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従業員が、企業成長の鍵を握っています。詳しくご説明しましょう。

ノートパソコンで作業する女性と、従業員フィードバックアンケートのスクリーンショット

従業員フィードバックを定期的に収集することは、意欲的で忠実な社員を育成するための鍵であり、職場文化の改善や従業員満足度の向上、雇用主ブランドの強化につながります。

このガイドは、従業員数が10人または1万人であっても効果的なフィードバック戦略を立てられるようお手伝いします。最新の従業員に関するインサイトや、従業員フィードバックの例、始めるために必要なリソースについてご覧ください。

従業員フィードバックとは、仕事や職場、総合的な従業員体験に関する意見・インサイトを指します。企業や団体は、フィードバックを次のようなことに役立てています。

  • パフォーマンスと満足度を向上させる
  • 多様性とインクルージョンを促進する
  • 成長と能力開発を支援する
  • 魅力的な福利厚生を提供する
  • プロセスとコミュニケーションを合理化する

企業・団体の多くが、複雑な従業員体験について調べるため、構造化したフィードバックプログラムを実施しています。フィードバック管理を効果的に行うためには、目標の設定、進捗状況の追跡、早めの改善が必要です。

SurveyMonkeyが2024年4月に行った従業員アンケートでは、回答者の3分の1以上が、最近退職を考えたことがあると答えています。米国の労働者のおよそ50%が、Gallupの定義する「静かな退職者」に該当します。他にも、次のようなことが明らかになりました。

  • SurveyMonkeyが最近行った人事担当者アンケートによると、離職理由の上位は、報酬・福利厚生(35%)、フレックス勤務ができない(29%)、ワークライフバランスの悪さ(27%)であることが明らかになっています。
  • 女性労働者アンケートでは、20%がワークライフバランスの悪化を報告していますが、離職理由のトップはリモートワーク(54%)でした。
  • 従業員、特にスキルの高い従業員を1人入れ替えるためには、その給与の150%のコストがかかると推定されています。
  • Gallupの2023年度グローバル職場環境調査は、エンゲージメントまたは職場文化の改善を望む従業員が41%に上ると報告しています。
  • 従業員の意欲は重要です。仕事に意義を見出している従業員の94%は、燃え尽き症候群を経験していませんが、意義を見出せない従業員の75%が燃え尽き症候群を経験しています。

このようなインサイトも、改善への取り組みに役立つことはあるでしょう。しかし、自分の会社・団体の従業員が実際にどのような体験をしているかを知ることには、それ以上の価値があります。従業員フィードバックを収集すれば、定着率が大幅に高まるような、職場に合った変更が実施できます。

エンゲージメントの高い従業員は、パフォーマンスも比例します。従業員を支援すると、会社の目標が早く達成できます。Gallupは、2023年度の調査で、エンゲージメントの低さから生じるコストは全世界で8.8兆ドルに上ると報告しています。

従業員のエンゲージメントが高まると、顧客体験が向上します。顧客の問題の解決に積極的になり、力を貸してくれそうな同僚に声をかけることが多くなります。

笑顔の絵文字と折れ線グラフの隣で、ヘッドセットで話している女性

従業員フィードバックの収集は、有能な人材を惹きつけて定着を促すための鍵です。フィードバックの管理プロセスが構造化されれば、従業員体験全体が向上します。

従業員のエンゲージメントと満足度は、すでに入社前から始まっています。求人応募者や面接候補者から定期的にフィードバックをもらえば、全員に公平な審査プロセスが提供できます。候補者体験を測定・追跡することで、雇用主ブランドとしての評判を調べて、優秀な人材を惹きつけるために改善の必要な分野を特定しましょう。

新規採用者からフィードバックを集めて、オンボーディングや従業員トレーニングを最適化しましょう。教材の有効性や、オンボーディングにおける関与度について調べます。プロセス全体でサポートを感じているかどうかを特定します。インタラクティブなオンラインクイズを使って会社の価値観や手順、ポリシーを再確認してもらいましょう。クイズのスコアから、オンボーディングプロセスが成功だったかどうかのインサイトが得られます。

従業員パフォーマンス管理システムを導入して、フィードバック文化と透明性を確立しましょう。上層部と従業員の両方にセルフレビューを実施してもらい、成長の機会を特定します。また、チームのパフォーマンスを追跡すれば、サポートや新たなプロセスを必要としているチームが特定できます。

従業員フィードバックを効果的に集めるためには、主要な関係者に、収集・分析・実施を協力してもらうことが大切です。まず、経営陣や他の重要な部署と話し合い、フィードバックプログラムの中で関係者とその役割を考慮します。

  • 透明でフィードバックに基づいた職場環境を目指していることを示します。
  • 従業員から思慮深いインプットを提供してもらえるよう、全社でのレビューサイクルまたはフィードバックサイクルを確立させます。
  • 従業員フィードバックを評価し、対処することで、従業員の意欲やエンゲージメントを高めます。
  • 貴重なインサイトを得て管理スキルを高めます。
  • チームメンバーのパフォーマンスレビューを行います。
  • フィードバックサイクルやアンケートに積極的に参加してもらえるよう、チームメンバーに働きかけます。1対1の対話では意見に注意深く耳を傾け、重要なフィードバックは上層部に報告します。
  • フィードバックを利用して従業員の成長をサポートし、能力開発の機会を提供して、人事部と協力してワークライフバランスの改善に取り組み、燃え尽き症候群の予防につながるようなポリシーを導入します。
  • バイアスのない従業員フィードバックが得られるレビューツール・方法を選びます。
  • エンゲージメントやロイヤリティ、DEIの取り組みを追跡して、インクルージョンの促進と燃え尽き症候群の予防に役立てます。
  • フィードバックを利用して定着率を高め、優れた人材を惹きつけ、会社の価値観を磨きます。

人事担当者の22%が、従業員フィードバックを収集する際の最大の課題は、経営陣のサポートが得られないことだと答えています。優先事項や職場文化の形成を担うのは経営陣であるため、そのサポートがなければ、フィードバックへの取り組みは行き詰まります。ここで、全社的なプログラムを強力に売り込む方法をご紹介しましょう。

充実したエンゲージメントの高い従業員は、顧客体験と生産性の向上に貢献します。経営陣のサポートを得るために、従業員フィードバックプログラムのROIを提示しましょう。

  • 従業員エンゲージメントがサービスを高める: 顧客の57%が、質の悪いカスタマーサービスを経験した時点で取引をやめると答えています。
  • 高いエンゲージメントが生産性を高める: Gallupは、生産性が17%上昇し、欠勤が41%減少すると報告しています。
  • コストの節約: 従業員が定着すれば、採用や研修にかかるコストが減るだけでなく、雇用主ブランドとしての評価が高まり、結果として有能な人材が集まります。
ノートパソコンで作業をしている女性

企業・団体であれば、あらゆる目標の中に、顧客や従業員の維持率(定着率)の目標もあることでしょう。それぞれの意味を明確にし、従業員フィードバックプログラムが目標の達成にどのように役立つかを説明します。具体的な方法は、次の章でご紹介します。

フィードバックプログラムの実際の効果を示したケーススタディを共有します。SurveyMonkeyでは、従業員フィードバックが、職場文化の形成やマネージャートレーニングの改善に役立ち、あらゆるレベルのリーダーを対象とした新たなコースの実施につながりました。経営陣からサポートを得るきっかけとなるような例を、自分の周りで探してみましょう。

まず、パイロットプログラムを通じて従業員フィードバックのアプローチをテストしてから、規模を拡大しましょう。

  1. SurveyMonkeyのような、共同作業をサポートしてくれるアンケートプラットフォームを選択します。
  2. 短いアンケートを実施して、従業員が会社を薦めてくれるかどうか、そしてその理由を調べます。
  3. 従業員に目的を伝えることで、フィードバックが職場文化の形成に役立つことを示します。
  4. 結果を分析し、行動を起こします(第6章を参照)。
  5. インサイトや改善を経営陣・従業員と共有することで、ループを閉じます(第7章を参照)。
  6. 数ヶ月後にもう一度アンケートを実施して変化を追跡します。

プログラム全体を開始する前に、必要に応じてプロセスに変更を加えます。

チャートの横に立っているジャケットを着た女性

従業員にフィードバックを依頼することで、従業員を尊重する姿勢や、職場を改善する意欲を示すことができます。目標を設定してKPIを追跡し、プログラムの効果を確認しましょう。成功を測定する方法の例をいくつかご紹介します。

  • 目的: トレーニングプログラムの全体的な満足度を、前年比30%向上させる
  • KPI: 全体的なトレーニング満足度を改善する。
  • 目的: 候補者の満足度を高める。人材を補充するのにかかる時間を短縮します。
  • KPI: 候補者の満足度スコアを改善する。採用にかかる時間(計算方法はこちら)を短縮する。

次のような従業員体験での過程に関するフィードバックを収集できます

  • 従業員満足度。従業員が仕事の量やワークライフバランス、雇用の安定についてどう感じているかを調べます。
  • 成長の機会。能力開発とキャリアアップのための研修と成長の機会を特定します。
  • 報酬と福利厚生。待遇、福利厚生、休暇などについてフィードバックをもらいます。
  • 管理、チーム構成、コミュニケーション。マネージャーのパフォーマンスとチームワークを評価します。
  • 採用と雇用。求職者の意見に耳を傾け、雇用主の評判を理解しましょう。また、採用プロセスが敬意を持って公正に行われるようにします。
  • ダイバーシティとインクルージョン。多様な人材の育成と支援がうまく行っているかどうかを測定します。
  • パフォーマンス管理。従業員評価フォーム・アンケートを使い、従業員に上司・同僚の評価や自己評価を実施してもらいます。
  • 職場のプロトコルとプロセス。ワークフローの改善と規模の拡大に役立つインサイトを手に入れます。

従業員体験の全体像を把握するために、異なるチャネルとデータ形式で従業員のフィードバックを収集できます。

GlassdoorやIndeedのような求人サイトでレビューに目を通し、XやLinkedInのようなSNSプラットフォームに従業員・候補者が意見を投稿していないか確認しましょう。業界向けのサイトにも注意を向けます。守備に回るのではなく、フィードバックを利用して改善に取り組みましょう。

  • 採用または面接時に、採用プロセスや組織に関する候補者のフィードバックについて記録します。
  • マネージャーは、1対1のミーティングの際に部下からフィードバックをもらうことが大切です。Bonuslyのアドバイスに従って、「最近、仕事のどのような側面に意欲を感じましたか」、「今週マネージャーからのサポートが必要ですか」という質問をしましょう。
  • また、直属の部下は、1対1のミーティングでマネージャーにフィードバックを求めることができます。たとえば、「違うやり方で取り組むべきことはありますか」、「チームの長期的な目標は何ですか」などが挙げられます。
  • 1年または半年に一度、パフォーマンスレビューを行い、従業員のインパクトや改善点を特定します。多くの組織が、アンケートを利用して同僚・マネージャーの評価や自己評価を簡単に実施しています。利用できるアンケートには、360度従業員評価アンケートマネージャー フィードバック アンケート従業員パフォーマンス アンケートなどがあります。
  • 従業員は、上司とのパフォーマンス レビュー ミーティングを充実したものにするために、パフォーマンスの改善に役立つフィードバックをもらうことが大切です。そのためにIndeedが推奨している質問は、「どうすれば昇進候補になれるでしょうか」と「職業開発のチャンスはありますか」です。
  • マネージャーは、経営陣からフィードバックをもらうこともできます。たとえば、「現在、会社にとって最大の課題は何ですか」、「私がもっと時間をかけるべきことはありますか」といった質問をします。

従業員ライフサイクルには、採用候補者や元従業員の体験を含め、従業員と組織の間で交わされるあらゆるやり取りが含まれます。

採用から退職まで、従業員ライフサイクルの各段階でフィードバックを集めましょう。収集したインサイトは、職場や文化を変化し優秀な人材を引きつけて維持するのに役立ちます。

候補者の考えを理解し、雇用主ブランドの強化と採用プロセスの改善に役立てましょう。不採用の人も含めた面接の参加者全員に候補者体験アンケートを送信し、面接体験に関するフィードバックを集めます。

  • 総合的に見て、当組織の採用体験にどの程度満足しましたか。
  • 多様な面接官と対面できたと感じますか。
  • 採用担当者は、面接のプロセスについて明確に説明しましたか。

新入社員をすばやくオンボーディングし、ポリシーや組織、社員の役割などに関する主要な情報を提供しましょう。従業員フィードバックをオンボーディングの改善に役立てる方法をご紹介します。

オンボーディングプロセスを合理化する。オンボーディングが早ければ早いほど、従業員が早く仕事に取り掛かれます。新入社員オンボーディングアンケートを使って、オンボーディングプロセスのどこを改善すべきかを特定しましょう。次のような質問を含めます。

  • オンボーディングで提示された情報はどの程度明確でしたか。
  • オンボーディングは、もっと長い方がいいですか、短い方がいいですか、今のままでいいですか。
  • オンボーディングプロセスについて他にコメントはありますか。

教材を改善する。オンボーディングやトレーニングが対面かリモートかに関わらず、プレゼンテーションやアクティビティが参考になったか、十分な情報が提供されたかを特定しましょう。参加者に新入社員トレーニングクイズを送信して、オンボーディングで提供された情報を従業員がどの程度理解したか、どの程度覚えているかを確認します。次のような質問を含めます。

  • 年間何人のお客様が当社の製品を使用していますか。
  • 当社の全世界の従業員数はおよそ何名ですか。
  • 当社が掲げている価値は、次のうちどれですか。当てはまるものをすべて選んでください。

新入社員の成功を支える。オンボーディングは、入社後の数週間で終了ではありません。定期的に従業員フィードバックをもらいましょう。

30日オンボーディングアンケートを送信して、入社後の従業員オンボーディングの効果を調べましょう。次のような質問を含めます。

  • 新しい役割にどの程度満足していますか。
  • 30-60-90日間の計画をマネージャーと決定しましたか。
  • 新しい同僚に挨拶する機会はありましたか。

次に、60日オンボーディングアンケートを送信して、新入社員の状況を確認します。これにより、新入社員に、サポートされている安心感を与えられるだけでなく、オンボーディングの継続的な効果が確認できます。次のような質問を含めます。

  • ここまでのオンボーディングプロセスについて、どのように感じていますか。
  • 60日間の目標は達成できましたか。
  • 上司からのフィードバックの量についてどう思いますか。

最後に90日間オンボーディングアンケートを実施して、オンボーディング体験全体に関する最終的な従業員フィードバックをもらいます。このアンケートは、新入社員が与えられた役割になじんだか、十分に支援されていると感じているかを理解するのに役立ち、成長機会についての話し合いを始めるきっかけになります。次のような質問を含めます。

  • 現在、自分の仕事を一人でこなしていますか、それともサポートを得ながらこなしていますか。
  • 30・60・90日間のオンボーディングプランは、新しい役割になじむ上でどの程度助けになりましたか。
  • オンボーディング体験は、どうすればもっと良くなったと思いますか。

会社は、十分な成長機会を提供していますか。キャリアアップは、候補者にとって2番目に重要な要素です(44%)。従業員フィードバックを使って、十分な成長機会が提供されるようにする方法をご紹介しましょう。

堅牢な学習・能力開発プログラムを提供する。従業員にとっては、職業開発の機会や、関連アクティビティ・コンテンツが十分に提供されることが重要です。職業開発アンケートを使って、次のような質問をしましょう。

  • どのタイプの職能開発アクティビティが最も有効だと思いますか。(該当するものをすべて選択してください)
  • 能力開発を進めることについて、職場でどの程度支援されていると感じますか。
  • 職能開発に時間を費やしたいと思う主な理由は何ですか。

従業員が自分のキャリア形成に満足していることを確認する。また、さらなるキャリアアップの可能性を感じているかどうかも大切です。キャリア開発アンケートを実施して、従業員に満足度を評価してもらうこともできます。

  • 自分の才能や専門知識を発揮する機会に恵まれていると思う。
  • 所属組織は専門能力の自己開発に力を注いでいる。
  • 所属組織が提供する仕事関連のトレーニングに満足している。

自己評価と成長に関する対話を優先する。キャリア開発や仕事の業績に関する定期的な対話を、アンケートを通じて定型化することができます。たとえば、この従業員レビューアンケートは、成長やインパクト、目標に焦点を当てた自己評価アンケートです。このアンケートを受け取った従業員は、フィードバックを通じて上司との重要な対話を進めます。このアンケートには、次のような質問が含まれます。

  • 前四半期の私の影響度は?
  • どうすればもっと大きな影響を与えられたか。
  • 今四半期に、どうやって影響を与えるか。
グラフの横にいる女性

採用や能力開発にエネルギーを注いだ後は、従業員のエンゲージメントや満足度が低下しないように、達成感や充足感を感じているかどうかを確認しましょう。

従業員エンゲージメントを高める。従業員は、意欲的でしょうか。決定権を与えられているでしょうか。ワーク エンゲージメント アンケートを使って、従業員のやりがいを測定しましょう。このアンケートを定期的に実施すれば、従業員体験を改善し、エンゲージメントを長期的に追跡することができます。このアンケートでは、従業員が次のような質問文に回答します。

  • 日々の仕事に全力で取り組むと決めている。
  • 仕事では目標を達成することに重きを置いている。
  • 仕事に行くのが楽しみ。

従業員の燃え尽き症候群を予防する。近年、従業員の間で燃え尽き症候群が身近な問題となっています。従業員がどのように感じているかを確認しましょう。その上で、ストレスを減らすための対策を検討することが大切です。ワークライフ バランス アンケートを実施して次のような質問をします。

  • 残業や夜間・週末勤務の頻度を教えてください。
  • 現在のワークライフバランスに対する満足度を教えてください。
  • ワークライフバランスをどのように改善できると思いますか。下記にコメントを記入願います。

インクルーシブな職場文化を育む。多様で有能な人材を惹きつけるための最良の方法は、ビロンギング(所属意識)やインクルージョンを優先する職場文化を築くことです。ただし、職場が多様であれば十分かと言えば、そうではありません。ある調査によれば、労働者の60%が、マイクロアグレッション(自覚のない差別行為)と考えられる行為を職場で目撃しています。

従業員が十分なサポートを受けていると感じているかどうかを、定期的に確認しなければなりません。ビロンギング(所属意識)とインクルージョンアンケートを実施することは、職場における不平等を特定し、解決するための第一歩です。次のような質問を含めます。

  • しわ寄せを恐れることなく、反対意見を表明することができます。
  • 当社では、特定の担当者がいない作業(会議の議事録作成、イベントのスケジュール設定、共有スペースの片付けなど)が公平に分担されている。
  • 私の会社では昇進の決定は公平に行われます。

魅力的な福利厚生を提供する。福利厚生パッケージは、競争の激しい求人市場において有能な人材を維持するための重要な要素です。SurveyMonkeyが最近行った調査では、人事担当者の54%が、従業員への投資が必須である分野として、福利厚生を挙げています。報酬・福利厚生アンケートを使って、次のような質問をしましょう。

  • 地域の平均的な報酬と比べて適正な報酬を得ている。
  • 所属組織が提供する退職金制度に満足している。
  • 所属組織が提供する有給休暇の日数に満足している。
話し合う従業員

従業員の退社は、入社と同じぐらい重要な意味を持ちます。従業員が会社を去るときは、その理由を探ることが大切です。退職アンケートは、現在勤めている従業員や将来入社する人が長く勤務し、高い意欲を維持できるよう、より魅力的で充実した職場文化を築くのに役立ちます。退職面接アンケートでは、次のような質問をします。

  • あなたのスキルがどの程度効果的に活用されていると感じましたか。
  • 当社での職務は、キャリア開発にどの程度役立ちましたか。
  • より良い職場にするために会社ができることは何でしょうか。

従業員が、あなたの組織を優れた職場として推薦してくれる可能性はどの程度あるでしょうか。これは、従業員ロイヤリティを測定するための標準として業界で確立された質問です。従業員Net Promoter Score(eNPS)を計算することで、従業員のエンゲージメントや組織にかけるエネルギーをすばやく把握できます。eNPSアンケートで、従業員フィードバックを収集するためのヒントとベストプラクティスをご紹介しましょう。

  • eNPSの質問は汎用的です。アンケートを単独で送信することもできます。また、通常の従業員エンゲージメントアンケートから退職面接まで、どの種類のアンケートでもeNPSの質問を含めることができます。
  • eNPSアンケートに質問を追加してカスタマイズし、スコアの裏にある理由を調べます。たとえば、「付けたスコアの主な理由は何ですか」という質問です。
  • eNPSは産業界で広く普及しているため、同業他社と比較することが可能です。eNPSが同業他社より高いなら、従業員の満足度やエンゲージメントを高く維持することに成功していると言えます。また、自社のeNPSの変化を長期的に追跡して、数値を一定、または上昇傾向に保つ努力をすることもできます。

SurveyMonkeyの調査では、人事担当者のほぼ半数(48%)が、DEIが優秀な応募者の採用に大きく影響していると答えています。この数値は、人事がリードしている企業ではさらに高くなります(55%)。職場文化のインクルージョンを測定するためには、DEIアンケートを実施します。集まった従業員フィードバックから、どこがうまく行っているか、成長の余地はあるかを特定できます。

  • 職場でのジェンダーインクルージョン: ノンバイナリーやトランスジェンダーの従業員のニーズを理解し、ジェンダーニュートラルな振る舞いに対する従業員の理解度を測定します。「誰かにジェンダーニュートラルな呼び方をして欲しいと頼まれたとき、それを実行することはあなたにとってどの程度難しいですか」のような質問をします。
  • 組織文化アンケート: このアンケートは、職場文化の総合的な理解に役立ちます。DEI中心にカスタマイズすれば、誰もが歓迎・サポートされていると感じているかを確認できます。「会社・団体はダイバーシティやインクルージョンにどの程度積極的に取り組んでいますか」、「あなたの意見では、この会社・団体は成功をどのように定義していますか」のような質問をします。
  • 文化パルスサーベイ: このアンケートでは、企業文化に関する従業員フィードバックを簡単に集めます。職場環境が、多様でインクルーシブかどうかを理解したいときに特に効果的です。従業員に「私の会社・団体の職場環境は安全である」、「私の会社・団体は、社会的責任を意識して事業を進めている」といった文を提示し、同意度を調べます。

仕事に対するエンゲージメントが高い従業員は、充実感が強く、意欲的です。組織の方向性に賛同して積極的に仕事をする従業員は、パフォーマンスや定着率が高いだけでなく、有能な人材を惹きつけることにも貢献します。これらのアンケートを使って、従業員エンゲージメントのさまざまな側面を測定しましょう。

  • 従業員エンゲージメント アンケート。従業員が仕事や福利厚生に満足しているか、組織の目標に賛同しているかを調べます。従業員に「職場での目標を達成したいという意欲がある」、「日々、最大限努力することを目指している」といった文を提示し、同意度を答えてもらいます。
  • 従業員モチベーションアンケート。このアンケートでは、最高の仕事をしたいという従業員の意欲について調べます。意欲を測定する短いアンケートなので、結果の長期的な追跡が手軽にできます。従業員に「職場にいるときは割り当てられた仕事に完全に集中している」、「仕事に没頭していて一日があっという間に過ぎてしまうことが多い」といった文を提示し、同意度を答えてもらいます。
  • 従業員満足度アンケート。組織が従業員の期待に応えているかどうかを調べます。この従業員満足度アンケートは、従業員の定着率が低くて困っているときに役立ちます。「上司の期待はどの程度現実的ですか」、「別の仕事を探す可能性はどの程度ありますか」といった質問をします。
タブレットを手にした車椅子の女性と、ノートパソコンを手に微笑みかける男性

福利厚生は、近年、ますますその重要性を増しています。Forbesのレポートによると、雇用主の40%が、従業員が転職するのは充実した福利厚生を求めているからだと考えています。また、労働者の10%が、福利厚生が充実しているなら給料が下がってもかまわないと答えています。あなたの会社では、従業員が福利厚生に満足しているでしょうか。これらのアンケートを使って調べてみましょう。

  • 職場の福利厚生アンケート。従業員が会社の福利厚生に満足しているかどうか、どこを改善すべきかを調べます。従業員に「私は職場の柔軟性に満足している」、「私は職場で提供されている医療関連の福利厚生に満足している」といった文を提示して、同意度を答えてもらいます。
  • ワークライフ バランス アンケート。このアンケートを組織全体で実施すると、現時点での従業員の感情が把握できます。また、チーム別にデータを分析してワークライフバランスについての認識の違いを調べることもできます。従業員に「今の勤務表では、家族と過ごす時間が取れている」、「仕事が終わった後、のんびりする時間がある」といった文を提示し、同意度を答えてもらいます。
  • 報酬・福利厚生アンケート。Gallupの2023年度グローバル職場環境調査では、「静かな退職」を考えたことがある回答者の28%が、報酬と福利厚生の面で変化を望んでいると答えました。あなたの会社が従業員の期待に応えているかどうかを調べましょう。従業員に「私は報酬に全体的に満足している」という文を提示して、同意度を答えてもらいます。

特に、定期的なレビューや評価を年に1~2回しか実施しない組織では、従業員を対象に長めのアンケートを行う必要が生じる場合があります。しかし、定期のフィードバックサイクルの外でも、パルスサーベイを使って従業員フィードバックをすばやく収集し、感情を追跡する会社が増えています。

  • 従業員パルスサーベイ。パルスサーベイは、従業員の感情をすばやく捉え、会社全体の健全性を追跡するのに役立ちます。「会社の方向性の正しさをどの程度確信していますか」、「仕事のどの部分を変えたいですか」といった質問をします。
  • 企業文化パルスサーベイ。職場文化のどこを改善すべきかをすばやく特定します。従業員に「私の会社・団体の職場環境は安全である」、「私は職場の安全性に満足している」といった文を提示し、同意度を答えてもらいます。

従業員を対象にアンケートを行う場合、従業員は、丁寧なフィードバックを提供するために、仕事にかける時間を削らなければなりません。そこで、より多くの人から、正確な回答がもらえるようにするためのベストプラクティスをご紹介しましょう。

従業員フィードバックアンケートの多くは、デリケートな話題に触れています。従業員や求職者は、キャリアや採用選考への影響を恐れて、率直なフィードバックの提供をためらうかもしれません。

従業員が安心して回答できるように、回答が匿名であること、集計した形でしか使用されないことを伝えます。匿名の従業員アンケートを送信するには、アンケートの設定で「匿名回答」を有効にします。

  • 略語には必ず説明書きをつけ、専門用語は使用しないようにします。アンケートの対象は内部者だけですが、人事関連の用語などは知らない可能性があります。
  • アンケートはできるだけ短くします。SurveyMonkeyの調査から、アンケートは短ければ短いほど完了率が高いことが判明しています。従業員フィードバックアンケートは、20問以下に抑えましょう。そのためには、1つのアンケートで扱うトピックを少なくするのも有効です。
  • 自由回答形式の質問は多用しないようにしましょう。回答に時間をかけるのが面倒で、質問をスキップされてしまう可能性があるためです。また、文章での回答には、分析しにくいというデメリットがあります。
  • デモグラフィック情報や、デリケートな質問への回答を提供してもらう場合は、十分に配慮したインクルーシブな言葉遣いを心がけましょう。
  • 言い回しや言葉の選択に注意します。誘導的な質問や多重質問を避けることで、正確な結果が得られるだけでなく、従業員の意見を尊重していると示すことができます。
  • SurveyMonkeyの専門家が作成したアンケートテンプレートを使えば、確実に適切な質問をすることができます。これらのカスタマイズ可能なテンプレートは、信頼性の高い結果が得られるように設計されています。質問バンクの質問をアンケートにドラッグ&ドロップするだけで、用意された質問を簡単に追加できます。
  • 自分の目標に合った質問を、適切な方法論に基づいて作成したいなら、AIと機械学習を利用したSurveyMonkeyジーニアスの使用を検討しましょう。AIに適したプロンプトを入力するだけで、完全なアンケートが自動作成され、それをそのまま使うことも、カスタマイズして使うこともできます。

従業員フィードバックの内容は、すぐに古くなってしまうため、定期的に収集して感情の変化を把握することが大切です。

  • 同僚フィードバックアンケートや、エンゲージメントアンケートを含めたパフォーマンスレビューを年に1回実施しましょう。
  • 定期レビューのサイクルの間にパルスサーベイを実施すれば、急を要する問題に対処したり、大きな変化に対する反応を評価したりできます。

さて、従業員フィードバックが手に入りました。次は、判明した事柄をまとめ、大きなテーマへと分類する必要があります。そうして現在の立ち位置を確認してから、どのように前進していくべきかを決定します。

  • フィードバックが、KPI(eNPSスコアなど) に直接関連する場合、それらのデータポイントをベンチマークします。つまり、その結果を文書化して進捗状況を報告し、従業員フィードバックプログラムのROIを示すことができるようになります。
  • 従業員エンゲージメントのベンチマークを設定することも大切です。初回のアンケート結果を記録しておきましょう。同じアンケートを繰り返し実施し、前の結果と比較することで、感情がどのように推移するかを確認します。 
  • SurveyMonkeyのテンプレートや、質問バンクに用意されている質問を使用すれば、同業他社と結果を比較することができます。
  • 組織のパフォーマンスに関する文脈情報を得るために、従業員や職場のトレンドを確認しましょう。たとえば、SurveyMonkeyが定期的に発表しているCNBC|SurveyMonkey従業員アンケートレポートを見ると、過去1年間における職場や従業員のトレンドを追跡し、理解することができます。

アンケートデータを分析するときは、選択回答形式の回答の数とパーセンテージに焦点を置きます。仕事の満足度に見られるトレンドなどは、グラフを使用して視覚化します。

  • デモグラフィック属性(性別、役割など)でデータをフィルタリングして掘り下げ、隠れたインサイトを見つけます。
  • 回答を比較します(満足度と転職の可能性、など)。
  • 回答率を確認してデータの信頼性を測定します。
  • 自由回答形式のフィードバックの場合は、回答を読み、ワードクラウドや感情分析のようなツールを使って実用的なインサイトを得ます。
タブレットでアンケート結果を確認する紫色の服を着た女性

フィードバックを分析した後、インサイトを行動に移します。

  • 優先事項に合わせる: ロイヤリティや定着率の目標に影響するようなフィードバックに焦点を当てます。
  • 緊急性と重要性: 緊急度の低い問題は後回しにして、緊急度の高い問題(ワークライフバランスの改善など)に先に取り掛かります
  • エンゲージメントの促進: 従業員を支援し、顧客との関係を取り持ち、従業員がいかに成功に貢献しているかを示しましょう。

行動計画の一環として、アンケートの分析結果や、従業員フィードバックに基づいて決定した措置の内容を従業員に報告することが大切です。それにより、従業員の意見を尊重している姿勢が示せると同時に、時間をかけて有意義なフィードバックを提供してくれたことに感謝することができます。

行動計画では、対策の基となったフィードバック、責任者、当面のステップなどの要点を明らかにする必要があります。変更の実施までに時間がかかる場合でも、内容を明確に伝えることが大切です。

  • 予定されている変更を、社内の慣行にしたがってメールやミーティング、少人数のグループで発表します。
  • フォローアップアンケートを実施して行動計画に対する従業員の満足度を確認し、必要に応じて調整を加えます。

敬意あるパフォーマンスレビューを行うための、明確なプロセスを確立させましょう。マネージャーには、効果的なフィードバックセッションのフレームワークを提示します。この後、例をご紹介します。

チャートやグラフのスクリーンショットの隣でスマートフォンの画面を見ている女性
  • 優れた振る舞いを強調し、奨励します。
  • 期待を上回った従業員に対して、真摯に評価します。
  • フィードバックの機会に、インセンティブや承認のプログラムを導入します。
  • 仕事量が現実的でない、といった問題に建設的に対処します。
  • フィードバックを実際に活かし、改善につなげます。
  • 構造化されたプロセスに従って、パフォーマンスの確認、フィードバックの提供、昇進の検討を行い、十分な時間を取って質問を受け付けます。
  • 議論の内容や今後のステップをマネージャーや人事部に知らせます。
  • eNPSや離職率などのKPIをベンチマークし、測定可能な改善目標を立てます。

従業員フィードバックは、継続的なものであり、定期的にもらうことでエンゲージメントや成長、会社の成功の原動力とすることができます。

フィードバックループを閉じて、あらゆる関係者に情報を行き渡らせます。

従業員の自己評価を実施して、各自のインパクトや成長について考えてもらいます。

一貫したレビューサイクルを維持し、フィードバックに基づいて調整します。

大きな変更があった場合は、直後にパルスサーベイを実施して、問題に早目に対処します。

優先事項の変化に合わせて、プログラムの目標を見直し、調整します。

フィードバックプログラムを定期的に評価し、改善します。

準備はできましたか?従業員の声に耳を傾けましょう

始めませんか?

従業員のエンゲージメントとモチベーションの違いを理解し、どちらも従業員に促す具体的な方法を見つけましょう。

従業員の生産性は、従業員のビジネスへの貢献度を測定します。生産性を算出し、改善します。

従業員のエンゲージメントを高め、継続的に学ぶ文化を築き、成功に導くためのリーダーシップの育成プログラムを構築する方法を学びましょう。

従業員ライフサイクルに関する詳しいガイドを通じて、従業員の管理とエンゲージメントを強化しましょう。

Net Promoter ScoreおよびNPSは、Bain & Company, Inc.、Fred Reichheld、Satmetrix Systems, Inc.の登録商標です。

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人事リーダー向けのこのツールキットは、比類なき従業員体験の構築をサポートします。

En mann og en kvinne som ser på en artikkel på en laptop og skriver ned informasjon på gule lapper

全関係者に正確な関連情報を提供し、組織の透明性を実現しましょう。

Smilende mann med briller som bruker en laptop

woomがSurveyMonkeyで大規模な多言語アンケートを実施して、従業員の体験を改善し、顧客からの洞察を獲得した方法をご覧ください。

Kvinne som ser over informasjon på laptopen sin

職場のトレンド、ワークライフバランス、自宅勤務、リモートワークと出社勤務の違いに関する新たな調査