優れたオンラインアンケートを作成するために重要なのは、選択回答形式と自由回答形式の質問を効果的に使用することです。
使用方法を見る前に、それぞれの定義をはっきりさせましょう。
選択回答形式の質問 とは、回答者が選ぶ選択肢があらかじめ作成されているものです。また、 自由回答形式の質問 とは、回答者が自分の言葉でフィードバックを提供するものを指します。
両タイプの質問をより詳細に見て、それぞれの長所と弱点を確認し、どのようなときに使用するかを理解しましょう。
選択回答形式の質問は、自由回答形式の質問より簡単に完了できます。なぜなら、選択回答式の質問では可能な回答がすべて挙げられており、自分の回答を考えるという手間が省けるからです。
そのため、質問したいことに対してあまり興味がないかもしれない回答者に向けてアンケートを作成するときは、選択回答形式の質問を使用するのが得策です。回答者にとって回答しやすいだけでなく、完了率も高くなります。
統計的に有意なデータが欲しい場合は、選択回答形式の質問を使いましょう。さきほどの例に戻ってみると、選択回答形式の質問を使用した場合、「回答者の70%が夕食にスパゲッティを選び、30%がハンバーガーを選んだ」といったデータが得られます。
選択回答形式の質問は、容易に数値化できるデータの作成を目的としているため、自然と断定的なものになります。質問を容易にコード化できるので、アンケート結果の統計的有意性を証明したい場合にとりわけ役に立ちます。さらに、選択回答形式の質問で得られた情報を使うと、選択したオプションに基づいて回答者をいくつかのグループに分類することも可能になります。
言い換えると、デモグラフィック調査を行うことも可能になるのです。その利用価値とは何でしょうか。
たとえば、デザイナーズブティックのマネジャーが、特定のタイプの人について、他の人たちよりも、店舗で服を購入する確率が高いと考えているとしましょう。どのセグメントグループが一番顧客になりやすいかを明らかにするため、マネジャーは、店舗の訪問者を対象に選択回答形式のアンケートを作成しようと考えます。このアンケートには、性別、年齢、雇用状態、その他に知りたい回答者情報が選択回答形式の質問で入っているでしょう。さらに、店舗の訪問回数や1年間に費やす金額についても質問する可能性があります。質問はすべて選択回答形式なので、マネジャーは回答を簡単に数値化し、典型的な顧客のプロフィールを特定することができます。このケースでは、最も頻繁に来店する顧客は女性の学生で、18~25歳ということがわかるかもしれません。マネジャーは、アンケートで得た知識に基づいて、その層の満足度を高める方法や、他のターゲット層にリーチする方法について検討することができます。
選択回答形式の質問の難点は、アンケートを作成する前に、調査者が質問のトピックを明確に理解し、その質問が調査対象のテーマ全体にどう関係しているかを把握している必要がある点です。そうでないと、回答選択形式の質問は、十分な選択肢が用意されていない、質問が調査者の目的を適切に反映していない、情報が限定されているか誤っている、という事態になりがちです。
SurveyMonkeyのオンラインAudienceパネルを使って任意の規模のグループにアンケートを送信しましょう。
たとえば、「車、バス、徒歩のいずれで通勤しますか?」という質問をした場合、カープールや自転車、運転者を交代しての相乗り、その他自分の意識の中にない交通手段がうっかり抜けてしまったことになります。「どのような手段で通勤しますか?」という自由回答形式の質問をしたなら、限られた選択肢から選ばせたときと違い、あらゆるタイプの回答が得られるでしょう。
自由回答形式の質問は、探究的で、内容の充実したデータを提供してくれます。調査者は、あまり詳しくないトピックに関してもあらゆる意見を知ることができます。ただし、このような質問は質的であるため、結論を出すために必要な統計的有意性に欠けるという面もあります。
自由回答形式の質問では、回答者の批判的思考や自由な意見を訪ねるので、調査者があまり詳しくない分野で、専門家の意見を集めるのに適しています。たとえば、(自分があまり良く知らない)古代中国の歴史について知りたいときは、古代中国を専門とする歴史家に向けてアンケートを作成します。その場合、質問のほとんどは、大量の文章が書き込まれるであろう自由回答形式となり、専門家にその知識を披露する機会を提供することができます。
自由回答形式の質問は、複雑な統計分析が必要でなく、各回答者からより価値の高いインプットを得られる質的な質問になるので、小規模のグループに向いています。ここで大切なのは、グループが十分に小規模で、調査者が一つひとつの回答を読み、提供された情報を反映できることです。たとえばある上司が、チームを構成する6人の従業員からパフォーマンスフィードバックを得たいとしましょう。上司にとっては、自由に回答できる質問の方が、回答を限定する選択回答形式の質問より有用なものになるでしょう。
選択回答形式の質問の項目で述べたように、結論を引き出すためには、事前調査を行い、調査対象やアンケート構造、質問を正しく設定する必要があります。自由回答形式の質問では、調査者が今まで認識していなかった多様な意見や振る舞いに気付く可能性があります。そのため、自由回答形式の質問は、さらなる定量調査を行うための情報を得るうえで有効です。
アンケートの長さにかかわらず、自由回答形式の質問は、最後に残しておくと良いでしょう。これは、態度や意見、行動についての選択回答式質問で構成されているアンケートに特に当てはまります。選択回答式で答えるよう要求すると、回答者は選択肢の範囲に合わせなければならず、本当なら共有したい追加の情報や懸念などを伝えられないまま終わる可能性があります。回答者にコメント欄というはけ口を提供すれば、アンケートに記入する手間に対して十分な敬意を示すことができます。
自由回答形式の質問にも難点はあります。回答者の回答は、質的には充実しているケースがほとんどですが、提供された情報を処理するための手間は大幅に増えます。自由回答形式の質問が少人数の調査に向いているのは、そのためです。さらに、回答者の標本が母集団のわずかな一部である場合には、母集団を統計的に有意に推測できるようなデータを求めているはずです。そのようなケースには残念ながら自由回答形式の質問は適しません。なぜなら、一つひとつの回答が独自の意見とみなされるからです。
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