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縦断調査の実施方法: 会社のパフォーマンスを長期追跡

アンケートは日常の一瞬を切り取るスナップ写真のよう。1つのアンケートから導き出せる結論は、ある場所にいるある集団の人びとのある一瞬についてのみ。そして大概、知らなければならないのはそれだけなのです。

しかし時には、アンケートをとった人びとがどのように変化しているのか理解したいと思うこともあるでしょう。その場合は、たった1つのアンケート、すなわちスナップ写真では足りません。そこで私たちは、縦断研究(longitudinal study)を行う必要があります。時間をかけて傾向を追跡して理解するためにアンケートを繰り返すのです。

人びとがどのように変化しているか知りたいなら、2つの方法があります。1つめはベンチマークで、異なるグループに同じ質問を時間をかけて尋ねて、どのように意見が変わるのかを知る方法です。2つめの方法は今回この記事で主に採り上げる方法で、縦断調査といいます。

縦断調査あるいは縦断アンケートを実施するときには、基本的に長期間、すなわち数週間、数ヶ月、あるいは数年の間、同じグループの回答者を追いかけます。

これが横断調査と異なる点で、横断調査ではそれぞれの回答者に1度だけアンケートに回答してもらいます。ただし、そのアンケート自体はベンチマークデータを収集するために複数回実施することがあります(すなわちスナップ写真アンケート)。

ところで、縦断調査の実施をお勧めする理由は何でしょうか?1968年に開始されたこちらの調査(これは現在も継続して実施されています)のように、回答者の一生にわたって変化を観察して(非常に一貫した!)回答者集団から結論を導き出すことをお勧めするからです。

数十年にわたる調査を近い将来実施するような市場ではないにしても、繰り返しアンケートを実施して回答者の態度と行動の長期的変化を追跡することはメリットになるかもしれません(因みに、同じ人びとに繰り返しアンケートを実施することをパネル調査と言います)。

たとえば、オンラインマーケターがニュースレターの新しいデザインに対する読者の反応を知りたいとします。

ただ単にデザインを変えた後に読者にアンケートを送る代わりに、まずは現在のデザインで気に入っている点(と気に入らない点)を尋ねるアンケートを送ってみましょう(これはいわゆるコンセプトテストの作成です)。こうすれば、得られたフィードバックを新しいデザインに取り入れることまで可能になります!

そして、新しいデザインのニュースレターを送信した後に、フォローアップのアンケートを送信してみます。同じ人にアンケートを行っているので、最初のデザインに対する態度や意見を2つめのデザインへの反応と比較できて、些細な違いも統計的に有意になります。もし異なるグループの人びとに対して2つの横断調査を実施したなら、有意差を見つけるためにこれよりも大きな変化を確認する必要があります。

読者のフィードバックに基づいてより多くの点を変更する場合には、さらに時間をかけてデザインに磨きをかけ、満足度が最初のデザインの満足度を下回らないように念を入れましょう。

SurveyMonkeyには、適切な回答者が何百万人も登録されています。

同じパネルでアンケートを繰り返す方法も回答者の態度や行動の変化を追跡しているときには上手くいく方法ですが、時として全く同じ人びとに繰り返し回答してもらうことが不可能な場合もあります。

そのような場合は、同じ人びとにニュースレターを送信していたとしても同じ意見は得られないかもしれません。ニュースレターをサブスクライブ解除してしまう人もいれば、新しい読者が増えることもあるでしょう。

そこで、ローテーション式パネル調査と呼ばれる方法を採り入れます。パネル調査の最初の標本の一部を徐々に交替させていって、新規読者を補充すればいいだけです(この場合、アンケートに回答したメーリングリスト内の人は簡単に追跡できます)。

これで、アンケートによって同じグループの人びとの意見の変化を捉えつつ、読者層全体(既存の読者も新規読者も)の意見を適切に捉えられます。

縦断調査を計画する際には、次の3点を頭に入れておく必要があります。

  1. 質問は、すべてのアンケートで一言一句同じにするのが賢明。例え同じ人びとに尋ねても質問の仕方を変えるだけで回答が大きく変化することが、研究で明らかになっています。傾向を最大限正確に調査するため、繰り返し行うどのアンケートでも全く同じ質問をするように最善を尽くす必要があります。
  2. パネル調査を計画する際は、最初のアンケートに回答してくれた人が必ずしも2回目のアンケートにも回答してくれるわけではないことを念頭に置く。同じグループを対象にアンケートを3回実施するパネル調査を行い、3回目のアンケートで少なくとも1,000人の回答者を得たいのであれば、2回目、3回目のアンケートで脱落する人を計算に入れて、最初に1,000人を上回る回答者を確保する必要があります。
  3. アンケートをどの位の頻度で実施するか決定する。あまりに頻繁に行えば、まだ変化が起こるほどの時間が経っていないため、リソースと時間が無駄になるかもしれません。しかし、アンケートの間隔が空きすぎると、回答者の数が減っていくでしょう。

以上を考えると、縦断調査の用途は無限大です。新しい広告が実際に製品の購入に影響したのかを調べたり、購入者をフォローアップしたり、製品に満足しているかどうかを確認したり。

1つのデータセットはある1つの状況に光を当てられますが、時間をかけてアンケートを繰り返すことで得られる文脈は、情報に基づく決定と改善につながります。

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