パートI:会社の概要と財務諸表

 あなたは、紙・板紙を製造・販売している山形製紙株式会社(以下、山形製紙)の株式に投資すべきかどうか、また、どの程度投資するかを検討しています。
 山形製紙は東北に拠点を置く創業80年の老舗企業であり、製紙業界シェア国内8位の中堅企業です。山形製紙が製造・販売する製品の国内市場はここ10年ほど大きく拡大していませんが、高付加価値商品を積極的に投入するとともに、新興国を中心として高い成長が見込まれる海外市場の開拓に取り組んできた結果として、山形製紙の業績は過去5年間安定的かつ堅調に推移しています。しかし、他方で、工場・施設・設備の老朽化の問題に直面しています。
 あなたは、山形製紙の2019年度から2021年度(決算日はそれぞれ12月31日)までの監査意見(無限定適正意見)が付された財務諸表(資料Aおよび資料B)、並びに、同社が公表しているESG情報(資料Cおよび資料D)を利用して、投資に関する評価・判断をしようとしています。
 資料Aから資料Dに基づいて、以下の設問1から設問5に回答してください。
資料A 損益計算書(一部抜粋)単位:百万円(カッコ内の%は前年比増減率)
  2019年度 2020年度 2021年度
売上高 400,418
(0.5%)
409,825
(2.3%)
421,500
(2.8%)
営業利益 9,092
(9.6%) 
22,971
(152.7%)
27,655
(20.4%) 
経常利益 7,382
(-23.0%)
21,083
(185.6%)
25,859
(22.6%)
当期純利益 3,523
(18.3%)
14,399
(308.8%)
16,586
(15.2%) 
資料B 貸借対照表(一部抜粋) 単位:百万円
  2019年度 2020年度 2021年度
資産合計 514,606 559,400 572,294
負債合計 369,807 409,895 415,142
純資産合計 144,799 149,505 157,152

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