日本私立大学協会附置私学高等教育研究所
大学の地域貢献に関する研究プロジェクト
プロジェクトリーダー:大澤 清二
【趣旨】
中央教育審議会答申「我が国の高等教育の将来像」において、大学の社会貢献機能の重要性が示されて以来、我が国における大学の社会貢献、あるいは地域貢献活動は大学の持つ重要な機能として位置付けられた。2007年には、学校教育法の中で「大学は、その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする。」と明示された。大学の社会貢献・地域貢献活動は、教育と研究に続き、一般的な取り組みになったと言える。しかしながら、こうした新たな機能が加えられたにも関わらず、大学を支える地域の状況は、人口減少や高齢化、若年層の都市部への流出等によって困難に直面し、その影響は私立大学の運営にも及んでいる。大学の地域貢献を促進する環境は、大学・地域の双方にとって極めて厳しいと言わざるを得ない。
大学の地域貢献は、近年急速に論じられ始めた課題であるが、私立大学はその創設以来、教職員や学生、あるいは卒業生の輩出を通じ、一貫して地域を活性化する人材を育成し、地域の経済や賑わいの創出に貢献をしてきた。にもかかわらず、大学の地域貢献がこれほどまで問われるのは、大学の行っている種々の地域貢献活動が社会全体に十分に可視化されるに至っていないからではないだろうか。
本アンケート調査は、こうした問題意識をもって、我が国の高等教育へのアクセスの拡大に最も貢献してきた私立大学による地域貢献の実態を、エビデンスをもとに明らかにすることを目的としている。我が国の地域における持続的な発展は、高等教育機関がその地域に存在し、教育、研究、社会貢献・地域貢献活動を続けていくことによって達成され、私立大学は極めて大きな役割を果たしている。現在、日本の私立大学は極めて困難な状況に直面している。地域の活力の基盤である大学が失われれば、その地域は荒廃を待つ恐れも少なくない。大学と地域の相互補完という関係においては、「大学が存在し、学生と教職員がいる」ということ自体にすでに大きな意味がある。本調査においては、地域の私立大学の存在意義について、地域貢献という視点から確かなエビデンスをもって明確にしたいと願っている。
【調査実施時期】
2019年5月20日~6月21日
【調査結果の利用について】
本調査結果は統計的に処理を行い、活用・公表の際には大学名等の個別情報が含まれるような情報の公表等は一切行わず、調査票は情報の流出等がないよう厳重に保管し、本プロジェクトでの分析等が終了した時点で適切に廃棄する。調査協力校に対する調査報告書を提供する際は、調査全体の集計結果のみを提供する。研究利用については、本研究所のWebページでの公開やアルカディア学報への掲載および、学会等における研究成果の発表等である。
【問い合わせ先】
*なおE-mailによる問い合わせについては、「私立大学の地域貢献に関する研究プロジェクト」メンバー 山崎慎一(私学高等教育研究所研究員・桜美林大学)まで、e-mailでお寄せ下さい。
E-mail:cerriihe@gmail.com
日本私立大学協会附置 私学高等教育研究所/担当:坂下景子、遅澤泰
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