表形式で複数の質問が表示されるマトリックス形式の質問は、オンラインアンケートでも、昔ながらの紙と鉛筆のアンケートでも、特に人気のある質問タイプの1つです。
アンケートの作成者にとっては、質問をまとめて提示できるため、質問文の作成もプログラミングも簡単です。一方の回答者にとっても、関連するすべての質問項目で尺度も回答選択肢も同じなので、一般的に理解(そして回答)が楽になります。
ただし、この非常にシンプルな見た目の裏に、実は隠れたデメリットがあるのでご注意ください。特に昨今はモバイル機器経由のアンケート回答数が右肩上がりなので、質の高いデータを確保するために、この質問タイプの主な落とし穴をきっちり押さえておきましょう。
マトリックス形式の質問は実に簡単に作成できるため、過度に使用される傾向があります。また、回答の選択肢を多くしすぎたり、質問の項目数や行数が増えすぎているケースも少なくありません。これでは質問も選択肢も読みにくくなり、回答者のモチベーションが下がるため、マトリックス形式の質問を早く終わらせるためだけにストレートライン(回答者が一行一行慎重に検討することなく、複数項目に同一の回答を選択すること)やランダムな選択といった、回答の質が下がる行動につながる恐れがあります。
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マトリックス形式にとらわれないためのヒント
実際にマトリックス形式の質問を見てみたいですか?お待たせしました!では、あるショッピングモールで衣料品店を経営している状況を想像してみてください。あなたは今、顧客満足度アンケートを作っている最中で、この店舗で1週間以内に購入した顧客全員に送信しようと計画しています。作成した最初の質問がこちら。
一見すると悪くないように見えますね。しかし、よく見ると、このマトリックス形式の質問にはすぐに改善できるポイントがいくつか見つかります。まずは、回答選択肢にある不要な「該当なし」の項目と各数字を消して、スッキリさせます。
後で行う分析で数値を用いたい場合は、アンケートの作成時に「ウェイトを使用」オプションを使ってみてください。そうすると以下のように、回答画面が読みづらくなることなく、分析で評価の平均値を確認できるようになります。
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優れたマトリックス形式の質問を書くための4つのコツ
- 回答選択肢を短くする(「回答選択肢」とは、1行目の横に並んだ各回答のことです)
- 回答選択肢を5個以内に抑える
- 質問項目の文章を短くする(「質問項目」とは、1列目の縦に並んだ各質問項目のことです)
- 質問項目も5個以内に抑える
もし、作成したマトリックス形式の質問が上のルールをすべて満たしていなくても、ご心配なく。質問文をそのまま使用できる方法があります。実際、ここで挙げた例もこのルールに完全に沿っているわけではありません。回答者が答えやすいように表示し、より正確なデータを入手するためには、マトリックスの質問を個別の質問に分けるか、大きなマトリックスをいくつかの小さなマトリックスに分割することで改善できます。
質問を個別化すると、このようになります。
マトリックスを小型化した形式がこちらです。
もう一点、モバイル機器についても考慮する必要があります。これについては、スマートフォンやタブレットを使用してアンケートに回答する人がますます増えているため、最近色々な記事でご紹介しています。マトリックス形式の質問を横並びに表示する方法は、スマホユーザーには適していません。上の顧客満足度アンケートで例に挙げたマトリックス形式の質問をそのままモバイル機器に表示したら、このように見えます。
見づらい、の一言に尽きますね。マトリックスの大きさに関わらず、モバイル機器での回答が大半を占めると予想される場合は、マトリックス形式を使用せずに、個別の質問に分けることを検討してください。少なくとも、モバイル機器でマトリックス形式の質問が正しく表示され、ボタンを楽にクリックまたはタップできるかどうかをテストすることが不可欠です。タップしにくい場合は、このようにしてはどうでしょう。
どうです?簡単でしょう?マトリックス形式で困ったら、いつでもSurveyMonkeyがお手伝いします!