企業は往々にして、捉えたチャンスに直ぐさま対応しなければならないというプレッシャーを感じています。しかし、ある程度時間をかけて顧客のインサイトを集め、見込みのあるコンセプトを再確認することは、決して無駄ではありません。むしろ、確実に成果を上げるために必要な回り道と言えます。つまり、リスクが高いイノベーションには検証が必要です。
そこで今回は、この点について異なる方法で取り組んだ3つの企業のSurveyMonkeyサクセスストーリーをご紹介します。100年の歴史を誇る絵画用品のブランド、Sakura of Americaは、市場での存在感を一変させるかもしれない新たな小売チャネルへの進出に備えていました。Wave Deodorantの創業者らは、新たなレベルの天然素材を使用した製品を発売するために投資の準備を進めていました。そしてClickUpは、全米を沸かせる「ビッグゲーム」（アメリカンフットボールのシーズン最終戦）で初めて、数百万ドルをかけて1億1,300万人の視聴者の目に触れるコマーシャルを打つべきかどうか、考えあぐねていました。
リスクは明らかです。失敗すれば、ただリソースが無駄になるだけではありません。ブランドの評判に傷がつき、貴重な新規事業の資金が消え、大規模な広告投資が手痛い失敗に終わる可能性があります。そこでこの3社は、直感のみに頼るのではなく、調査で方針を検証することにしました。SurveyMonkeyの市場調査とフィードバックデータを次のように活用したのです。
メッセージテストで成功に導く
ClickUpの場合、数百万ドルの広告投資においてメッセージテストが重要な役割を果たしました。SurveyMonkeyを使用し、ビッグゲームの広告コンセプトを1週間足らずで5,000人超の回答者でテストしました。大量のフィードバックを手に入れることで、最もユーモラスで記憶に残るバージョンの広告が選抜されました。さらに、この調査で視聴者の言葉の連想についても分析し、会社名を覚えられなかった場合でもClickUpのWebサイトを見つけられるようにすることで、SEO戦略にも磨きをかけました。
同じくSakura of Americaも、自社のマーケティングメッセージが新たなターゲット層の心にも響くかどうかを検証する必要がありました。そこで実施した調査では、決定的なインサイトが明らかになりました。ペンを芸術的な道具ととらえる日本の消費者とは異なり、北米の潜在顧客の多くは、純粋に文字を書く道具と考えていたのです。これを踏まえ、Sakuraは創造的なブランドの伝統を維持しつつも、手頃な価格で大量に販売するタイプの小売店に向けた内容へとメッセージを調整することができました。
顧客の意識と行動を理解する
一方でWave Deodorantは、SurveyMonkey Audienceを利用して、多様な消費者500人を対象に、天然素材を使用したデオドラント製品についてアンケートを実施しました。結果は明確でした。創業者のChristine Jennings氏が日頃から抱えていた、天然素材のデオドラントはしばらくすると効果が薄れる、という不満を回答者の25%が同様に抱えており、60%がもっと良い製品を求めて1～6ヶ月おきにブランドを変えていると答えたのです。このデータは、Waveのビジネスコンセプトを検証しただけでなく、最も将来性ある販売チャネル（Webサイトでの直接販売とポップアップイベント）を特定することにも役立ちました。
Sakuraではさらに、使用状況と意識の調査を通じて顧客行動に関する貴重なインサイトを得ることができました。調査で北米の消費者の好みが日本市場とどのように異なるかを明らかにし、それに合わせて同社の製品開発・マーケティング戦略を調整したのです。
データで適切な価格ポイントを見つける
価格最適化調査では、3社すべてが有意義なインサイトを引き出しました。Wave Deodorantは、消費者が質の高い天然素材の製品に対して高い出費を厭わないことを発見しました。そのため、経営陣は革新的なマルチスティックデオドラントを市場で適切に位置づけることができました。
Sakuraは、製品開発、特にUV発光のゲルインキなどの新たなイノベーションに関する意思決定の指針として価格調査を活用しました。ハイエンドのペンのコンセプトテストでは、米国の消費者が$100の価格ポイントを高すぎると感じることが分かり、大きな失敗を回避することができました。
ビジネスの意思決定を検証することの重要性
この3つの事例はいずれも、ビジネスの重要な真実を示す良い例です。直感と革新的なアイデアには価値がありますが、データに基づいた検証にはもっと価値があるのです。Sakuraのように新たな市場に進出したり、Waveのように新規事業を立ち上げたり、ClickUpのように大規模な広告投資を行ったりする大切な局面で調査を行うことで、自信を持って確実に前進することができます。
SakuraのCasey Singh氏は言います。「SurveyMonkeyを利用することで、感情的な決断をしなくてすむようになりました。市場ではうまく行かないと思う、ではなく、市場でうまく行かない理由はこれです、それを裏付けるデータはこれです、と言えるようになったのです。」
次の決断を下す
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