JANPU 看護能力を持った養護教諭の教育について

 子どもたちの現代的な心身の健康課題に対応できる養護教諭の育成が急務であり、教護教諭養成機関には養護教諭の役割に基づいたカリキュラム等の検討が求められています。しかし、これまでに看護系大学で養護教諭養成の在り方について検討されたことはなく、方向性も示されていません。養護教諭一種養成課程を有する大学121大学のうち、看護系大学が75校(平成25年現在)となっており、日本看護系大学協議会において、養護教諭の養成のあり方を早急に検討することが必要であるとの見解から、臨時委員会として「養護教諭養成教育検討委員会」を組織しました。
 本検討委員会では看護系大学で養成する看護能力をもつ養護教諭のコアコンピテンス及び養成カリキュラムを検討することを目的としています。
 平成26年度には、① 養護教諭に求められる看護系能力について言及している資料、文献を収集しました。また、②平成26年度は、現代の子どもの心身の健康課題に対応する養護教諭活動事例を委員が持ち寄り、その中から、養護教諭役割を検討しました。さらに養護教諭の役割の中で、看護能力が基本や基礎となっている養護教諭のコアコンピテンスについて検討を行ないました。
 本検討委員会では、JANPUの養護教諭養成を行っている大学のご意見をお聞きし、卒業時点の到達目標を作成したいと考えました。つきましては、できるだけ多くの大学のご意見をいただきますよう、ご協力をお願いいたします。
 なお、平成27年12月14日にJANPUの養護教諭養成大学のワークショップの開催を予定しております。この結果をご報告すると共に、「看護能力を持った養護教諭の育成」について話し合いたいと考えております。
*本アンケートは11月20日(金)までにご回答いただきますよう、お願いいたします。

検討委員
 委員長:荒木田美香子(国際医療福祉大学)
 委 員:片田範子(兵庫県立大学)、津島ひろ江(関西福祉大学)、
     櫻田淳(埼玉県立大学)、池添志乃(高知県立大学)
検討会では「看護能力を持った養護教諭」に求められるコンピテンシーとして、55項目を設定しました。①これらの項目は妥当だと思いますか。また、②学部卒業時点の到達度として、どのレベルにあることが望ましいと思いますか。③貴学ではこれらのコンピテンシーに関する教育をおこなっていますか、の3点について、会員校のご意見を聞かせていただきたいと存じます。
上のQ1~Q5を学部教育で教えている場合、どの科目で教えていますか(複数回答可能)

Question Title

* 6. ヒューマンケアの基本に関する実践能力

  基礎看護学に関する科目 小児看護学に関する科目 地域・公衆衛生看護学に関する科目 看護学の臨地実習 左以外の学校における看護に関する科目 病理、疾病、治療に関する科目 衛生学及び公衆衛生学 学校保健 健康相談活動の理論及び方法 栄養学(食品学を含む) 解剖学、免疫学、薬理概論 精神保健 その他
1.子どもの権利を擁護する
2.保護者の権利を擁護する
3.子どもの自己実現のプロセスを支援する
4.子どもや保護者が意思決定できるよう適切な情報提供をする
5.子どもや保護者が健康課題に、主体的に取り組めるよう支援する
6.実施した支援について根拠と意義を説明する
7.家庭状況を把握したうえで、保護者との信頼関係を築く
8.教職員・関係機関とコミュニケーションを取りながら、関係職種間で信頼関係を築く

Question Title

* 7. 根拠に基づき看護を計画的に実践する能力

  基礎看護学に関する科目 小児看護学に関する科目 地域・公衆衛生看護学に関する科目 看護学の臨地実習 左以外の学校における看護に関する科目 病理、疾病、治療に関する科目 衛生学及び公衆衛生学 学校保健 健康相談活動の理論及び方法 栄養学(食品学を含む) 解剖学、免疫学、薬理概論 精神保健 その他
9.子どもの疾患や治療に関する知識をアセスメントする
10.保護者の疾患や治療に関する知識をアセスメントする
11.家庭環境および家庭の教育力について、アセスメントする
12.多面的なアセスメントに基づき、総合的な支援方針を立てる
13.子どもの心身の状態を観察して、支援の優先順位を判断する
14.解剖学や生理学の知識を基盤にして保健指導を行う
15.看護理論など看護の基礎的知識を活用したアセスメントに基づいた支援を行う
16.子どもの健康状態に適した健康教育を計画、実施、評価をする
17.保護者や地域の健康状態に適した健康教育を計画、実施、評価をする
18.支援に対する子どもや保護者の反応を把握し、計画を見直す
19.子どもの意欲や達成感を尊重した支援を行い、自己肯定感を高める
20.年齢に応じた心身の発育発達を促す支援を行う
21.発達段階に応じて病気をコントロールできる能力を育成する
22.発達段階に応じて子どものセルフケアを高める支援を行う
23.活用できる社会資源、協働できる機関・人材について、子ども、保護者、教職員に適切な情報提供をする
24.校区の社会・文化的な側面を把握して支援に活かす
25.保護者を通して子どもへの働きかけをする
26.子どもの支援と、保護者の支援を関連させて計画を立案する
27.学校、子ども、保護者が、自らの健康課題に、主体的に参画できるよう機会・場・方法を提供する

Question Title

* 8. 特定の健康課題に対応する実践能力

  基礎看護学に関する科目 小児看護学に冠する科目 地域・公衆衛生看護学に関する科目 看護学の臨地実習 左以外の学校における看護に関する科目 病理、疾病、治療に関する科目 衛生学及び公衆衛生学 学校保健 健康相談活動の理論及び方法 栄養学 解剖学、免疫学、薬理概論 精神保健 教えていない
28.子どもが、健康課題に、主体的に取り組めているかどうかをアセスメントする
29.保護者が、健康課題に、主体的に取り組めているかどうかをアセスメントする
30.健康課題を認識していない子どもを把握する
31.子ども(達)の健康課題を明確にし、適切な保健教育を行う
32.事故や感染症の予防策を学校組織で講じる
33.症状を判断し、緊急度をアセスメントする
34.緊急時に冷静に判断して適切に行動する
35.教職員間で連携して救急対応できるように全体の動きを見て、リーダーとして適切に指示する
36.一時点だけでなく、経時的な客観的・主観的データを分析して健康課題に関するアセスメントを行う
37.医療的ケアの意義とリスクを理解して行動する
38.家族の習慣や生活に合わせた指導する
39.子どもや保護者の自己管理を支援する
40.本人・家族の意向を確認しながら学習活動を維持するための支援を行う
41.医療機関と連携を取り、学校で安全に安楽に過ごせるよう支援する

Question Title

* 9. ケア環境とチーム体制整備に関する実践能力

  基礎看護学に関する科目 小児看護学に冠する科目 地域・公衆衛生看護学に関する科目 看護学の臨地実習 左以外の学校における看護に関する科目 病理、疾病、治療に関する科目 衛生学及び公衆衛生学 学校保健 健康相談活動の理論及び方法 栄養学 解剖学、免疫学、薬理概論 精神保健 教えていない
42.協働する支援者の支援能力の向上に寄与する
43.健康課題に応じて、校内組織、校外組織を効果的に活用する
44.支援目的に応じて、社会資源を活用する
45.セルフヘルプグループや親の会などの活動に参加し、支援活動を行う
46.医療的ケアが安全に実施できる環境を整える
47.虐待の疑いがある子どもを発見し、安全に配慮しつつ情報収集する
48.支援システムを構築するために、教職員や関係機関と協議・交渉する
49.学内外の機関や関係者が連携して取り組めるようにコーディネートする
50.子ども、保護者の状況に応じて医療従事者を適切に協働する
51.支援や対策の実施に向けて、教職員や関係機関と協働し、活動内容と人材の調整(配置・確保など)を提案する
52.学校管理下での事故に関して適切な給付処理をする
53.日本語を母国語としない子どもへの心身の健康管理面での支援を行う

Question Title

* 10. 専門職者として研鑽し続ける基本能力

  基礎看護学に関する科目 小児看護学に冠する科目 地域・公衆衛生看護学に関する科目 看護学の臨地実習 左以外の学校における看護に関する科目 病理、疾病、治療に関する科目 衛生学及び公衆衛生学 学校保健 健康相談活動の理論及び方法 栄養学 解剖学、免疫学、薬理概論 精神保健 教えていない
54.学会活動に参加し自己の専門能力の向上に努める
55.実践に求められる知識・技術に関して、自己研鑽をし、高い実践能力をめざす

Question Title

* 12. 主として養護教諭養成に関わる教員数は何名ですか。またそのうち養護教諭免許を持っている人は何名ですか。

Question Title

* 13. 回答者についてお伺いします。あなたの職位を下記から選んでください

Question Title

* 14. 回答者の主たる専門領域を一つ選んでください

Question Title

* 15. あなたの大学では養護教諭養成教育は選択制ですか

Question Title

* 16. 選択制の場合、何年時に選択していますか

Question Title

* 17. 今年度の最上級生の養護教諭養成教育の履修者数を教えてください

Question Title

* 18. 看護系大学で養護教諭養成教育を行うメリットについてあなたの意見を述べてください(100字以内)

Question Title

* 19. (続き)看護系大学で養護教諭養成教育を行うメリットについてあなたの意見を聞かせてください(100字以内)

Question Title

* 20. 看護系大学における養護教諭養成教育の課題について、ご自由に記載してください(
100字以内)

Question Title

* 21. (続き)看護系大学における養護教諭養成教育の課題について、ご自由に記載してください(100字以内)

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