経験を持つのかを理解できます。女性が好む製品・サービスが、男性やノンバイナリーの人には受けないこともあれば、その逆も考えられます。
例: 性別を教えてください。
最後の選択肢には、回答者が自分の定義を記入できるテキストボックスが必要です。
消費者の結婚歴を調べれば、その人が人生のどの段階を迎えているか、どのような社会的状況に置かれているかがわかり、ニーズや嗜好を探ることができます。消費者のニーズに合わせてサービス・製品を開発するのに役立ちます。
たとえば旅行会社は、シングルやカップル、家族が求める「理想の休暇」が異なることを理解し、それぞれに合ったパッケージを提供するでしょう。同様に、金融機関であれば、シングル・夫婦・離婚経験者に対し、それぞれのニーズに的を絞ったファイナンシャルプランを設定できます。
例: あなたの婚姻状況は現在、既婚・未亡人・離婚・別居・未婚のどれですか。
デモグラフィックアンケートで最終学歴について質問すると、ターゲット層の知識ベースやスキル、潜在的稼働能力などに関する貴重なインサイトが得られます。
例: 最終学歴または最終学位を教えてください。
雇用状況について質問すると、その人の経済状況、ひいては購買行動やニーズ、優先事項に関するインサイトが得られます。しかし、これはデリケートな質問でもあります。回答しないという選択肢を用意することを検討しましょう。
雇用に関するデモグラフィック質問には、次のような例があります。
あなたの雇用状況に最も近いものを以下のカテゴリーから選んでください。
世帯収入とは、同じ家に住む全員の収入を合わせたものです。このデータからは、顧客の購買力を把握することができます。デリケートな話題なので、回答の選択肢は範囲で表現し、答えないという選択肢も用意しましょう。
例: 昨年の世帯収入を教えてください。
住居形態とは、その人の住居が持ち家か、賃借か、その他の形態かを表します。顧客の住居形態を知ることで、現在の住所の安定性を測ることができます。
例: あなたの現在の住居形態に最も近いものを以下の中から選んでください。
デモグラフィックアンケートで言語について質問すると、回答者が普段使っている言語を特定できます。それにより、適切な言語で連絡が取れるようになり、メッセージが確実に伝わります。言語に関するデータに基づいてマーケティングのローカライズや翻訳を行えば、その人の文化的背景に合った、ターゲットを絞ったコミュニケーションが可能になります。
例: 家庭ではどの言語で会話していますか。
家族・扶養家族についての質問では、その人と同居している18歳未満の子どもの数を確認します。それにより、顧客の優先事項や関心事についてインサイトが得られます。
たとえば、顧客の多くに小さな子どもが複数いることがわかったなら、製品やメッセージを調整し、子育てや家庭生活での優先事項やありがちな問題に直接対処した内容にすることができます。
例: 同居している子ども(17歳以下)の人数を教えてください。
メディア消費習慣に関する質問では、ターゲット層がどこから情報を入手しているかを特定します。どのプラットフォームでどのようなコンテンツを消費しているかがわかれば、それに応じて広告やコンテンツを戦略的に配置できます。
例: 現在、政治関連の情報をどこで入手していますか。
デモグラフィックアンケートで宗教について質問すると、ターゲット層の中にどのような宗教・信仰・信条を持った人がいるかを理解することができます。それにより、ターゲット層の宗教的伝統に合わせてコンテンツや製品をカスタマイズすることが可能になります。
ただし、これはとても個人的な質問なので、慎重に質問文を作成するだけでなく、回答しない選択肢も用意するようにしましょう。
例: 次のいずれかの宗教を信仰していますか。(当てはまるものをすべて選んでください。)
政治的信条について質問すると、顧客の価値観や優先事項に関するインサイトが得られます。それにより、その人の世界観に呼応するメッセージや製品の提供が可能になります。
さらに、顧客の政治的信条がわかれば、その人に合わないメッセージを送ってしまうことがなくなります。これもデリケートな質問なので、慎重に質問文を作成するだけでなく、答えない選択肢も用意するようにしましょう。
例: ご自分の政治的見解は次のどれに当てはまると思いますか。
デモグラフィック情報は、マーケティングから事業開発、製品計画まで、さまざまな用途に利用できます。デモグラフィックデータを利用することで、ターゲット層に共感してもらえる可能性が高まります。
たとえば、ターゲット層の多くが、独身の女子大生ではなく裕福な既婚男性だと判明したなら、マーケティング戦略はガラッと変わるでしょう。新しくターゲットとなったデモグラフィック属性に合わせてメッセージや製品を調整する必要があります。ターゲット層を理解することは、ビジネスで成功を収めるために不可欠です。
ビジネスにデモグラフィックデータを利用する効果的な方法をいくつかご紹介しましょう。
バイヤーペルソナとは、購買層の典型です。バイヤーペルソナを作成するプロセスで、顧客の好きなものや嫌いなもの、購買行動などを分類し、理想の顧客像を把握することができます。
市場の変化を止めることはできなくても、変化に対応することはできます。デモグラフィック質問は、市場のトレンドを特定し、事業を調整して市場の変化を先取りするのに役立ちます。
デモグラフィック質問を利用すると、適切な購買層をターゲットにすることができます。たとえば、製品が男性より女性に好まれていることが判明するかもしれません。
銀行の用紙やアクティビティーの登録フォームに書き込んだときのことを思い出してみてください。近くにいる人に見られないように、手で隠したり、書き終わった用紙を裏返したりしたことがあるでしょう。なぜなら、デモグラフィックデータは個人が特定できる情報で、あまり大っぴらにしたくないものだからです。
それを考えると、デモグラフィック情報を収集するアンケートは、ベストプラクティスに従って作成することが不可欠です。以下のヒントは、高い完了率を実現して高品質なデータを得るのに役立ちます。
どのようなアンケートを実施する場合でも、明確な目標を設定することが重要です。デモグラフィック情報から何を知りたいのかを定義しておけば、質問文が作りやすくなります。目標に沿った質問を作成して、関連性の高い、実用的な回答を入手しましょう。
冒頭でアンケートの目的を簡単に説明し、集めた情報がどのように使われるかを回答者に伝えましょう。たとえば、「お客様に対する理解を深め、お客様のニーズを把握したいと考えております。寄せられた情報は、製品やサービスを適切に構成してお客様に満足していただくために役立てられます」といった説明です。
いろいろなデモグラフィック質問をしたくなるかもしれませんが、数を抑えてください!アンケートが長くなると、回答者にアンケート疲れが生じやすくなります。その結果、回答の質が低下したり、回答者がアンケートを途中でやめたりしかねません。簡潔なアンケートを作成するコツを覚え、高い完了率と高いデータ品質を実現しましょう。
回答者に対して思いやりを持ちましょう。デモグラフィック質問は、性別・収入・居住形態から宗教・政治的信条まで、回答者のアイデンティティーに関わる個人的な内容を扱います。インクルーシブな言葉遣いを心がけてください。また、質問に答えない選択肢を用意することも検討してください。
アンケートはわかりやすいことが大切です。わかりやすいアンケートなら、質の良いデータが得られるだけでなく、完了率も高まります。専門用語を使わずに、シンプルで理解しやすい質問を作成しましょう。
個人的な質問をするタイミングを見極めましょう。対面での会話と同じように、まず回答者と友好的な関係を築いてから、個人的なことを聞くようにします。
関連トピック: アンケートでデリケートな質問をする方法
デモグラフィック質問で年齢や収入を聞くときは、回答者に数値範囲を選んでもらうのが普通です。この数値範囲を作成する際、範囲が重複しないように気を付けましょう。たとえば、50~59歳という年齢範囲を作成したら、次の範囲は59歳ではなく60歳から始まらなければなりません。そうすれば、回答者が混乱することもなく、正確なデータが得られます。
個人情報の提供をためらう人は少なくありません。それに該当するデモグラフィック情報として、所得水準、雇用状況、人種、民族などが挙げられます。一般的な傾向を調べるのであれば、回答を匿名にして、それを参加者に伝えましょう。
アンケートは、誰もが、どの手段を使ってでも簡単に回答できることが大切です。そのために、米国のアクセシビリティー基準であるリハビリテーション法508条と欧州アクセシビリティー法に沿ったアンケートテンプレートが用意されています。また、スマホ・タブレット・PCなど、どのデバイス上でもスムーズに動作することが重要です。
関連トピック: SurveyMonkey使用時のアクセシビリティー
アンケートで個人的な質問をするのは難しく思えるかもしれませんが、デモグラフィックデータにはさまざまなメリットがあります。デモグラフィックデータの大きなメリットをいくつかご紹介しましょう。
デモグラフィック質問の主なメリットの1つに、マーケティングや製品開発、カスタマーサービス戦略のパーソナライズが可能になることが挙げられます。
関連トピック: マーケティングデモグラフィック
デモグラフィックに関するインサイトは、市場のトレンドを特定し、消費者行動の変化を予測し、新たな成長機会を発見するのに役立ちます。その結果、新しい製品機能、サービスの拡張、価格調整などを検討する際、データを基にターゲット層に合った決定を下すことができます。
アンケートにデモグラフィック質問を加えると、マーケティング予算をより有効に活用し、投資収益率(ROI)を高めることができます。顧客のデモグラフィック属性や出身地、嗜好がわかれば、的を絞ったマーケティング戦略を立てて良い結果につなげることができます。
ターゲットを絞ったキャンペーンにより、意図した消費者層にリーチする可能性、共感してもらえる可能性が高くなります。その結果、同じマーケティング予算でより高い成果(コンバージョンレートなど)を上げることができます。
デモグラフィックに関する質問がどのようなものかわかったところで、すぐに使用できるデモグラフィックアンケートのテンプレートをチェックしてみましょう。
以下のテンプレートには、SurveyMonkeyのアンケート方法論の専門家が作成したデモグラフィック質問が含まれています。
※一部のデモグラフィックテンプレートは現在英語版のみ提供されています。
6つの質問で、回答者の性別、年齢、学歴、雇用状況、世帯収入、人種について質問します。米国のデモグラフィック(簡易版テンプレート)をぜひご覧ください。
簡易版テンプレートの6つの質問に加え、居住地、住宅、結婚歴、企業や農場の所有、個人収入を加えた、合計11問から成ります。米国のデモグラフィック(完全版テンプレート)をぜひご覧ください。
2つの簡潔な質問で回答者の雇用状況と職種がわかります。雇用テンプレートをぜひご覧ください。
性別、所得、人種、生徒との関係など、デモグラフィックに関する16の基本的な質問により、学校コミュニティーの構成を把握します。教育機関デモグラフィックテンプレートをぜひご覧ください。
10の質問で、顧客リストにある会社の創業年や本社所在地、従業員数、拠点数などを調べ、理解を深めます。ファーモグラフィックテンプレートをぜひご覧ください。
このB2Bアンケートテンプレートは、ビジネスクライアントによるエンドカスタマーの理解を助けます。デモグラフィック質問には、年齢、性別、最終学歴、雇用状況、世帯年収、婚姻・家族状況、住居、ビジネス、農場の所有状況が含まれます。ターゲット市場デモグラフィックテンプレートと典型的な顧客のデモグラフィックテンプレートをご覧ください。
デモグラフィック質問に関するこの包括的なガイドに目を通したら、後は実行に移すのみです。今すぐアンケートを作成しましょう。複数のアンケートを作成し、さまざまなSurveyMonkeyツールを利用するなら、適切なプランを選ぶことが大切です。
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